今日の父

　
　今日は病院へ行ったら父は眠っていた。
　しかし気配を感じて起きたらしい。

　こちらを向いてちゃだに向かって「すんませんなぁ」と、
　声を絞り出して語りかけた。
　それっきり、言葉は途絶えて苦しそうな表情を浮かべて、
　首を横に振ったりしている。

　私が「どこか痛いの？」と聞くと、「痛い」とかすかに言う。
　どこが痛いのかと聞くと「あちこち」とのこと。
　でも、結局お腹が痛いことが分かって、
　看護師さんにお腹を温めてもらう。

　どうにか鎮痛剤のようなものはないのかと聞くと、
　検査もしていないのでどこが痛いのかどんな痛みなのか分からないのでと。
　それでも先生に言っておきますという返事だった。

　その後も「しんどい」「痛い」を繰り返す。

　父はまだ元気だった頃「痛いのだけは嫌だ」
　「のたうち回って苦しみたくない」と言っていた。
　
　何とかしてやれないのか？
　苦しまないようにしてくれるって先生、言ったじゃんか！！
　なんでよ！なんでらくにしてあげられないん。

　病室に漂う空気が、義母の亡くなったときと似てきたことに、
　ちゃだも敏感に感じ取っていたらしい。
　私と同じことを感じ、考えていた。

　もう父に祈りは聞こえない。
　願わくば心の中で祈ってくれているのを信じたい。

　辛くないんだ。苦しくないんだ。
　勝利なんだよ！凱旋なんだよ！！
　栄光のうちに導かれるんだよ！！

　お父ちゃん。

　くぅ

コンビニ弁当

　最近、食欲がちゃだも私もなくて、惣菜パンなど食べていた。
　ご飯の炊けるにおいがだめになり、
　あったかいご飯を食べたくなくなった。

　なので、近所のパン工場直売のお安いパンか、
　コンビニのおにぎりなど、お味噌汁とともに食べたりしていた。

　それがやっと今日「コンビニ弁当」に格上げになった。

　ちゃだは脂っこいものが食べられなかったけど、
　今日は唐揚げを食べられて胃薬も飲んでいない。
　私はおにぎり弁当だったけど、おかずも全部食べられた。

　まだ抗不安剤のレキソタンを飲む量は減っていない。
　むしろコンスタントに飲まないといられないほど動悸がする。

　これはたぶん我々の生活が普通に戻らなければ治らないと思う。
　いつまでだろう・・・・・・
　
　待ちたくはない。

　くぅ

3月11日、ですよね。。。

今日は3月11日。

あれからもう1年が経ちました。
東北から遠く離れ、特に身内にも大きな影響があった者もいないので、
なんとなく別世界のことのように思っている彼の地のことですが、
今日偶然に「動物＋救護 にゃんだーガード」という福島県で
取り残された動物たちの救護活動をしている団体のHPを見つけました。

飼い主を失ったり、取り残された動物たちのシェルターを作って、
飼い主さんを探したり、里親さんの募集をなさったり、と
その数を考えると、途方も無く無限に時間を必要とする活動だと思います。

もちろん、被災者（人間）の方々の様子を見ても「大変だなぁ」と
思うのは当然なのですが、このシェルターに今もいる動物たちの
物言わぬ何とも言えない悲しげな表情を見ると、よりこの災害の傷跡の
深さを感じるのです。

そして今は何不自由なく（部屋は狭いですが。。。）暮らしている
我が家の３にゃんと１うさをみて、「君らは結構幸せだぞ。」と思うと同時に
この仔らには何かあっても辛い思いをさせたくないという、
より強い愛おしさを感じるのです。

いろいろなことが全て初めての規模で起こったことであったが故に
様々なことを皆が新しく考えて、工夫して、悩んで、そして頑張っておられます。
同じ日本の中なのに私が出来ることなんて間接的で僅かな援助でしかありませんが、
それでもゼロよりは絶対いいはず、そう信じてやれることをやろうと
今日また改めて思いました。
小さくても、少なくても、自分の出来ることを思い出したときにでも、継続的に
出来るだけ長期間できればいいなぁ、と思います。

「動物＋救護 にゃんだーガード」では、売上金の材料費を除いた全てを支援金と
して使われるオリジナルグッズショップを運営してらっしゃいます。
特にTシャツは、カッコよくて、かわいい（と私は思うのですが）のでオススメです。

ねこちゃんやワンちゃんたちと（もちろんうさも）暮らしていらっしゃる方は、
自分たちのかわいい相棒のことと置き換えて考えてみてあげて下さい。

3月11日にちょっとだけ思ってみたことです。

ちゃだ

アジア支局長との別れ

　今日は私たちの教会にいらしてくださっていた牧師さん。
　アンベッケン先生とエルス・マリー先生の送別会だった。
　お二人は夫婦でありながら、方や関学の講師、
　もうお一方はインターアクトという宣教団体のアジア支局長だった。

　なぜか私たちの教会を主として動かれていたので、
　マンションも近くに借りられてこの4年間過ごされた。
　もう、おられるのが当たり前になっていたので不思議な感じがする。

　いつもアンベッケン先生の英語のメッセージを、
　エルス・マリー先生が通訳してくださった。
　仲の良いご夫婦でマンションからこの高台まで自転車で来られる。
　パワーあふれる感じだった。
　いつも笑顔で病気なんか逃げてしまうんじゃないかと思うくらい。
　憧れでもあった。

　そんな先生方がスウェーデンに帰られる。

　思い返すとあっという間の4年間だったのに、
　私の周りの環境は激変した。

　時間って不思議だ。
　みんな同じように過ぎていくのではないんだね。

　くぅ

今日は土曜日

　
　あぁ、今日は土曜日だ・・・。

　そんな毎日を送っている、今の私たち。
　用もないのにガーデンズへ行った。
　家で悶々と考えるだけの日々はしんどすぎる。
　うろうろ歩いてあれこれ物色してひととき何かを忘れる。

　私は冠婚葬祭用のパールがピアスだけイミテーションなのをずっと気になっていて、
　いつものジュエリーショップでピアスを買った。
　7.5mmだからネックレスとも合うくらいの大きさ。
　色もそんなにピンクがかったものではない普通のもの。
　照りはいいので、良く光っていた。

　そんな買い物をしても葬儀用に買ったのだから、心は躍らない。
　もっとウキウキするお金を使いたかったと思った。

　今日は父のところへは姉が行った。
　「雨、降ってるか？」と聞いたらしい。
　そんな長いセンテンスを言えるのはとても不思議。
　姉になにか言いたかったパワーなのかもしれない。

　家族みんなで見守る最期の時間を過ごしている。

　くぅ