吉松ひろむの日記

高麗陶磁器並びに李朝朝鮮、現代韓国に詳しい吉松ひろむの日記です。大正生まれ、大正ロマンのブログです。

昭和初期の大阪 二十七

2006年09月21日 08時10分15秒 | Weblog
昭和初期の大阪  二十七

 金谷点柱(こんたにてんちゅう)十五
 山所(サンソ)
 …こんたにさんは九州の弟さんが炭鉱の事故で亡うなったけんど嫁さんだけ帰るそうな …
 朝食の時、母がぼくに伝えた。
 …何度もかえるんはあかんのやな…
 …そうじゃないない!帰るいうても昔の家はとうに人手にわたっちよるけんあるのはお  墓だけじゃそうな、そのお墓も土佐の母さんの実家の百倍もある広さじゃそうな、祖  父さんが朝鮮貴族のお墓は日本の天皇のお墓くらいひろうてりっぱと言いよったき…  それもお墓といわんでサンソというそうじゃ!サンソは字のとおり山が全部お墓じゃ  そうな…
 …田舎のお墓、一度ばあちやんにつれていってもうたけど石が十ケ立っておった!…
 …あれでも田舎では大きい方じゃき…
 ウメちゃんはぼくなんか問題にならんええとこのボンボンやな…と改めて驚いた。   …ウメちゃんは偉い人になるんやな、さっき母ちゃんが言いよった!…
 …う、う、う、そや…
 ウメちゃんが慌てて答えた。                           でもてんちゃんの顔は碁会所へやってくるおんちゃん逹のだれよりも綺麗な顔で活動写真の右太エ門そくりやった。
 母の言うとうり昔はとても偉い人の家に生まれた人にちがいない。