母はふるさとの風

今は忘れられた美しい日本の言葉の響き、リズミカルな抒情詩は味わえば結構楽しい。 
ここはささやかな、ポエムの部屋です。

たまご

2020年10月21日 | 
たまごは遠くからやってきて
たまごは遠くに去って行く

温かい丸み
ほんわりする形
たまごはいつも平和で
たまごはいつも眠っている
眠っているけれど
生きて呼吸をする

朝早くめんどりは声高く叫ぶ
目覚まし時計のように正確に朝の光の中で
めんどりの日課の歓喜の声
 私が産んだの
 今産んだの
 早く見に来てわたしのたまご
めんどりの体温のままに生きてるたまごは
ふわり初めての呼吸をする

まあるいたまご
やさしいかたち
青草を食み
土壌の生き物を食べ
美味しい高原の空気を吸って
この世に生まれ来るたくさんのたまご
そしてどこかにいつの間にか
ひっそりと去って行く
もの言わぬ愛しい たまご
コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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Unknown (adonainebel)
2021-11-22 20:44:53
何て優しい、喜びに満ちた詩なのでしょうか。感動しました。
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Unknown (はな)
2021-11-22 22:04:20
adonainebel さま
ご訪問、ご感想、ありがとうございました。
返信する

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