はるのほっぺ

備忘録です。仕事柄、政治の話題が中心です。

観念論・「国連待機部隊」創設

2006年04月12日 | 政治

 早速、民主党の審議拒否が始まりました。その理由は、民主党が提出している「がん対策基本法案」の審議などの取り扱いですが、そんなことよりも、こうした展開に持ち込みたかっただけでしょう。恒三黄門さまのパフォーマンスに拍手。
自民党は想定の範囲内であったので、さして驚く必要もないでしょう。
 それよりもあまり気乗りしない仕事が増えてきました。要は「小沢一郎」関連です。
おそらく原因は、昨日のエントリーで書いたように、巷で小沢一郎ファンが広がり始めているせいです。
税調の石会長も、隠れ小沢ファンかもしれません。こんなお叱りを受けています。<政府税調会長に批判噴出 衆院補選「民主に塩送る」
  小沢ファン=何かを期待してしまう人たち。特に団塊世代の人たちに多いのは、前原前代表の若さへの反動かもしれません。
それはさておき、小沢一郎とはどんな持論を持っているのかを調べてみました。もちろん、小沢ファンの方々に夢幻から目を覚ましてもらうためです。
 まずは、小沢一郎と横路孝弘との妙な蜜月関係。
代表選挙で、横路孝弘ら旧社会党グループは小沢を支持。その理由について語っているのを整理すると以下の通り。
「小沢さんは自民党との『対抗軸』を明確にすると掲げているから」
「従来から小沢さんと話をしてきたんですけれども、『憲法に基づいて国連の平和維持活動に協力する』と言っているからだ」
ここへ至る経緯は、小沢代表が民由合併時に、「国連待機部隊」創設を主張し、横路と手を結んだことから始まっています。
 小沢一郎は夕刊フジに連載を持っています。その名も、「剛腕コラム」。過去の連載の中から、安全保障政策に関連する記事を抜粋してみました。
  夕刊フジ連載 剛腕コラム 第165回 2003年11月28日

「・・・安保政策をきちんと話そう。一昨年に内々で合意した『国連中心主義』について詰めよう」
会談の結果、僕と横路氏は、
(1)自衛隊は憲法九条の理念に基づき専守防衛に徹する
(2)地域安全保障体制を確立する
(3)国連平和協力は国連を中心に行う。自衛隊と別組織の国連待機部隊を作り、国連決議等に基づき派遣する
(4)国際連合改革にリーダーシップを発揮するなどで完全に一致した。
これは文書にもして、お互いに署名もした。党内外から「最も意見が違う」とみられる二人が一致したことは画期的なことだ。

  
  夕刊フジ連載 剛腕コラム 第171回 2004年1月16日
 
 自衛隊は第九条の趣旨から専守防衛に限定し、国連が行う平和維持の行動には、自衛隊とは別組織の「国連待機部隊」を作り、国連決議に基づいて参加すべきだと訴えてきた。これならば国内外の理解も得やすい。
一部新聞が国連待機部隊について「自衛隊と二重になり、効率が悪い」などと批判していたが、僕の考えでは、自衛隊も国連待機部隊も防衛庁長官の指揮下に置き、組織系統の違いだけで区別する。
隊員の基本的訓練も自衛隊で行い、希望者などを国連待機部隊に配属するようにする。まったく別個の組織を新たにつくるなら別だが、こうすれば「効率が悪い」という批判は当たらないだろう。


 「自衛隊から別組織の部隊をつくり、国連決議や要請に応じて出動し、場合によっては武力行使も容認すべき」という観念的な理屈です。
結局は、横路グループが、ギリギリ納得できるところを3年も前から模索していたのです。
しかし代表選挙の際、小沢一郎はこうも言っています。
「防衛や安全保障だけの話ではない。国民が変えた方がいいというなら、自然体で取り組めばいい」
この発言は、憲法改正容認を示唆しています。これでは「完全護憲派」の横路との約束は反故になってしまいます。
おそらく、横路グループより前原・野田グループの囲い込みを意識しての発言だったのでしょうが、ここでもダブルスタンダードを展開していました。

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