ひなたぼっこ

「まだ見ぬ素晴らしい景色」を求めて自転車で。

石鎚山

2016-05-13 | Treking


西日本最高峰の石鎚山に登ってきました。

直前まで天気予報は怪しくて翌日に順延も考えてたけど、迎えてみればこの通り。
そういえば登山の計画を立てて当日の天気が悪かった事は一度もないかも。


真夜中3時に地元鳥取を出発しまして、表参道コースのロープウェイ乗り場に着いたのが7時。
GWど真ん中でしたが流石にその時間では渋滞も全くなしとスムーズでした。




日本百名山、日本百景、そして日本七霊山の一つと山岳信仰の山。
始まりは、奈良時代に「役小角(えんのおづの)」という人が開山して蔵王権現を祭ったと伝えられる。
この役小角って人は修験道の開祖といわれるのですが、ちょっと調べただけで、まー色々と凄いのが出てくる出てくる。
陰陽師のスーパースター阿部清明の先輩にあたり、その清明が足元にも及ばないような伝説残しまくりです。
しかも実在の人物なんだとか。
まあ、役小角を掘り下げるとこれだけで二回くらい楽に記事書けそうなんで止めておきますけど、
それ以来この石鎚山は修験道場として栄え、青年期の空海も修行したんだそうです。

霊峰・石鎚山っていう名のとおり、山そのものが神様であり、山全体が聖域。


ロープウエイを降りてすぐ、標高1300mの成就社から見えるこんな光景は、そんな世界に引き込んでくれるなと思います。













石鎚山の特徴にこの鎖場があげられる。
「試しの鎖」から始まって、一の鎖~三の鎖までの全部で4か所。
ただまあどれも自分にとってはどうってことなかった(昔とったなんちゃらです)
むしろ近道できる分こっちの方が全然楽だったと思う。









数々の伝説を残した役小角でも、この山を制覇するのは相当に苦労したんだとか。
登山道とか全くない時代に、こんなそり立った山に登ろうとしたんだからそれも納得です。


アケボノツツジ



もっと一面ピンク色になるんだと思ってたけどそうでもないのね・・・





急峻な斜面ばかりで構成される四国の山々の光景は素晴らしいと思う。
真ん中の明るい緑のとこをズームアップしてみると・・・



UFOラインの瓶ヶ森です。
道らしきラインも見えますね。あそこから石鎚山を見返すのも良いでしょう。
紅葉の瓶ヶ森林道、今年こそは行きたい・・・(と毎年言っている)


登り始めから3時間半で山頂に到着しました。



登山マップの目安時間も3時間半、鎖場で渋滞も多かったのでそんなもんかなと思います。




チープなご飯も後ろの景色が最高のおかずになるので超旨い。
だが、天気は良かったが風がめっちゃ強くて、コッヘルのケース等が入った袋が崖下に飛んでったorz


今回のベストショット。



もうスッゴイ風強いの。
しかも右→左に向けて吹っ飛ばされそうなくらいにw

そんな状況を楽しみながら、キャッキャウフフと最高峰1,982mへ。



これで日本百名山制覇5つ目。
全部制覇なんて全く考えれないですが、行けそうなとこはドンドン登ってやりたい。








石鎚山、大変に素晴らしい山。
最高峰からの眺めはとってもファンタスティックでした。
多分というか、必ずここにはまた来ると思う。

自転車で登る山も楽しい、そして二本の脚で登る山もまた楽しい。
どちらかなんて選べないのでどっちもやるしかないのです。



その夜は松山でしっかりと呑んで、翌日は朝から松山城やら道後温泉をしっかり観光する。
気温高かったのでソフトクリームが美味すぎで、午前中だけで三回も食べてまった。

しっかりと愛媛満喫・・・って言うにはまだ一つ足りない。

愛媛と言ったらしまなみ海道ですよ。



サンライズ糸山でランチ。
二人前を二種類頼んで分けて食べましょう♪・・・ってそれ一人二人前じゃんw

カロリー摂取したからちょっと消費しますかってわけでクロスバイクを借りてサイクリング。












伯方島の塩ソフトで折り返して50kmほど。


     

これぞ本当の愛媛満喫なり。
愛媛は一泊くらいで来るのに距離もちょうどいいし、遊べるとこ盛り沢山でいいですな。



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屋久島縦走 ~宮之浦岳アタック~

2015-11-05 | Treking
10月25日。 4時起床。

小屋に泊まってた別のグループがゴソゴソと準備しだした音で目が覚めた。
起きてすぐに外に出てみると満開の星空が広がっていた。
どうやら今日は天気が良さそう。


だが明るくなってくるのと平行して辺りは霧に包まれていった。



星空を見て宮之浦岳バッチリなんじゃ?!って思ったけどそんなに甘くない。
むしろこれが屋久島らしい朝の光景である。


7:00 新高塚小屋を出発。

最南端の日本百名山、宮之浦岳の山頂に向けてアタック開始だ。



新高塚小屋がある場所の標高は1,600mくらい。
目指す場所は1,936mなので、高低差は300mちょっととそんなにあるわけじゃない。
でも昨日の後半と同じくアップダウンをひたすら繰り返していくので、数字よりもずっと長くて険しい道程。


生命力






ここでは木や植物から並々ならぬ生命力を感じます。
写真だけ見てれば映画のセットのようにも見える、ちょっと非現実的な光景。

爽快な眺め、例えば阿蘇のようにどこまでも広がる圧倒的スケールの光景を見て抱く感情。
あまりの雄大さに自分がちっぽけなのを痛感し、自然に対する畏怖の念を抱くみたいな。
屋久島の森はそんなのとは全く違うけど、同じような感情を抱きます。




霧によって視界はせいぜい数十メートル。
そんな小さな範囲の中に表現するのが難しいくらいの雄大な自然が詰まってる。

そんな自然は時折牙を剥く。



転がってきた岩に襲われた仲間をファイト一発救出劇。
強大な相手と戦うにはチームワークが大事っすからね。
うそみたいなほんとじゃない話。


木が生い茂る区間から笹に囲まれる区間に徐々に変わってきた。そろそろ森林限界だ。





森林限界を抜けたあたりでヤクジカとの遭遇率があがる。






昨日も何頭も出会ったけど、こっちはもっと凄くて15匹以上見かけた。
相変わらずちらっとこっちを見るけど「なんだ人間か」って具合であまり気にもせず、普通に葉っぱモリモリ食っとる。




逃げないどころか、休憩してると様子見に顔を出してきたりする。
ヤクジカって普通の鹿より小型だから可愛いんですよね。おとなしいし。



平石岩屋



宮之浦岳の前にあるピーク、標高1,700m地点。
山のてっぺんがこういう光景ってのは他ではあまり記憶がない。

森林限界を超えてからは、低木の笹に覆われる起伏の強い草原のような景色の中に、
こうやって点々と花崗岩の巨岩が置かれてて、ちょっとカルスト大地のようでもあります。
で、この花崗岩ってのは脆いんで、風雨に侵食され面白い形や割れ方をするんですよ。



どう見てもあとでてっぺんに岩を置いたようにしか見えない。
これ昔の人が見たら宇宙人の仕業とかって思ってしまうのかもね。

濃い霧に包まれてるのもあって、ぼんやりと浮かび上がる姿はSF映画の要塞のよう。
現実感が薄い。


風も強くて、霧というか雲がすごい勢いで流れていく。






一瞬晴れるかなって思ったらすぐさままた濃い霧に包まれる。
この頃には流石に気付きました。
「この霧はあかんやつや」って。
四国カルストで経験したのと同じ類の、いつまでも晴れない雰囲気をもった霧。



視界が悪いので、うっすらと山の陰が浮かび上がると「あそこが山頂じゃね?」って思うけど、
また下って登ってをひたすら繰り返していくので、結局まだ宮之浦岳じゃなかったのね。
そんなのを何度も何度も繰り返したなあ。





10:30 ついに宮之浦岳登頂!



左足をかけてるとこが九州最高峰の1,936mだ。
この瞬間、九州で一番高いとこにいたのは俺様だ!
どうだ!すごいだろう!!

ま、何も見えませんけどね。
ほとんど晴れる事のないと言われるけど、快晴の下でここにやって来れる人だって沢山いるはず。
そいうのって多分「もってる か もってない」かの差なんですよね。
こういう結果になったのは、自分にはまだまだそれが足りないって事なんだろう。


風はビュンビュン吹いてるし、それを遮る物もないのでかなり寒い。
つっても二枚しか着てませんけど。

一通り記念写真だけ撮って反対側に下山していく。


一瞬の晴れ間を狙う。



晴れてればこんな感じ。
こちらは終始展望が開けるルートで、近くのアルプスっぽい永田岳が美しいはずなんですが、この日はほとんど見えませんでした。


俺の山



ここも岩が面白い形してんですけどね・・・正直よく見えなかった。


下山ルートも登ったり下ったりを繰り返しながら。



登山地図見た時に不思議だったんです。
区間毎に目安時間が書いてあるんだけど、登りも下りもあまり差がない。
標高も1,800m前後を行き来するし、これ平坦なんかな~?って思ってたけど、
これだけアップダウンがあったらそりゃ下山でもペース変わりませんわ。

屋久島の山を歩くなら標高と距離だけで判断してはいけない。
常にアップダウンの繰り返しという事を頭に入れておいた方がいい。



投石平(なげいしだいら)



大きな石をばら撒いたような場所。
6月くらいには一面石楠花が咲き乱れるようです。
標高1,600m台に下りてきたのでだんだん視界がよくなってきた。
この日は1,700mより上が霧に包まれてたってことなんだろう。

それより低い投石岳などは姿を見せてくれた。



点々と花崗岩の巨石、白骨樹・・・かっこよくもあり、外国の墓場ちっくでもある。


ここで昼ご飯。
食べてる間も一瞬の晴れが出たらカメラを手にとって岩の上に駆け上がる。






この山深い光景を見てると、ここが島だってのを忘れてしまう。


道は険しいとこも多い。






でも楽しくて美しい。




花之江河



日本最南端の高層湿原。
ここが出来たのは2,800年くらい前らしい。
まったく、いちいち話のスケールがでかいぜ。

空には青空が広がり、陽の光と水が溢れる静かな湿原。
天敵もいないし鹿にとっても楽園なんでしょう。
標高1,600m地点にこんな場所があるって・・・またここが島だってのを忘れる。











こんな青空の宮之浦岳を見たかったぜちくしょう。
でもまた来る理由が出来た。
今度は同じコースを反対から歩いてみたい。















屋久島の森はほんとに美しい。
また一つ自分の財産が出来た。

16:00 淀川登山口到着。



ここにタクシーを呼んでたので運転手さんに撮ってもらった。
バスもあるけど一日2本だけと、基本こっちから登る人の為であって、こっちに下りてくる人の事は考えられてない。
それだけマイナーなルートってことなんでしょう。


レンタカーをデポしてる場所までは、タクシー運ちゃんがずっと屋久島の事を説明してくれてた。
それが今回のブログを書く上で非常に参考になった。
だからもし間違っててもそれは運ちゃんが間違ってたという事なので、そこんとこよろしく。

    

これは途中にあった紀元杉。
車で見に行ける最大の杉。

屋久杉は栄養の少ない花崗岩に生えているので成長が遅く、木目が詰まり、さらに湿度が高いので樹脂の多い腐りにくい性質となり、寿命が長くなる。
そして屋久杉は他の草木が着生することが多いのも特徴。
この紀元杉には17種の木が寄生してて、季節によって色んな花が咲く。
杉の木に色んな花が咲くってなんて素敵。


宿に帰って風呂に入る。



てのは嘘で風呂に入りにきただけ。こんないいとこに泊まってない。
ここの風呂は良かったよ。広いしちょうど夕食時だったので貸切だったし。
水風呂~サウナを繰り返して疲労した筋肉の回復に努める。

二日で60,000歩以上歩いたので脚や腰の疲労感はかなり酷かった。
でも筋肉痛というのは全く出なかった。
サウナ療法も効果あったとは思うけど、やはり一番はアミノバイタルをこまめに補給し続けた事かな。
あれを飲むと飲まないでは翌日からの疲労度に大きな違いがあると思う。


そして一番の疲労回復に繋がるのは、美味い飯と美味い酒だ!






まる二日間行動食ばっかりだったんで、こうやって地場の料理と酒をゆっくり嗜むと、余計に染み渡る。
身体を酷使した後でこの時間は最高の贅沢なんだなと。


ずっとやりたいと思ってた屋久島の縦走をやりきった。
二日間で歩いた距離は約35km、歩数60,000オーバー、獲得標高はよく分からないけど2,000はゆうに超えてるはず。
疲労感と達成感に包まれ・・・るのはまたちょっと早い。

だって翌日には自転車で一周するというミッションがまた残ってるから。
さあ次は自転車だ。
というか、やっと自転車パートにいけるw


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屋久島縦走 荒川登山口~白谷雲水峡~縄文杉~新高塚小屋

2015-11-02 | Treking
10月24日。

3時起床、4時前宿を出発。
登山の朝はやたら早い。


車で行けるのは屋久杉自然館まで。
そこから登山口までの約20kmはバスを利用しないといけません。
バスチケットには「入山協力金」ってのも含まれてます。



くねくね道を時間にして40分くらいかな。
鹿児島からきた女子三人組と仲良くなったのでお喋りしてたらあっという間だった。

6:00 荒川登山口着。


今回のコースは「縄文杉ルート」って最もメジャーなとこを使う。
屋久島でトレッキングする人のほとんどはこの荒川登山口からスタートして縄文杉までの往復ってのを選ぶ。
往復22kmの長い行程だけど、16kmくらいはほぼ平坦なトロッコ道なんで普通の人であれば早朝に出発して夕方には帰ってこれる。
でも今回我々は縦走するので、ここには帰ってこない。

ま、何はともあれ、とりあえず朝飯だ。



前日に予約し、行きがけに受け取ってきた弁当。
屋久島には登山者用に朝4時から6時の間だけやってる弁当屋さんが何件かある。
ここだけに成立するニッチな商売。


多い時期にはここに1,000人を超える人が訪れるんだとか。
でも今回は200人は超えてたけど300人まではいなかったと思う。
バスの時間があらかた決まってるので、どうしても皆の出発も同じくらいの時間になるし、
多少の速い遅いはあっても人がまとまっていくので有名なスポット等では渋滞がおこってしまう。
でも自分達はそういうのも加味してルートを組んだので、いろんなとこでゆっくりと見る事が出来てよかった。


トイレを済ませて6:30に登山開始。
さあ行ってみよう!

素掘りのトンネルから屋久島トレッキングが始まる。



ガイドが「帰りでこのトンネルが見えたらゴールですよー」って言ってた。
なるほど。でも我々は縦走するのでここには帰ってこない。
特に必要性を感じなかったのでガイドは頼まなかったけど、ほとんどの人がガイド同伴なのであちこちに沢山いる。
だから途中途中で説明してくれるのも横から全部盗み聞きできちゃう。




のっけから木や切り株がでかい!
山の深さといい色んなスケール感が普通じゃない。
これは後半になればなるほどスケールアップしていく。



トロッコ道






縄文杉ルートはこんな道が約8km続きます。
基本的に歩きやすいし、ほぼ平坦みたいな道なんで楽ちんなんだけど、長いのでそのうち飽きてくるw
復路はもっと長く感じるんじゃないかな。


4kmほど歩いたとこで、白谷雲水峡への分岐が現れる。
当初は退屈なトロッコ道よりもこっちから登ろうと思ったんだけど、下山してからの事を考えると今回の荒川から入った方が便利。
でもこっちも見たいのでここからピストンする事に。

トロッコ道はちょっと退屈だけど、こっちに入ると道の表情が断然良くなる。









ヤクジカ、近づいていったら流石に逃げるけど、普通に歩いてる分にはチラリと見るだけで無視してる感じ。
屋久島には熊もいないし猪もいない。
要は鹿にも猿にも天敵がいないって事なので、そんなに警戒心が強くないんだな。


出来るだけ楽な道で・・・とかってのを求めるんじゃなければ、こちらを通る方がより楽しめると思う。



起伏が多くて変化を楽しめて、トロッコ道よりも「大自然の中にいる」って気分に浸れるし、




大きな岩を持ち上げてやっと通れる場所とかあってアドベンチャー要素が強い。

えっ?? こんなの持ち上がるわけないって??
大丈夫大丈夫、ほんの30tくらいなもんですよ。


そんなこんなでこの道のピーク「辻峠」に到着。



ここにザックをデポして枝道に入っていく。



太鼓岩



もののけ姫のワンシーン、モロがアシタカに向かって「お前にサンが救えるか!!」と叫んだ場所と言われる。
ちょっと霞んじゃってますけどね、ほとんど展望のきかない森の中からこの景色が見えたら思わず声が出ちゃいますよ。
ちなみに落ちたら無事じゃ済まないけど柵なんてものはない。

正面にあるのが翌日にアタックする宮ノ浦岳。上の方は雲に隠れてよく見えませんが・・・。
ほとんど晴れる事がないと言われる屋久島の最高峰。
頑張って登っていっても何も見えない確率の方が高い。
でも行きたい。



ここでなんかえらい大きなザック持ってる人がいるなって思って聞いてみたら、なんと110㍑だと。



試しに担がせて貰ったけど、立ち上るのがやっとで、とてもじゃないが山道を歩こうなんて思えない。
彼女さんと一緒だったので、一人で荷物を全部背負ってあげてる優しい人なんだな・・・って言ったら、

「いや、彼女も頑張って70㍑を担いでくれてます」ってw

話を聞いてみると、どうやら素人じゃないカメラマン。
カメラもNikonのフラッグシップだったし、ザックの中もほとんど機材だって言ってた。
これを担いで屋久島の山を登ろうって考える事がまず凄い。

世の中にはいろんな人がいるもんだ。
40㍑のザックで重いとかえらいって言ってる自分達が恥ずかしい。
でも重いものは重い。


太鼓岩を後にして、白谷雲水峡方面へ下っていく。






より一層緑が濃くなっていく。
すごく綺麗。



屋久杉



屋久島にある杉を屋久杉っていうんじゃない。
屋久島の、標高1,000m以上の場所にあって、樹齢が1,000年を超えたものだけが屋久杉と言われる。
この七本杉の樹齢は2,000年とも3,000年とも言われる。

普通の杉の寿命は300年から長くても500年くらい。
屋久杉の育つこの島の環境が如何に特異なのかってのが分かる。



苔生す(こけむす)森






これぞもののけ姫の舞台。
辺り一面緑色で、静寂で、神秘的とすら思える世界。

屋久島は火山帯に位置する島だけど、通常のようにマグマが噴火して積もって出来たのではなく、海底が隆起してできた島。
だからほとんどが花崗岩をはじめとする岩石地質で、土が非常に少ない。
さらに上部では年間8,000mlを超える豊富な雨が降る。
この条件は苔が生えるのに適してるんだとか。

月に35日雨が降るってほど雨が多いので川も多いってのは前回言った。
でも仮に何ヶ月も全く雨が降らなくても水が枯れることはないらしい。
屋久島の朝の森は霧に包まれる。
その水分をこの苔が含み、川の水となって流れる。

だから水がほんとに豊富で、登山に必要な水場がそこかしこにある。
普通登山する時は飲み水や調理に使う水を持ってあがるのが基本で、富士山の時も合計5㍑近くの水をザックに入れて登った。
水はとても重いから大変なんですよね。
でもこの屋久島では500mlのペットボトル2本も持ってればまず大丈夫。
ちなみに自分の場合は1本で足りました。料理の時の為に折りたたみの1.5㍑のは持ってったけど。


白谷山荘小屋でトイレと水の補給を済ませて、やってきた道を帰る。



「神秘の森」って表現がぴったりだと思う。
木も苔もけして何も語らない。
でもきっと何かを感じ取れる場所。

正直言ってここに来る前は「苔なんてどこにでもあるじゃん」って思ってたけど、予想以上にずっと美しかった。
こちらまで足を延ばしたのは大正解でした。


分岐まで帰ってきて、再びトロッコ道を歩く。




程なくしてザックが二つ歩いてる・・・じゃなくて先ほどのカメラマンカップルに追いついた。



ザックまじででけーなw
また少し話しして、今晩の目的地が同じだという事が分かった。
「じゃあまた夜に会いましょう!」って別れたけど、その晩そこに彼らが辿り着く事はなかった。
まあこれだけの荷物背負ってたらペース遅くなるので仕方がない。
とても感じがいい二人だったし、写真の事とか色々話し聞きたかったな~。



歩く、歩く、もくもくと歩く。







名前がついてる木は流石にでかい。
実際に見ると「でけー!!」って思うけど、写真に撮るとどうもその大きさが伝わらない。
なのでもう大きな木を紹介するのは基本的にやめる事にしました。


13:15 大株歩道入口到着 = トロッコ道の終わり



今回は白谷雲水峡に寄ったけど、通常の縄文杉ルートではここからやっと登山道っぽくなってくる。

ちょっと遅くなったけどここで昼ご飯。



弁当は朝と昼の二つ頼むのが普通。
基本同じだけど、おかずを替えてくれてるちょっとした心遣いがうれしい。
そして写真で見るよりおにぎりが大きくてかなりボリュームある。


再びトイレと水の補給を済ませて先に進む。



いいね!やっぱ登山はこういう道でなきゃ。
この辺りから縄文杉を見て下ってくる人とすれ違う事が多くなってくる。
基本は登り優先なので、みんな止まって道を譲ってくれる。
でも女子のグループの時ははこっちが止まって美人度チェックをしっかりと。

しばらく歩くとなんか賑やかそうなエリアに。






ウィルソン株



豊臣秀吉の命令により大坂城築城(京都の方広寺建立とも)の為に切られたといわれる木の株。
秀吉なのになんでウィルソンやねん!って思うけど、後に発見したのがウィルソン博士だからだとか。

これね、中が空洞でとても広いんですよ。10畳くらいあるんじゃないかな。



中には祠みたいなんがあって、神聖な場所みたいになってます。
屋久島の中でけっこう代表的なスポットなんですが、大木がこれでもかってある中で何故ここがそんなに有名なのか。

それはこういう事。



ある場所から見上げるとハートの形に見えるから。

ここに来ると恋人が出来るとも言われるパワースポット。
だから「これ自由に使っていいよ」ってアメックスブラックカード渡してくれるような愛人が僕にもできるかもしれません。

通常はここは順番待ちで写真撮ってる混雑エリアなんですけどね、白谷雲水峡に寄ってきたのですぐに人がいなくなりゆっくり見れました。


さらに先へ進む。
ここから木のでかさがハンパなくなってくる。












なんだろう・・・
とにかくスケール感が圧倒的すぎて、むしろ自分の知ってる木がおかしかったんじゃないかと。
映画とかで外国の馬鹿でかい木とか出てきますけど、そんな感じ。
日本じゃないみたい。
これくらいしか自分の表現力では上手く言い表せない。
山ばっかりのとこで生まれ育ちましたけど、木や森を見てこんな気持ちになるなんて思ってもみなかった。

やっぱり来てみて自分の目で見ないと分からない。






森林浴とか、マイナスイオンとか、そういう理屈っぽいのはどうでもいい。
とにかくもっとこの場にいたいって思った。



縄文杉



死ぬまでに絶対見たいって思ってるもの、また一つ達成できました。
しかも完全貸切で。

今は枝が折れる恐れがあるからって近くまでは行けないようになってるけど、
唸るほどの大木が溢れる中でも一際大きくて、存在感がハンパない。


   

縄文杉は樹齢7,200年とも、いやいやそんなになくてせいぜい3,000年くらいとも言われるけど、
ロマンがあるので自分の中では7,200年としておこう。

幹周は16mを越え、大人8人でも手が届かなかったって話を聞いた。
屋久杉の成長は普通の杉より何倍も遅い。
例え樹齢何年であろうと、自分の想像できる範囲を超えた年月を生き抜いてきた事には変わりない。
屋久島にはここよりいいとこ他にもいっぱいありますけど、
なんだかんだと言っても屋久島と言ったら縄文杉、この光景が一番目に焼きついてます。

日本で一番大きな木。
これより大きいのを見るには・・・これから見える機会あるかなぁ?



森を抜けて尾根っぽいとこに出た。



下から見上げてた山と方を並べるとこまで登ってきたようだ。
この時点で標高1,400mくらい。

今晩の寝床となる新高塚小屋はたしか1,600m地点。
看板の距離も1.7kmと出てたのでもうすぐだと安堵感。



・・・だが甘かった。


登るはずだのに道はどんどん下っていく。
おいおい・・・て勢いで下っていく。

正直道を間違えたんだと思って何度も引き返す事も考えた。

下って登ってを何度も何度も繰り返し、しかも急な階段の区間も多いからかなりシンドイ。

縄文杉からの1時間ちょっと、今回の山行で最もきつかった区間。


17:15 新高塚小屋着。

着替えたり荷物の整理してたら辺りは漆黒の世界へ。
もちろんここには電気などない。


この日の晩御飯。



アルファ米って言うんだっけ? けっこう美味しいのね。
カップラーメンにはお餅を大量投入して豪華バージョン。これも美味いね。

そしてなんと言っても美味かったのはこれだ!



缶ビールは重たかったので諦めたけど、スーパーで見つけたペットボトルの屋久島焼酎。しかもちょうどいいサイズ。
天然水を沸かして作ったお湯割りが、身体がほわ~んと暖まってえらい美味かったなぁ・・・。

夜にする事ないからと、小説とか花札とか持ってきてたけど、そんなのする余裕全然なし!
久しぶりの寝袋でちゃんと寝れるか心配だったけど、20:30には全員爆睡。

こんな時間に寝るなんてインフルエンザにでもならないとありえないぜ!
GPSないので歩いた距離は分からないけど、万歩計の数字は35,000オーバー。
そりゃ寝れるわけです。


翌日に続く。


長くなりすぎました。でも反省してません。
読んでくれた人ありがとう
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大山は凄かった

2015-10-21 | Treking


紅葉を満喫しようと大山登山をしてきました。

大山には今まで何度か登ったけど、基本王道ルートの大山寺~弥山の夏山登山道コースばかりでした。
今回初めて違うルートから登ってみたところ、これがほんっっっっっとに素晴らしかった!
天気とタイミングも最高だって、今までの登山経験の中でもトップクラスの感動を味わえた気がします。
それを遠く離れた地ではなく郷土の明峰で味わえた事により喜びを感じましたし、久しぶりに「写真を撮る」のに夢中になりました。
自転車やそれ以外でも色々出掛けて、お蔭様で楽しい思い出いっぱい作れてますが、こんなに撮影が楽しいって感覚は久しぶり。

なので今回はいつにも増して写真いっぱい貼らせてもらいます。


大神山神社からスタートしてユートピアルートで。
最初は深緑の中を登る。



登山自体久しぶりだったし、けっこう急峻な道で最初はすぐに息が上がったけど、少し歩けばそれも心地よくなってくる。


そして程なくして草木が色づく世界に変わる。












鮮やかに染まる草木と、それを照らし出す柔らかな木漏れ日。
シャッターを押す指がだんだんと落ち着きがなくなってくる。


展望が開ける場所では、紅葉と雄大な北壁。






 ♪♪ 近づく冬の足音の前に山の生命達は輝きを増し ♪♪






 ♪♪ 終わりを知ればこそ燃え上がる 愛の火もまたそれに同じ ♪♪


最盛期はもう少し濃い色に染まってく気もするけど、上の方ではずいぶんと落葉も進んでる。
紅葉登山ならやっぱこの日は最高だった気がします。


ユートピア小屋の手前の分岐まであっという間に登ってこれた。



とりあえず後ろに見える尖った山「三鈷峰」に登っておきましょう。


どうですこの絶景。



弧を描く弓ヶ浜半島と島根半島、そして写真では分かりにくいが隠岐の島も見る事ができました。




切り立った場所がまた高度感を盛り上げる。


標高1,516mの三鈷峰に登頂。せっかくなのでドヤ顔の一枚を晒しておきますw




弓ヶ浜方面には先客の姿。



単独でやってきて、カップラーメン片手にまるでこの世界を独り占めしてるかのよう。
おじさんイケてますね~!







ユートピア小屋の脇で、こちらも負けじとラーメンタイム。
ただのカップラーメンとコンビニおにぎりがこの場所で食べるとなんと美味いことか。
この瞬間が山登りする楽しみの一つなのは間違いない。




休憩した後は更に上を目指して登っていく。
でもこの先の象ケ鼻ってとこから先は縦走禁止区間。
崩落が進んで危ないからそうなってるんだけど、まあ行けるとこまで行って、崩落の場を見てキ○タマをキュンキュン言わしてみようかなとw



縦走ってのはこの見えてる山の一番高いとこをずっと歩いていく事。
ブログ検索してみると歩いてる人はけっこういますし、この日も何人も歩いてました。
でもこんなとこを歩く人は正直言って頭がいかれてる人だと思ってたし、実際下から見上げてみると「これは無理だろうw」って思いましたよ。


抜群の高度感。



うひょー! キン○マがキュンキュン・・・・あれ? 言わないぞ。
というかあまり怖いとも思わない。

登ってる人の半分くらいは途中で引き返してくるけど、自分的には全然行けるなあと。






まあ何か所か危険だなって思うとこはありましたけどね。
狭いとこは30センチ以下かな。さらに両側は切り立ってナイフ状で、どちらにも落ちたらほぼ死ぬ。
だから高いとこが苦手な人や、自分の目で見て大丈夫って本音で思えない人は絶対止めておくべきだと思う。




でも怖さよりも断然面白さが勝ったとか、ここに来なければ見れない景観が素晴らしすぎて引き返そうって気にはならなかった。


そんなこんなで大山最高峰の剣ヶ峰に到着!!





剣ヶ峰から弥山の山頂小屋方面を望む。



ここから先は最も危険な区間なので、これ以上進むのは止めておきました。
まだ死にたくはないからね!

初めて大山に登ったのは小学校3年くらいの時だったかな。
頂上小屋に着いて安心してたら「一番高い場所はあそこだから」って剣ヶ峰まで無理やり連れていかれたなw
その頃は弥山から剣ヶ峰まで普通に来れてましたが、今では崩落の進行により立ち入り禁止に。

ここだけでなく、大山は至るところで年々崩落が進んでます。
この日実際に自分の目で見て思いましたけど、今日歩いた道もあと5年もしたら通れなくなってるかもなって。

霊峰大山、美しさと荒々しさ、そして儚さを併せ持った素晴らしき山。



歩いてきた方を振り返ると、ちょうど雲が出てきてより高度感を演出してくれました。



カメラを構える人もなんか絵になります。




雲海のような厚い雲、でも30分くらいでまた綺麗さっぱりなくなっていった。
山の上だからこそ見れる神秘的な光景。



槍ヶ峰も制覇!



他のとこよりも一段と切り立ってるので、高度感と羨望やここらでもトップクラスの場所ではないかと。

その槍ヶ峰ピークからの眺め。



手前の尖ったのは烏ヶ山。
次はこっちにも登ってみたいな~。



三ノ沢に向けて下る。



まるで紅葉の海原にダイブしていく感覚。
てっぺんからの光景も素晴らしかったけど、ここから見える世界にも本当に感動した。




大山は年中素晴らしいと思いますが、やっぱ自分的には秋が一番かな。



紅葉 + 大山南壁



ナナカマドも至るとこで実をつけ、赤い彩りを添える。








北アルプスと比べても全然見劣りしないと思います。
自転車で巡るのも激楽しいけど、自転車では見れない景色の連続。
何回も言いますがほんとに最高でした。



最後には西日を受ける紅葉がまた見事でしてねー、






一番高いとこが剣ヶ峰。
あそこまで登ったんだなぁ・・・って満足感と達成感に満ち溢れる。

麓の紅葉もだいぶんいい感じになってきてますが、まだまだ色づくと思う。
だからそろそろ雪が降ってもいいですよ、大山さん。
次は冠雪の大山と紅葉のセットを満喫しに自転車でやってくるからさ♪

けっこうタフなコースだったから疲れたけど、本当に楽しかった。
だがここで終わりではない。

今回北側から登って南側に降りてきたので、当然車まで歩かないと帰れない。



ここからの環状線の歩きはまさに地獄でした。
自転車ならあっという間なのに・・・
枡水までなんとか歩いたけど、そこで全員電池が切れてしまい・・・そこからタクシーに乗った。
でもそれは正解だったと思う。

だって大山寺に着いて片付けしたらこんなに暗くなってたから。



ずっと歩いてたら最後は真っ暗の中を歩く羽目になった事でしょう。


ともかく秋の大山登山、最高の一日でした。

わたくし絶景を見る為に自転車乗ってまして、もっと言えばそれがなければモチベーションが上がりません。
ここんとこ忙しかったり、自転車以外の旅をしたりでなかなか絶景を見に出掛ける事が出来なくて、なかなかテンションが上がらなかったんですよね。
「まだ見ぬ素晴らしい景色」を見るのがターゲットですんで、必然的に遠征に出掛けないと達成できない。
でもそんなにいつもいつも遠出できるわけじゃないし・・・

だが登山というのは、近くの山に出掛ければすぐに絶景に出会える。
ピークに至る道も一つではないし、角度を変えただけで見える世界は全く違ってくる。

やっぱ絶景見たいなら自転車も登山も両方必要だって気付きました。
これからもどんどんやって行こう。

早速今週末は大物をやっつけに出掛けますけどね♪


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涼を求めて

2011-07-13 | Treking
自転車乗りにとってうれしい梅雨明け


でも・・・


ちょっと暑すぎじゃないっすか?orz

いくら天気よくてもこんな炎天下の中自転車乗る気にならないです
熱中症でぶっ倒れる自信がありますね


さて、最近暑さを理由にビールの摂取量が増えまくりでして、
自転車始めてせっかく減ってきた体重が元に戻りつつあります・・・

身体は動かさないといけません

でも暑すぎる中ではごめんです


てなわけで


「那岐山(なぎさん)」
鳥取県八頭郡智頭町と岡山県勝田郡奈義町の境界にある山。
「なぎせん」とも呼ばれる。氷ノ山、後山などと並んで、氷ノ山後山那岐山国定公園の区域に指定されている。

標高 ― 1255m(新那岐山表示)

山の名は、伊邪那岐命と伊邪那美命という国造りの神がこの峰に降臨した伝説に由来するとも、
また近隣の後山との高さ比べに敗れて泣いたため「ナキノセン」と呼ばれたとも言われている。


ここは天気がいいと山頂から鳥取砂丘や大山、瀬戸内海まで見えるとか
やっぱせっかく登山するなら見晴らしと景色が良くなきゃいけません
これは期待できます


登山口から一歩足を踏み入れると、そこはマイナスイオン溢れる新緑の世界
緑ってほんとに目に優しい




自分達以外に人はいないんだけど、渓流を流れる水の音、鳥や虫の声、風の音ととっても賑やか
そして風はエアコンの如く冷たくて気持ちいい

間違いなくここには「癒し」があります


整備されつくした登山道ではなく、川越が何箇所もあり


鎖を頼りに登る急斜面があったりとすごく面白い

まるでアスレチック



写真をうまく撮れませんでしたが、おもわず「すげぇ!」と声をあげてしまうような木が何本もあったりします





綺麗な光景だな〜





ここまで登ると風はさらに気持ち良く


登山道は先々で表情を変え、まだまだ続くのです




突然周囲の木々の背が低くなり前が開け


その先まで登ればこんな光景が眼下に広がるわけです

超精巧に作られたジオラマの如く景色は、「飽き」という概念を吹き飛ばします



この景色を見ながら食べるカップヌードルが素晴らしく美味い!


さて、頂上はもう少し


名前は知らないけど小さいススキみたいなピンクの花(草?)を横目に最後のひと頑張り



着いたー!




頂上から見える景色はとても素晴らしく、風がめちゃくちゃ気持ちよくて空気もうまい!

この日は空気が澄みきってるって訳ではなく、海は見えたけど砂丘や大山は良く分からなかった

写真ではよく晴れてますが、時折黒っぽい雲が視界を覆い、そしてまた晴れていく
その繰り返し


夏の厚い雲が毎秒のように変化し通りすぎると、下界の影も同じように変化するのです
そしてそれが早送りで再生されてるかのような風景

大山が見えなかったのは残念だったけど、これはこれでとても素敵な光景でした




夏山登山って気持ちいい
夏は始まったばかり。今年はもう少しいろんな山に登ってみようかな





〜〜おまけ〜〜

帰りに寄った那岐駅
ローカル線の懐かしい雰囲気がいい感じでした