火垂るの墓とテレビ番組『ごぶごぶ』の関連で
三宮駅と元町に足を運びましたが、
今回のメインの目的地は、JR神戸駅にあるんですよね。
神戸駅に来ると湊川神社を素通りするのはもったいないので
せっかくなので参拝させて頂きました。
湊川神社 表門
楠木正成公を御祭神とする湊川神社。
表門をくぐり境内へ入るのは今回で三度目になります。
表門は、これまでと何も変わらずに私を迎えてくれているはずですが、
何か違う感じを受けるのは、私の何かが変化しているのでしょう。
その何かが良い変化であれと願います。
湊川神社 境内
白の鳥居と赤の鳥居と緑の木々、真っすぐ伸びる参道の奥には拝殿が見えます。
湊川神社 楠本稲荷神社
湊川神社 手水舎
湊川神社 拝殿
私が拝殿に到着した時に、
真剣で熱心な一人の男性が参拝していました。
男性の横にはキャリーバックがあったので旅行者だと思われますが、
眼を閉じて手を合わせたまま10分以上もピクリとも動きません。
心を澄ませて神様と向き合う時、願い事を成就するために
如何すれば良いかの答えが自分の内側から浮き上がっているんですよね。
それを聞き実行するか。聞こえていないふりをしてしまうか。
神戸地方裁判所
湊川神社に隣接する神戸地方裁判所が、
今回の名所巡りのメインの目的地になります。
ここ神戸地方裁判所を訪れた目的は、
生の裁判、リアルな裁判を傍聴するためです。
ドラマや映画では裁判の様子の映像を目にしてはいましたが、
これまでありがたいことに私とは全く縁のなかった場所で、
一度位は生の裁判、リアルな裁判を観ておきたかったんですよね。
裁判所建物内に足を踏み入れ、玄関先で金属探知機のチェックを受けて、
カメラを預けて受付に向かいます。
次に受付で今日は、どんな裁判が開廷されるのか、
そして、開廷時刻を調べて
私が傍聴することにしたのは窃盗事件。
開廷まで時間があったので館内を探索することに。
冷房の効いた館内は、ゆったりと広く、装飾はシンプルで
並べられたソファの前のモニターでは
裁判員裁判の仕組みの紹介映像が流されていて、
建物内には自動販売機まであります。
傍聴する人への注意事項
①身なりを整える。
鉢巻。たすき。ゼッケン。腕章等。禁止。
②持ち込み禁止
ヘルメット。プラカード。チラシ。旗等。
③法廷内の態度
私語。発言。声援等、禁止。
この注意事項を読んで、ちょっと笑ってしまいました。
傍聴席に被疑者の仲間が押し寄せて、
たすき、鉢巻の出で立ちで、旗とプラカードを振り回して、
「負けるなあ○○君。私達がついているぞ!」
「やっつけろお警察!やっつけろお検察!」
「わっしょい。わっしょい。」
こんな球場の応援団のような奴が過去にいたのでしょうか。
わざわざ例示しているってことは……まさかね。
開廷の時刻となり法廷内に入ると、
傍聴席と法廷は柵で区切られている法廷内には、
弁護士とおそらく書記の方だと思われますが着席されていて、
傍聴人は、私と女性の方一人だけでした。
(後で被疑者の母親であることが判明。)
世間を震撼させた凶悪事件でもないから
そんなものだろうと思っていたのですが、
最終的には、傍聴人が20人程度まで増えていました。
(法廷には裁判途中でも入廷、退廷が自由。)
傍聴人の年齢層は様々で、なんか記者ぽい人もいれば、
おじさんもいれば、学生ぽい若者も数人。
私以外の殆どの人が熱心にメモを取っていたのには驚きました。
検察官が私達傍聴人が入って来た扉から入廷し、
しばらくして法廷内の別の扉から
両手に手錠をされて、腰ひもがまかれ、
頭を丸めた20代男性の被告人が二名の警護官に付き添われ入廷し、
最後に正面奥の扉から女性の判事が入廷して裁判が始まりました。
リアルな裁判が目の前で始まっても
最初は、どうしても役者さんが演じているように思えてしまって
ワクワク感が表情に出そうになるのを押さえるのに必死。
傍聴人制度は、とんでもない裁判が行われないために
一般の国民が監視できるようにした制度だったと思いますが、
被告人は、傍聴人にその姿をさらすことにもなるので
安心でもあるし苦痛でもあるように思います。
検察官が事件内容として最初に語ったのが、
「コンビニで傘を盗んだ。」
「そんなことで両手に手錠のこんな大それたことに?」と、
驚いたのですが、裁判が進むにつれて逮捕された経緯が見えてきました。
被告人は半年前にタクシー運賃8,000円の未払いの詐欺で逮捕され、
(これにもちょっと驚きです。)
その執行猶予中の身でありながら、コンビニで傘を盗み、
その他に置き引き等の窃盗4件の容疑で再逮捕されたようです。
被告人は、起訴内容の全てを認めていて
無罪か有罪かについては争点になっていないようなので、
ドラマや映画等でよくある「異議あり!」なんて争いはなく、
後は、判決がどの程度のものとなるのかだけのようです。
弁護人は、被告人が如何に反省をしているか、
被告人の境遇が如何に同情すべきところがあるか等、
出来るだけ罪を軽くしようと意見を述べ。
検察官は、今度罪を犯すと収監される可能性が高いと
前回の逮捕時に釘を刺された執行中の身でありながら、
そして、
母親からの度々に生活費として援助のお金を送ってもらいながら、
そのお金でキャバクラやガールズバーに度々に通い、
生活費なのか飲み代なのか、お金に困っては窃盗を繰り返した
そのような被告人の反省の言葉を信頼出来ないとして
判事に厳罰を求めていました。(求刑は3年)
被告人本人が反省の弁を語り、二度と過ちは犯さないために
飲みに行くことを止めて、家計簿をつけて計画的にお金を使うこと、
出所後の就職先があることを語っていたのですが、
私としては、弁護士が用意した原稿を読んでいるかのような
平坦な抑揚が気になったんですよね。
それと完全なる私の主観ですが、弁護人も検察官も、
それなりに話す言葉に気持ちがこもっていましたが、
仕事をこなしている感じもして、
最後に女性の判事が被告人に対して諭すように話しかけた言葉が
一番気持ちが乗っかていたように感じました。
やっぱ女性って優しい。あったかい。
人生初の1時間のリアル裁判の傍聴は、
あっという間に過ぎて終了となりました。
一つ一つの被害額は、三万円以内の事件のようでしたが、
それらの被害者からの訴えにも警察が動いてくれることを
知ることが出来たのは嬉しい限りです。
検察官が語っていた内容の一つに
被告人がガールズバーで20万円を請求された時に、
母親がお金を捻出して助けてくれた?
1店舗で20万円の請求?これって被告人ぼったくられてるやん。
検察官は、さらっと流していましたが、
ぼったくったお店はどうなった?
警察、被告人のお金を取り返してやろうよ。
ぼったくりでも、請求された側が支払いをすると
ぼったくった側は罪に問われない?
傍聴席から質問をしたくなったのですが、
さすがに出来ませんでした。