ひなたぼっこ

「まだ見ぬ素晴らしい景色」を求めて自転車で。

ツール・ド・但馬棚田

2015-06-07 | Bicycle ride


鳥取に隣接した兵庫の北西部”但馬”。
鳥取市内から最も近い部類の”鳥取県以外”なとこなんだけど、今まで自転車ではあまり足が向かなかった。
もちろん何度か踏み入れたくらいはあったのだけど。

切り立ったような山に囲まれた場所で、走るとなれば坂ばっかりになるのが容易に予想されたり、
地形的にR9号が走る谷を幹として、小枝的な道がいくつもあるけど「ほぼ全て行き止まり」で周回のルートが作れない。
だから、ルートラボで線を引いてくと必然的に150kmオーバーだったり、3,000m登るようなクレイジーなルートになってしまう。
そんなのが今まであまり選ばなかった理由だと思います。


田植えが一通り終わって水が張られたこの時期、好物の棚田を見るいい時期です。
今年はどこの棚田を見に行ってやろうかなんて調べてると、今まで目が向かなかったこの地に目に止まりました。
山の斜面がきつければ必然的に棚田も増えるはず。
そう、兵庫の北西部、”但馬”地区はまさしく棚田の宝庫だったのです。

今回はそんな但馬地区の棚田を巡ってみっぺ。


とりあえず小さい頃から「おじろスキー場」でお世話になった村岡町の小代地区の辺りを発着点としました。



みかた残酷マラソンはここらの名物イベントのようです。

でも残酷って・・・w
この辺りの地形がいかに厳しいのかを現してますね。



深い谷の地形&斜面にへばり付く集落は四国を思い出します。
分かってたとはいえ、坂きつすぎ。
この日はやたら蒸し暑かったのもあって、早くも死にそうでっす。



とりあえず一発目の棚田、「うへ山の棚田」に到着。



棚田百選の一つです。

前日の雨雲がまだ残るすっきりしない天気のお蔭で写真もいま一つすっきり写ってくれないですが、
手つかずの自然とは違う、人の手が入った自然の姿。
自然に人が手を加えたアート、いや、芸術性を求めて作られたわけではないからアートではないな。
なのにこんなにアーティスティックなのは「機能美」なのかな。


棚田の先にも道が続いてたのでさらに進んでくと、吉滝キャンプ場へ。
辿り着いた先には「残酷マラソンの最高地点」とありました。






この最高地点に至る道、特にキャンプ場への分岐からの九十九折れはまさに”残酷”な傾斜の道。
なんで俺こんなとこ登ってんだろ??と思わずにはいられない。




何故登るのか?と聞かれれば、こんな眺めが見たいからと答えるしかないのです。
先ほどのうへ山棚田を手前に見下ろし、さらに向こうには小代の集落がミニチュアのようになってました。
まだスタートして10km足らずですが、この日も獲得高度がきっと大台越え・・・と覚悟を決めるしかないようです。

荒れ荒れ舗装のワインディングをほどほどペースで駆け下りまして、ちょっと滝見物でも。



いくつもの滝を有する久須部渓谷、その中の一つの要(かなめの)滝。
すぐ右側には三段滝ってのもありました。

んで、それらの滝を眺めながら蕎麦でもいただきましょうと。



ほんとにこの先に店があるのかと一瞬不安になるような場所にあるのが素敵すぎ。
そしてなんかホワイトバランスがちょっとおかしいけど、とっても自分好みの蕎麦で美味い。
これに山菜の天ぷらがついて漱石さん1枚ぽっきりと値段も良心的だし、
一つ一つどれも丁寧な仕事がされてるのが感じられます。
だから確信しました。この店の他のメニューも美味しいに違いないと。
今回は手軽な蕎麦セットにしましたが、次回は絶対に山菜御膳の一番高いやつ一択。

バイクのお客さんはちょいちょい来られるようですが、自転車では珍しいようで驚かれてました。



おじろスキー場の横を通って下ってきたら、R482からK89号にのって東へ。
ちょっと隣の谷筋に移動するだけなのに、えっらい登らせて下さいます。



しんどいからムカつくし、登りは好きじゃないんだけど頑張って登ります。
だって自分が求めるのはまさにこんな道って様相をしてんだもの。
さらに時折展望が開けるとこなんかは、また景色がいいだなこれが。



あちこちに棚田が当たり前のようにある。
勿論百選でもないし、特に名前がないとこがほとんど。

小代(おじろ)という地名は、「小さい田んぼ」を意味し、棚田の発達した地域なんです。
なるほど、どうりでたくさんあるわけだ。
さらに小代は「日本の美しい村」連合の加盟した一つ。
なるほど、どうりで自分が好きな風景がたくさんあるわけだ。


K89の最高標高地点。



ここで獲得標高が1,000mを超えましたが、距離はまだ30kmも走ってないんですけど・・・

ここからガツンと下ってR9号に一瞬だけ合流して、次はK269にて養父市に入っていく。
途中の分岐を右に折れて、東鉢スキー場の方へ。



ここからの登りが長いし傾斜もキツイ。
こういう直線的な登り坂ってかなり精神的なダメージが大きいよね。
大山の最後の坂と同じですし、難易度もおそらく同レベル。



ドリンクが空だ・・・自販機で補給しないと・・・

でもここらの自販機の稼動は冬季のみのようで、お金入れてガックリを数回繰り返す羽目にorz




「別宮の棚田」



そんなこんなでようやく辿り着きました。

鉢伏山の中腹、標高700m地点に広がる130枚の美しい棚田。
棚田が溢れる但馬地区の中であえてここまで足を延ばしたのにはそれ以外にも理由があって、



広がる棚田のバックに氷ノ山がそびえるという立地に惹かれたから。
だが逆光で肝心の山が霞んでしまった。
なんてこったい。




やって来た道を引き返し、ハチ北口の交差点からR9号に乗ってしばらく走る。



9号線沿いから見えるここが、但馬の棚田を巡ってみようと思ったきっかけでした。
こんなに立派な棚田なのに、ここに載ってない。
ってことは捜せばまだまだこんな規模の棚田が隠れてるってこと。
但馬地区恐るべし。




道すがら「滝百選」なんて看板があればつい寄ってみたくなる。



二段滝の下段が猿の尾に見える事から猿尾滝。
でも近くまで行ってみると、見るべきは上段のほうで、なんかカッコイイ。
こちら方面に来た時は一目見ても損はない滝だと思います。



村岡ファームガーデンでブレイク。濃厚で美味っ!



ここの前にあるオービスって自転車でも写るんだろうか・・・
そう思って全力で走ってみましたが、自分の脚では対象速度には到底届きませんw




スタート地点の近くまで帰ってきましたが、もういっちょ棚田いってみましょう。



「西が丘の棚田」






思ってたよりも畑となってるのが多かったけど、非常にビューティホーな棚田。
斜面と曲線の具合が非常に良いです。




ここの特徴として但馬大仏の長楽寺とセットで見えるのがあるんですが、
夕方のこの時間だとちょっと残念な見え方に。
ここは日中の陽が高い時間に来た方がいいみたいですね。

あと、道中の写真貼ってませんが、ここに至るまでの道が死ぬほどきつい。
この日は厳しい坂が幾つもあったけど、ここの道が一番厳しかったです。


好きな棚田がこうして自転車で巡れる距離に幾つもあるってのは嬉しい事。
毎回思うけど、写真に撮るのがとても難しいですけどね。
見た時のイメージと切り取ったイメージの差が大きいというか。
さらに自転車を入れると格段に難易度が上がります。
だから棚田と自転車を上手に撮れる人はマキシマムにリスペクトですよ。


一日中、坂ばっかり走ったけど、今回「ツール・ド」とタイトルを付けたので、もう一息登ってみようと。
だいたいそういう名のついたイベントって最後にガツンと登りがありそうだし。


春来峠を登って、頂上手前の分岐を左に折れて柤岡方面へ。
春来峠は勾配が緩かったけど、分岐を過ぎたら案の定残酷な道にw
でも農作業帰りのじっちゃんが頑張れーって声援送ってくれたり、
こちらの光景も大変よろしい素敵な道でした。







なんて読むんだろって思って帰って調べたら「けびおか」と読むらしい。
こんなのまず読めないってw








柤岡集落から駆け下りてくガードレールのない九十九折れの道。
コースアウトしたらいったいどこまで落ちていくんだろう・・・
そんな風に考えながら駆け下りたらこの日のライドは終了。



距離と獲得標高がツール・ド・大山とほぼ同じ数字になりました。
大山に出れなかった分を少しだけ取り戻せた気分。

但馬の棚田はまだまだたくさんあるので、次は秋の黄金の時期にまた違うとこを巡ってみようと思います。


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