1961年のちょっと古い出来事なのですが、
その世界では野獣派の代名詞で知られているらしい
フランスの画家「アンリ・マティス」の作品が
ニューヨーク近代美術館に展示されました。
その展示された多くの作品の中で油絵「船」と言う作品が
47日間も逆さまに展示されていたことに
11万人以上も訪れた来場者も美術館の学芸員も気が付かず、
ようやく最終日前日になって、展示されている絵と
カタログに掲載されている絵とが違うことに気が付いた
来場者から指摘を受けて発覚しました。
最後日の前日まで逆さまに展示されていることに
誰も気が付かなかった油絵と言うのが、
アンリ・マティス作「船」
こっこっこっこれは……。
一般の来場者は、確かに気が付かないとしても
「なるほど。なるほど。なるほどな。」と納得はしますが、
美術館専属の学芸員が気が付かないってのは
さすがに駄目なんじゃないかと。
展示会に11万人も訪れたのですから
絵の向きがおかしいことに気が付いた来場者は、
最終日に間違いを指摘した来場者以外にもいたとは思うのですが、
来場者の皆が何の異も唱えず、「ほお~これが……さすがですなあ。」
なんて感心する大勢の様子を見て裸の王様的な同調行動が起きて
「なんか違うような、でも私の勘違いだろうな。」と思ったり、
美術館がしていることなので何か意味があるのだろうと
ハロー効果のようなことが起きていたのかも知れません。
弘法も筆の誤り。河童の河流れ。釈迦も経の読み違い。
間違えても良いじゃないか。笑われても良いじゃないか。
あなたも私も人間なんだもの。
By あいだみつお じゃない人。