近畿運輸局は、2024/11/1付で山陽バスからの「一般乗合旅客自動車運送事業の路線の休止に係る事業計画変更の事前届出書」を公示しました。
https://wwwtb.mlit.go.jp/kinki/content/000331842.pdf
同社が明石市西端の二見地区で運行する路線(工場が主に立地する南二見人工島と山陽西二見駅・JR土山駅を結ぶ路線)の全区間について、廃止を前提に2025/4/1から1年間休止するものです。
この路線はかつて明石市営バスが運行していましたが、2006年に山陽バスが引き継ぎました。利用者のほぼ全てが「南二見人工島の工場への通勤者」となっているため運行は朝夕に限られ、便数も「平日=20便、土休日=6便」となっています。
以前から赤字が続き、同社の拠点がある神戸市垂水区内から大きく離れていることから労務面でも不利な状況に置かれています。ただ、上記URLの資料にあるように平日朝には1台あたり50人近くの乗車がある便もあり、存続に向けて努力してきましたが、ついに困難になったようです。存続策の一環として2021年3月に実施した運賃値上げ(JR土山駅からは50円アップ、山陽西二見駅からは40円アップ)については、国土交通省の「乗合バス運賃施策事例集」の筆頭に挙げられていたわけですが。
https://wwwtb.mlit.go.jp/kinki/content/000293047.pdf
ただ、この路線が休止されると現実に何百人もの工場従業員の通勤手段がなくなるわけで、立地する事業所が合同して通勤バスを運行することになるのか(ノーリツ明石本社工場は独自にバスを運行中)、それとも別のバス事業者に運行引継ぎを依頼することになるのか、果たして・・・
<11/8追記>
山陽バス公式サイトでは2024/11/7付で掲載されました。代替交通はこの時点では未定で、定期券払い戻しなどの詳細はその方向性が決まってからのようです。