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母はふるさとの風

今は忘れられた美しい日本の言葉の響き、リズミカルな抒情詩は味わえば結構楽しい。 
ここはささやかな、ポエムの部屋です。

雨降る季節

2017年06月30日 | ふるさと
雨降れば
母を想い
風吹けば
父を慕い
細い通り行けば
祖父の着物姿

歳月は人を遠くしても
降りしきる雨の粒に
濡れて立つ花菖蒲
竹垣に紫陽花
思い出は降りしきる
雨のごとくに
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ほたるぶくろ

2017年06月09日 | Weblog
雨降る土手はみどりの茂み
薄い色したほたるぶくろを愛しみ
手折ればそぞろもの悲し
薄紫の夢に眠る
源氏ホタルか細き平氏か

都を追われ山深く 忍んで生きた公達らが
ちりじり別れ山あいに
棲んだという里は深い森と谷に囲まれ
伝説に眠る
栄華の都を心に刻み 落ちゆく涙が雨となり
6月のほたるぶくろに宿るのを
誰が知るか知らないか
雨降る土手に今年も
薄むらさき ただに咲き密む


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