放送中の大河ドラマ「光る君へ」にまつわる
興味深い記事を見付けましたので
記録しておきたいと思います
(画像はサイトより)
主人公・まひろ(紫式部)と父・為時の質素な暮らしぶりが
描かれているが、*除目(じもく)を境に為時の生活は好転する
*貴族の人事異動にあたる「除目」(じもく)の際に詠んだ*為時の漢詩が
天皇の心を動かし、当初は最下格の淡路国守だった任官が
最上格国の越前国守に変更された
下級貴族の人事異動は天皇を頂点とする上流貴族たちの思惑ひとつで
決まっており、除目のたびに明暗を分けるドラマが繰り広げられた
*苦学の寒夜は 紅の涙巾(きん)を みたし
除目の朝(あした)は 蒼天眼(そうてんまなこ)にあり
漢詩が堪能な為時の作だけに格調が高いが
富山大学名誉教授の山口博さんによると
内容は☟のとおりです
「血走った赤い目をしながら夜も寝ないで勉強したのに
除目の朝は失意の目に映るは
ただの青空だけ 心の中も真っ青」
「今昔物語」などに書かれた説話では
この漢詩を読んだ一条天皇は あわれみ 道長は源国盛だった
越前国守の任官を中止し、為時の淡路国守と任官を交換してしまう
ドラマでは源国盛は漢詩が不得手で
まひろ(紫式部)への思いも手伝って
任官を交換するよう描かれました
「光る君へ」の時代考証を担当する倉本一宏さんは
淡路国守を申請した際の申分(もうしぶみ)(任官申請書)の
一節だったのかもしれないと推察
任国の交換の理由は説話の通りではなく
交易を求めて越前に来ていた中国・宋の商人との折衝に当たらせるため、
漢詩文に堪能な為時を任じたとみる
さて、一番 興味深いのは当時の貴族の給与です
米価を基礎にして現在の年収に換算した山口博さんの試算によると
為時の当時の官位にあたる従六位は年収600万円ほど
従五位に昇格して1,400万円に倍増し(中級貴族)
正五位に昇格して2,600万円に (中級貴族)
このあたりが下級貴族の昇進の限界という
つまり下級貴族は中級貴族の下から2番目まで昇格できるのですね
従四位は3,200万円 (中級貴族)
正四位は4,000万円 (中級貴族)
上級貴族三位は 7,300万円
上級貴族二位は1億1千万円
上級貴族一位は3億6千万円
従一位まで上り詰める道長は
3億超の年収があった、と想定できる
(5/27 産経新聞・地方版による)