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はなこのアンテナ@無知の知

たびたび映画、ときどき美術館、たまに旅行の私的記録

ボランティア研修~コミュニケーション力強化

2009年02月01日 | ボランティア活動のこと
先週、美術館のボランティア向け研修に参加しました。今回の講義は平たく言えば「コミュニケーション力の強化」。講師はNHKのエグゼクティブ・アナウンサー、石澤典夫氏です。石澤氏は長らく『新・日曜美術館』の司会を務めておられた方で、美術への造詣も深い。

前段として…

美術作品の解説は、観光案内とは違う

=作品の解釈、評価は様々、時代によって違う
→現時点の正確な情報を伝えること。共に見る、共に考える姿勢が大切。


パブリック・スピーキングの重要性

パブリック・スピーキングとは、公の前で、自分の思い、自分がどのような人間であるのかを、的確な言葉を用いて語ること(つまり、的確な自己表現?)を意味します。人に対した時に、どのようなスタンスで向き合えば良いか考えること、とも言えます。欧米では幼少期から当たり前のように行われているこの教育が、残念ながら日本では欠けているとのこと。確かに私自身、学校教育の場でそのような教育をきちんと受けた記憶がありません。世界が狭くなった今、世界の舞台で海外の人々と対等に意見を交わす(もしくは、戦わす?)為にも、必要不可欠な能力のひとつと言えるでしょう。

研修では早速実践とばかりに数人の方が抜き打ちで前に出され、自己紹介をさせられました。予め何(どういった項目)を言うべきか教えられることなく、です。しかし、当てられた方々は皆さん、結構そつなく自己紹介を終えました。私だったらどうだっただろう…(^^;)。講師の石澤氏は端に立ち、にこやかな表情でその様子をご覧になり、後で各人に対して短いコメントをされました。その際のチェック・ポイントは以下の通り。これは、そのままスクール・ギャラリートークでも適用されるものです。

●時間
●姿勢、視線、表情
●話のリズム→一文の長さ

「話し方」はテクニック(HOW TO)

ひとつのテーマについて時間は長過ぎず、短過ぎず。

姿勢は堂々と、視線は相手の表情を見るくらいの余裕を持って流す。できるだけにこやかに。

以上を踏まえた上で、児童生徒を対象にしたギャラリートークで留意すべき点は以下の通り。

まず、子供の発言を聞くこと→子供の発言に真摯に耳を傾けること

そして、子供を褒めること→一切、否定的なことは言わない。

できるだけ一文を短くすること
→「~で、~で」と助詞でリズムを取らない。
→主語+述語のみ。余計な修飾語は付けない。(←ギャラリートークで作品について、聞き手の子供達に余計な先入観を与えない為でもある)
1回の発語で話せるのは、30字/息
→短くすれば、言い間違いも、逸れた軌道も「修正」がし易い。

→現状を知るために、(ビデオ録画するなどして)自分の声を客観的に聞いてみる

●「自分の言葉」で話すこと→漢語表現は避け、できるだけかみ砕いて話す。
その前準備として
△(作品について)最低限の事実関係をメモする
△想定問答を準備する
△実際にシミュレーションをして、余計な部分を削ぎ落として行く
 →言いたいことの優先順位をつける

+自分の経験や感動を話す→自分をさらけ出す。子供達と同じ”鑑賞者の目線”で。

【Q&A】

Q1.自分は話し下手。うまく話すにはどうしたら良いか?

A1.きれいにやろう、よく見られよう、とは思わないこと。
 誠実で真摯な態度で臨めば、聞き手は好感を持って受け止める。

Q2.今ひとつ場が盛り上がらない時は?

A2.質問の仕方を工夫する。発語を引き出す為の具体的な質問を投げかける
 「何が見えるか?」「何が気になるか?気づいたこと。色?形?描き方?」etc
 逆に、例えば作品を見せて「どうですか?」と言った質問は禁句。
 →何を聞きたいのか不明確なので、相手が最も答えにくい質問。

以上、文責はなこ(講義中のメモを元にはなこが再構成)

【感想】

終始柔らかな物腰に、公共放送のアナウンサーとして常に公の場で自身を晒し続けて来た石澤氏の、「相手にけっして不快な印象を与えない」と言うプロ意識を感じました。とにかく人に相対する時は”聞くこと”~相手の話に耳を傾けること~を重視するという話に、まさに百戦錬磨のインタビュアーと言う印象も。「話し方はHOW TO」と言うのも、具体的なテクニックを伝授されたのは初めてだったので、とても勉強になりました。
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