はなこのアンテナ@無知の知

たびたび映画、ときどき美術館、たまに旅行の私的記録

(25)イーグル・アイ(試写会にて)

2008年10月13日 | 映画(2007-08年公開)
去る10月9日(木)に東京国際フォーラムで開催された『イーグル・アイ プレミアムナイト ~一夜限りの試写会~』に行って来ました。主催者発表では約5000人の来場者だったとか。

上映前に約30分のイベントがありましたが、関係者で実際に会場に来たのはD・J・カルーソー監督のみ、主演のシャイア・ラブーフは次回作『トランスフォーマー2』の撮影が押して来日は叶わず、ビデオ・レターでの参加でした。他にゲストとして高橋ジョージ・三船美佳夫妻がステージに上がり、映画の内容と絡めたパフォーマンスを見せてくれましたが、個人的に高橋ジョージが嫌いなので、これはなくても良かったのではと言うのが正直な感想。三文芝居は要らないから、早く映画を見せて欲しかった。

過去に行われたジャパン・プレミアと比較すると、映画製作関係者の来日が監督ひとりのみではあまりにも寂しく、さらにゲストがあの高橋夫妻では二流感が漂う。あまり本作のプロモーションには力を入れていないのかしら?作品が気の毒です。

 どこにいようと容赦ない指令が下る…

この映画、前半は謎の声の、有無を言わさぬ指令に主人公が振り回され、まさにローラーコースターな展開。畳みかけるようなアクション・シークエンスには片時も目が離せません。特にカーチェイス・シーンは迫力がある(カルーソー監督は激烈なカー・アクションで知られているらしい。過去には『テイキング・ライブス』や『ディスタービア』など)。しかし後半、物語の核心部分に近づくにつれ、謎解き中心の展開になるせいか、前半が怒濤の流れなだけに失速感が否めない。しかも段々と結末も読めて来て、種が明かされれば、それは過去に何度も使い古された感のあるもの。この作品は結末がどうなるかより、そこに至るまでのプロセス(ワケのわからない指令でパニクる様子~自分がそう言うシチュエーションに置かれたらどうするか想像してみるとか…)、疾走感を楽しむ作品なのかなと思いました。だからこそ後半の失速感が惜しい。

 前半はとにかく逃げる、逃げる、逃げまくる…

スピルバーグ氏構想10年、撮影技術?時代?がそれにやっと追いついて映像化が実現、との触れ込みですが、残念ながら、10年前なら斬新だった構想も、10年経ったら既に陳腐化してしまったのかな?それぐらいこの10年の映画コンテンツの進歩・革新は著しい。この映画で描かれている”恐怖”は、既に様々な作品で見た覚えがある。しかも「イーグル・アイ」と言う名前からして、ハリウッド映画を見慣れた人間には、それが何を意味するのか、何となく予想がついてしまう。携帯電話が重要な小道具として使われているのは、いかにも今日的ではあるけれど。

さらについ最近、名古屋工業大学の先端技術をテレビで知ったばかりなので、この映画の肝~なぜ主人公の青年が選ばれたのか?~が、技術的に成立しないと言うか、世界で最も厳格、厳密であるべきところで、あり得ない設定となり、リアリティを大きく損ねてしまいました。そう言う意味では、常に時代の先を行っていたはずのスピルバーグ作品らしくないですね。やはり10年という歳月の流れは残酷です。せめてあと5年早ければ…

主演のシャイア・ラブーフに関しては、彼のフィルモグラフィによれば『チャーリーズ・エンジェル フルスロットル』で私は彼を見ているはずなのですが全然記憶になく、最初に印象に残っているのは『コンスタンティン』のチャズ役。その後『ディスタービア』『トランスフォーマー』『インディ・ジョーンズ クリスタルスカルの王国』と見て来て、今回は顔つきがかなりシャープになっており、自分の演技に対して自信がついて来たのかなと言う印象。以前、「彼はトム・ハンクスのように大化けするかも」と書きましたが、彼のキャリアを見る限り運の良さを感じますし、スピルバーグという超大物の後ろ盾も得て、今後は若手トップ・スターとして目の離せない存在になるかもしれません。

『イーグル・アイ』公式サイト
コメント (8)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ノーベル賞受賞に経済力は関... | トップ | 文章の好み »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。