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ムカデさまの命

2023年05月31日 | ある日の散歩で

 

(キョウカノコ)

 

またまたトイレ絡みの話題で恐縮ですが

女優でありエッセイストでもある美村里江さんは無類の虫好き

里江さんが海沿いの公園でログハウス風の

お手洗いを借りたときのこと

お手洗いは隅々まで清掃が行き届き

ピッカピッカのツルッツルに磨き上げられた

洗面台に20㎝は優にあるムカデさまが

自慢の足で必死に傾斜を上がろうと

苦戦していた場面に遭遇

里江さんはハンカチを長くねじって簡易縄を作り

ハンカチにつかまってもらい脱出を助けようとするが

ハンカチの影を察知した水道の自動センサーが

作動して勢いよく水が流れムカデさまは

らせん状の水流とともに排水溝へ吸い込まれた

里江さんは助けたことが徒になった、と

「何もしない方がよかったのだろうか・・・」

という葛藤におちいったそうだ

先日 散歩中でのこと

保育園児くらいの男の子が此方に向かって走って来て

息を切らせながら・・「ムカデがいる!」と

男の子が指さす方に向かうと

お母さんらしい女性2人とお兄ちゃんらしい子が

しゃがみ込んで ワイワイと騒いでいる

見ると大きいムカデさまだ!

「どうか お助けください」とでも言うように

わずかな動きが見て取れた

お母さんたちはライターで

「これでもか!」というように焼き討ちに

 

ムカデさまを助けようと知恵を絞る人あれば

この世の敵と焼き討ちにする人もいる

その対照的な光景に・・・

はたして自分は?・・・

毎年、我が家の小さな庭にもムカデさまが出没するが

見て見ぬふりを決め込む

そのまま放置しておくと翌日には大抵

干乾びて他の小動物の餌になっていることが多い

ムカデさまは どんな一生を送るのか、皆目わからないが

儚い命に変わりないことは確かである

 

 

(コアジサイ)

 

 

*写真は寿長生の郷にて*