母はふるさとの風

今は忘れられた美しい日本の言葉の響き、リズミカルな抒情詩は味わえば結構楽しい。 
ここはささやかな、ポエムの部屋です。

おしろい花

2021年08月24日 | 花(夏)
おしろい花は夕べに開く
おしろい花は夜明けに閉じる

花の種がポロリと落ちる
黒い小さい硬い種が
軒先にころころ転がる

つぶした種には白い実がある
お鼻のてっぺんに塗ると乾いてお白いになる
おしろい花の
本当の名は 今も知らない

おしろい花は静かな夕べ
枝を広げてにぎやかに咲きだす
日が落ちるとみんなで楽し気な宴会を繰り広げる
そして昼のなごりの大気の中
言い得ない気品ある香をほのかに漂わす

百合のようにダリアのように
真昼の太陽の庭で主張しない
おしろい花
しかしいちばんに
マゼンタ色に染まり旧い日々を思い出させる
夏の庭に群れていたあの花
小さきおしろい花

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2 コメント

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初めまして (pinokio)
2021-09-08 18:33:52
コメント有難うございました。
オシロイバナ、子供のころ庭でたくさん見ましたが最近見てないのでうれしかったです。
又花屋さんで見たらい庭に植えたいです。
返信する
赤いダリアに (はな)
2021-09-08 21:02:54
あまりに立派な大輪ダリアに驚きました。
初秋にぴったりですね、また拝見させてください。 ありがとうございました。
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