1960年 東京台東区で1ヵ月前に
勤務先から現金を持ち逃げした23歳の男が
「もう一度雇って欲しい。」と
頼みに来て警察に突き出されました。
男は、自分の行いをすっかり忘れていたと供述。
この犯人の男の供述、すっかり忘れていた。
呆れると言うのか、ビックリすると言うか、
とても信じがたいことです。
とは言え、自分のしたことを覚えていて
元勤務先を訪れたとしても
同じ位に呆れる行動で、どっちにしても
もう何と最早、言いようが有りません。
1つ救いと言うのか納得できるとするなら
頭部に物理的衝撃を受けた際に起きる
外傷性障害の健忘症や
服用している薬の副作用から起きる
薬剤性の健忘症。
健忘症は、記憶障害で
一般の人も経験する度忘れのようなことの
もっと酷い状態のことです。
健忘症には、新しく物事を覚えられない障害と
昔の記憶が思い出せない障害があって
内容を全て思い出せない場合や
少しは思い出せる場合もあります。
本人にとって些細な出来事であった場合にも
記憶に残りにくくなりますが
会社のお金を横領したことが些細なことだと
認識していたとしたら
私は、横領そのものよりも犯人の男の人間性に
救いようが無いとも思うんですよね。
健忘症とは違う身体の反応ですが
毎日のように姑からの小言を
心から「もう聞きたくない!」と思った女性が
聴力が機能しなくなる事例もあるので
健忘症の要因となる最後の一つは、
ストレス等が要因となる心因性障害の健忘症。
一般的には、日常生活や仕事のストレスから
起きることがあるとされていますが、
本人が横領事件を激しく後悔し、
無いものとしたいと強く願ったとか
忘れてしまいたいと強く願ったことで
無意識がそれを叶えた可能性も否定できません。
無意識は、本人の苦痛を和らげるために
記憶を深く閉じ込めたり、
身体の機能を変化させたりすることを
記憶のどこかに持っておいてもらいたいと思います。