吉松ひろむの日記

高麗陶磁器並びに李朝朝鮮、現代韓国に詳しい吉松ひろむの日記です。大正生まれ、大正ロマンのブログです。

昭和初期の大阪 十一

2006年09月05日 04時30分02秒 | Weblog
 昭和初期の大阪  十一

 独楽リレー  四
 ゲンちゃんの兄ちゃんの五年生が独楽リレーの審判や…とウメちゃんが教えてくれた。 ボクのやってるのを見たウメちゃんは…だ、だ、だ、と言い、ま、ま、ま、と言うたから…大丈夫や負けへんでェ…に間違いない。
 鬼ごっこは碁会所と技芸女学校と十三間道路手前の電信柱とゲンちゃんの家いないときめられた。それからはみでたら一点ひかれる。
 そして鬼から背中をさわられたらアウトになる。走ってる間は独楽が手のひらで回転していないと一点引かれる。
 動きながら独楽を回すとこれも一点引かれる。走らないで歩くとこれも一点とられる。 これは頭が秀才のウメチュンが決めたのだ。
 ボクは石に躓いてころんでしまった。独楽はコロコロころがってくさむらにきえたが点数はひかれなかった。
 ゲンちゃんは二回も鬼をやったし、ゲンちゃんの同級生はなんども独楽が手から落ちたのでだいぶ点数を引かれたらしい。
 結局勝ったのはウメちゃんで減点なしのトップをとった。
 審判は厳しく減点をして決まりでゲンちゃんの独楽を一ケウメちゃんにあげねばならない。
 …こ、こ、こ、ま、い、いらんさ、さ、かい…よ、よ、ーねんく、く、らぶ、かしてんか…ウメちゃんはゲンちゃんにそう言うた。
 …ほんまか!おおきに!今とってくるさかい!…
 ゲンちゃんは大喜びで家へ駆けていった。
 ぼくはウメちゃんのおかげで幼年倶楽部を五冊も手にいれた。
 ウメちゃんは最初からこれをねらっていたんや。
 タンクタンクロウのコマ漫画が連載になっていた。