ひなたぼっこ

「まだ見ぬ素晴らしい景色」を求めて自転車で。

海と水田 in 京丹後

2016-05-17 | Bicycle ride


「海と水田」

そんな風景を求めてまた丹後半島に出掛けました。




鳴き砂の琴引浜海岸、東側は「遊(あそび)地区」って名前。
ええ名前やな~、こんな場所で生まれ育ったらもっと遊び方が上手になれたかもしれません。




山陰海岸エリアって言うくらいだから、やっぱり出来るだけ海沿いを走りたい。
でもずっと海沿いを気持ちよく走れる道があるのは、鳥取の砂丘~岩美、兵庫の香住~城崎、そしてこの丹後半島に限られます。
その三つの中で最も広くて、最も変化が多いのが丹後半島だと思います。
だから自分はここが好きなんだと思う。



同じ山陰海岸エリアでも、鳥取とは砂質が全然違う。
砂丘のは細かくて、こちらは粒が大きな砂。
だから砂浜を歩き回ってると靴の中に入って痛い。




立岩を見つめる親子、前の坊ちゃんは旧一万円札の人です。



屏風岩のとこ、いつもながらいい景観。



アップダウンも多いけど、それが全然苦にならないですからね。
撮りたくなるとこが多くて、何回来てもなかなか前に進めません。

そんな中でも今回はこれを見に来た。


袖志の棚田



ここいつも素通りしちゃってたんです。
だって登りから下りになった道の、丁度スピードが乗るとこに入口があるんですよね。
今回は慎重に入口を探して・・・ってやっぱり通り過ぎて引き返しましたけどw

経ケ岬の少し手前、険しい山々と海にはさまれた扇状地、そこに開けた約4百枚の棚田。
海と集落と棚田が調和した美しい景観。
水が貼られたこの時に見たかった。









ここの棚田は一面辺りの面積がけっこう広くて、全てが作業道に面している。
即ち機械が使える=先祖代々の田んぼを自分達の手で守っていける。
棚田を見るたびに「ずっと残って欲しいな」って切に思うけど、ここは残ってってくれるでしょう。


経ヶ岬にやってきましたが・・・



路肩崩落による全面通行止め・・・orz

まあ間人の辺りで看板出てたので知ってたんですけど。
それでも自転車くらいなら通れる事も多いし、最悪担げば越えられるしって考えてましたが、
この手前にガードマンがいて完全封鎖されてたので、それだけ危険な崩れ方をしてるんでしょう。

とにかくこの先の丹後半島ハイライト区間が走れないのは非常に残念。
ていうか調べとけよ、俺w

せっかくなので経ヶ岬の先端まで行ってみましょうか。
前と同じでは面白くないので、今回は左側の細い道を進むことにする。



経ヶ岬灯台へ下側から周っていくルートですね。
コンクリート路面のけっこうな坂を下っていくと海面近くに出ました。



ガツンと下ってまたガツンの登る道なのね・・・
その登る道、近くまで行ってみるとまさしく”壁”です。



どんなもんか登ってみたろうかい!と登り始めますが、2mくらいでこれは無理と悟りました。
ていうか左側にでも転倒したらとんでもないことになります。
39×27でも20%くらいならなんとか登れる気がしないでもないですが、これはとてもとても・・・

気になったのでスマホで計ってみると、



18.8° = 42% wwww

いくら短くても無理なはずだw
もう階段にしといてくれw

この先はガレ道になったので、ここで踵を返す事にした。


R178を西向きに引き返して、丹後松島を眺めるお店で昼食の海鮮丼。



味良し、見た目良し、大盛1,200円と値段も良し、そしてロケーションも良くて言う事ありません。
丹後半島は経ヶ岬周辺では食事処が弱いんですけど、間人の辺りにはけっこう色々お店があるんですよね。
一周するスタート位置を変えて間人エリア通過が昼くらいになるようにするのもいいかも。


その後はまた海と水田の景観を楽しみながら西へと走る。












いつ来ても楽しいですけど、やっぱ一番いい時期って田植えのこの時期かな~。



経ヶ岬の先が通行止めだったので、当初の目的の天橋立には行けなかった。
その代わりとなるとこでも見て帰りましょうかね。

久美浜湾までやってきて、ここから折れてちょっとだけ登る。
ちょっとだけ・・・距離は1.5kmくらいだからちょっとだけ。

平均勾配は12%以上ですが・・・



サイコンの斜度計が10%以下を表示する時間は数えるくらいしかなくて、全くと言っていいほど休みどころがない。
特に最後の500mくらいは15~20%とかが続き万年・・・


途中家族ずれがいて、小さな女の子に「なにやってんのwwww}って笑われる。
うん、何やってんだろうねえ(笑)

でもね、おじさんはこんなのが見たいから馬鹿みたいな事やってんのよ。


小天橋



久美浜湾と日本海の間に横一線に形成された砂嘴(さし)。
この情景が、日本三景 天橋立の風景と似ていることからこう呼ばれるようになりました。
少し控えめに「小さな天の橋立」の意味で「小天橋」となったと言われているのですよ。
ここ兜山に登ればそれが一望できるのです。
でもこんな立派なウッドデッキがいつの間に出来てたんだ・・・



素晴らしい眺め。
苦労したけどやっぱ来て良かったな。


海がすきです。
山も好きです。
そして棚田も好きです。

その全てを見れる場所っての特別で贅沢なもの。


半島の西側だけになっちゃったけど、今年も「やっぱり至極だった丹後半島」でした。

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里山の桜

2016-04-29 | Bicycle ride
岡山県真庭、また来た。
つってもけっこう前の話ですけど。



真庭には桜の名所がいくつもある。
どれも趣がある立派な桜で、距離的にも全部を周るのにちょうどいい。

ところがどっこい、それぞれが満開の時期が違ってるので一度に全部を見るのは不可能なんですよね。
ある場所を狙って来れば、他のとこはこうなってるってわけです。



この辺がなかなか難しい・・・


出雲街道を北上し、途中で右に折れてしばらく走ると車の渋滞に出くわす。
そしてけっこうな傾斜な道。



Nakagawaのクロモリさんが登っとられましたが、この坂でフロント42はきつかろう・・・




醍醐桜



実に4年越しである。
ずっと来たいと思ってたのにタイミングが合わなかったが、ようやく。
だけど晴れ予報に反して空は白い・・・

   

のどかな里山に堂々とそびえ立つアズマヒガンの巨木、樹齢は1000年とも。

桜の名所と言えば千本桜と言われるのような、辺り一面をめ尽くすのを思い浮かべますし、またお花見ってのもそういうとこでする。
確かに千本桜や満開の桜並木は見応えあって写真映えします。
でもそういうスタイルは明治くらいからで、それまでの花見って言えば一本桜の下だったようです。
一本桜は天然記念物になってるのが多いように樹齢の長い木が多くて、それは気が遠くなるような時間を生きてきたという事。
今回自身がわざわざこうやって訪れたのや、写真にあるように多くの人が見にきているのがずっとずっと昔から繰り返されてきたのだ。
その間に、いったいどれだけの人たちがこの桜に春の訪れを感じてきたのだろう。

そう考えるとそこはかとないロマンがあると思うのです。




1000年も生きてれば色んな事があったでしょう。
この太い幹の中にその歴史が詰まってるはず。



15件ほどしかない小さな山里に、孤高にそびえる一本桜。
実に見応えありました。
でも次はライトアップした夜に見たいな・・・



里山の道を進む。









この辺を走ってる時思いました。
山間の小さな村、細い道の横にひっそりと咲く桜が綺麗だなーって。

普段花にほとんど興味示さない人でも、この時期の桜の下にわらわらと集まってきます。
もちろん自分も含めて・・・。
それだけ桜は日本人の心に響くってことなのでしょうけど。

でも桜の名所とか言われるとこ以外にも綺麗なとことかいっぱいあって、ほんの一部の人しか知らない素晴らしい場所がきっとある。
そしてそういうのを見つけて、毎年ひっそりとその桜を愛でにやってくる。
こういう風に出来る人がほんとの”ツウ”なんじゃないかなって。

出来るならばそんな大人になりてーなと思います。




かたくりの花が群生する場所の近くに「かたくり茶屋」なる食事処がありました。
自販機も全く見つけられないこういうとこにご飯が食べれるとこがあるのは非常にありがたい。
さらに囲炉裏の横で蕎麦なんぞ啜れるとくれば雰囲気も大変に良い。



でもなんかえらい大味の蕎麦だった・・・
やはり温かいのにしておくべきだったか。



岩井畝の大桜



岡山県では醍醐桜に次ぐ巨木の桜です。これもアズマヒガン。
アズマヒガンはソメイヨシノに比べて花が小さいのです。
小さな花が咲き乱れる巨大な木、可憐と圧巻の組み合わせ。




長閑な山道をあっち行ったりこっち行ったり、電灯に吸い寄せられる夏の虫のようにピンクを見つければそっちに向かう。
それがどうしようもないくらいに楽しかった。























醍醐桜と岩井畝の桜はあるけど、それ以外には特に何もない。
あるのはゆっくりした時間が流れる里山と、そこにある地元民専用のような桜だけ。
だけどそれがいい。
こんな場所には来年も、そして季節を変えてまた来たくなるなー。


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ドラマチック伊豆半島 ~真の西伊豆スカイライン

2016-04-23 | Bicycle ride
ようやく辿り着いた仁科峠。



松崎の海岸線から約900mの高度を上げてきました。
仁科”峠”ですからね、所謂道のてっぺんで、ここからは下りです(アップダウンの連続ですけど)
峠というのはその先が見えないもの。
だからここからも当然先が見えない。


そしてそのてっぺんの越えた瞬間心底おったまげたのだ。

そこにあるはずがないもの・・・いや、違うな。
あるはずだけど”見えるはずのない”ものがあったから。




・・・・






富士子ドーーーン!!



「富士を見るなら午前中」

その格言に則り、もう富士は諦めていた。
松崎で棚田と一緒に見えたからもう満足と自分を納得させてたし、このルートを選んだのは西伊豆スカイラインを見る(走る)のを目的としてた。

それがどっこい、一度は走ってみたいと思ってた西伊豆スカイラインと一緒に見えるまさかの展開。
やはり旅の神様は俺に優しかった・・・


西伊豆スカイライン






兼ねてより一度は走ってみたいと思ってた道。
正確には南側のこの辺りは西天城高原線って道なんだけど、それを合わせた区間は18kmほどある。
伊豆半島の尾根線を美しいカーブで繋ぐ絶景道路だ!
ご覧のとおり高い木が非常に少ないので見晴しはすこぶる良く、天空の道と言ってもいい。
さらに全線に渡って二車線、路面状態非常に良好、そして車がとても少ないというまさに自転車にとって天国みたいな道路。

そんな言う事なしの道路条件に加えて、富士が見える場所がたくさんある。



贅沢すぎるw




先っぽだけ見えるのもいいなー。


これだけの道であれこれ文章を付けるのは無粋ってもんだ。










この構図だと形も大きさも同じような山が二つ。
でも後ろの富士山の存在感が半端ない。


すごい・・・とこだ・・・











これを見れば誰でも走りたくなってくるでしょう。



だるま山展望台   大 勝 利



前日は何も見えなくて完敗だったが、逆転ホームランだぜぃ!





雪をまとった姿。
白いとこの広さのバランスって大事で、それぞれ好みあると思うけど、自分的にはこの割合若しくはもう少し少ないくらいがベスト。
富士は日本の象徴だから、日本人の心に響くのでしょう。




ここからの富士はほんとに綺麗な形をしている。

昭和14年のニュ-ヨ-クで行われた万国博覧会では、ここから撮影された「秀峰富士」が出品されました。
その撮影を依頼された技師が日本一の風景を探して富士山周辺をめぐり、苦心の末この地を選んだそうです。
そしてその写真はニュ-ヨ-クで大絶賛され、現地の新聞にも大見出しで取り上げられた。
その時とほぼ変わってない眺めなんだと。
当時のニューヨーク市民と同じように俺も大絶賛だ!

ここには1時間近くいたかな。というか見とれて動けなかった。

「この時期のこの時間でこんなに綺麗に見えるのは珍しいよ」ってガラの悪そうなおっちゃんが言うとりました。

やはり旅の神様は俺に優しい。



名残惜しかったけど、暗くなる前に山を下りようと爽快なダウンヒルを駆け下りる。
修善寺をすぎ、狩野川沿いまで帰ってきた時も富士はしぶとくその姿を見せてくれてました。



やはり旅の神様は(ry



夜の沼津を少しぶらぶらして、




最後は海鮮丼で〆。



地元では食べれない生シラスを食べれたのが嬉しかったです。



伊豆半島の旅、非常に満足度の高い旅でした。
予定通りに行かない事も多かったけど、終わりよければ全てヨシ。
ていうか展開がドラマチックすぎてめちゃくちゃやばかったし、絶対に生涯記憶に残る旅だなと。
鳥取からは遠いのでそんなに頻繁には来れないけど、是非ともまたいつの日か訪れたいと思います。


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ドラマチック伊豆半島 ~南伊豆・西伊豆

2016-04-22 | Bicycle ride
下田からR136にて西向きにすすみました。
補給食の調達に立ち寄ったコンビニの前に、黄色とピンクの光景が広がっていた。



コンビニのおばちゃん談では、いつもならもっと黄色が鮮やかなんだけど、今年は菜の花が先にピークを過ぎちゃったと。

でもいいんです、黄色とピンクのコラボには自然と心躍るんです。



ただ満開にはもうちょっとってとこだったかな。
ここ静岡は前日に満開宣言が出ましたけど、前日は残念な天気、そして明日は花散らしの荒れた天気予報だったので、
最も桜を楽しめるのはまさにこの日のみというドンピシャだったわけです。


桜と言えば先日から思ってましたけど、こちらは山桜が凄い。





正直こんなに山桜がたくさんあるの見たの初めてかも。
満開宣言のこのタイミングだからこその光景。


さて、冒頭の菜の花と桜の場所から、R136は少し内陸部に入ります。
分岐で海岸線を走る道があるし、そこは伊豆半島の最南端に行ける道。
南側に突き出た半島の先端なんて聞いたら普通なら行かないわけにはいかない。
でも遠回りになってしまうので、泣く泣く諦めたんです。
この日の最大の目的の為にはちょっと先を急ぎたかったから。


半島とかの海岸線はアップダウンがつきもので、この伊豆も例外ではありません。
特に波勝崎の辺りは相当なもんで、これはちょっと予想を超えてました。
海岸線のアップダウンってレベルを越えてて、もう峠って言ってもいいくらい。



まさか海抜270mまで登らされるなんて思ってもみませんでしたよ。
山陰海岸の竹野~城崎までの区間よりもこっちの方がガチだった気がする。






でも初めて走る道と初めて目にする光景に辛さよりも楽しさが勝る。
そしてこの後に待ち受けてるものへの期待感で頑張れる。


幾度となく10%超のアップダウンを乗り越え、そしてついに感動の対面となったわけです。

ずっと恋い焦がれてた・・・

あなたに会う為にいろんなものを乗り越えてやってきた・・・

心の底から会いたかったよ・・・



愛しい人、富士子



晴れたからと言ってその姿を拝めるとは限らない。
だから朝起きてから富士が見えるこの辺りまでずっと不安だった。
お世辞にも自分は今まで山の羨望運に恵まれてるとは言えなかったから。

雪を纏った姿が空に浮いてるかのようなこの光景を見た瞬間、マジで鳥肌たちました。

そして富士だけじゃなくてもう一つご褒美があった。



棚田と富士



手前に石部の棚田、そして向こう側には駿河湾越しの富士。
実はこの棚田は前情報は全く無かったので嬉しい驚き。
まさかこんなものが見えるとは・・・ここまでやってきて良かった。

約140万年前の噴火でできた蛇石火山の裾野にある370枚の棚田。



富士、棚田、茅葺屋根、そして満開の梅・・・役者が揃いすぎでしょ。







急斜面につくられた石積みの棚田は相当に見応えありました。
是非とも水が張られた時も見てみたい・・・


R136に復帰。
この道は彫刻ラインと名前が付けられてて、ところどころに彫刻が配置されてました。
だけど申し訳ないがこの時彫刻どころではなく、頭にあるのは桜、そして富士の二つである。






ポスターのような真っ青な空ではないけど、桜と富士のコンビをなんとか撮れた。
こうやって目標を一つ一つ達成していくのは楽しい!


ちょっと賑やかくなってきた松崎の町に入ったとこの信号待ちで、タイミングよく食事処が現れたのでIN。



ランチタイムメニューで豚重がコーヒー付いて850円と安い。
そしてそんな値段なのにとってもクオリティ高くて驚きました。
この店はアタリ。


さて、この日の予定は西伊豆の海岸線をずっと走って沼津に取り付く予定です。
西伊豆には黄金崎をはじめとする景勝地がたくさんあるし、何より常に富士を見ながら走れるってのが素晴らしい。
だけど富士を見ながらサイクリングするのは初めてだけど、色んなブログで富士の情報は常に仕入れてる脳内富士達人の自分は知ってます。

「富士を見るなら午前中」

この日もそうですが、春霞なのかPM2.5なのか、クリアな空気感とは言えない眺め。
これは時間の経過とともにもっと進み、富士は白い空気と同化してどんどん見難くなってくる。
だから午後からの富士は「見えたらラッキー」って事なのだ。
出来るだけ富士を見たいのは山々なんだけど、そんな見えたらラッキーな存在を求めてこのまま進むべきなのか?
確かに琴線に触れるような海岸線の景観には出会えるかもしれないけど、富士が見えないなら・・・

今回伊豆半島の旅を計画した大きな目的は、富士山の姿を拝む事、そして西伊豆スカイラインを走る事の二つだ。
前日西伊豆スカイラインは走ったのだけど、殆ど見えなかったのでは走った意味が全くない。

今日の天気では 「富士が見えない可能性が高い海岸線」 or 「おそらく霧が出てない西伊豆スカイライン」


選ぶならっていうか、自ずと答えは限られる。

幸い今いる松崎から仁科峠まで続くK59号に乗れる。
ヨシ! 終わった時に後悔しない為に昨日のリベンジだ!


と勢いで決めてしまったけど、前日2,300mも登って、この日もここまで結構登ってきたし、
さらに高度を900m以上も上げようとするなんて・・・・登り嫌いな癖に俺もどうかしてたw 


ってことで、仁科川に沿って登るK59号を進む。



そり立つ山がこれから先の険しい道を予想させる。







最初の頃こそ傾斜もそれほどでもなく快調に進めたが、途中からやっぱりねって具合に坂は急なとこばっかりになるし、
展望はほとんどないしで、正直この辺りの記憶があまり無い。
ただ早くこの坂が終われ、早く仁科峠の看板見えろってそれだけ考えてた気がする。
写真見て「ああ、こんなとこもあったな」って思い出すくらい。
あ、途中でパンクしたのだけはしっかり覚えてるなw





林の中を登る展望がない道を、長い時間耐えて耐えて登ってきて、こんな風に空が近くなってきた感じに自分の場合最もドーパミンが溢れ出す。



そして展望が完全に開けた瞬間に絶頂を迎える。
これが麻薬的刺激で中毒性が高いのだ!

しっかし山深い半島ですこと。
そして素晴らしい眺めですこと!
山々が躍動してるかのようだ。


ようやく尾根道らしきとこに出ました。



仁科峠は近い!そして霧など全くないクリアな視界!!










そこには前日と全く別な世界が広がっていた。


自転車に跨って初めて目にした駿河湾越しの富士山、石部の棚田と山桜を含む桜、そしてそれらを全部演出してくれた朝陽から始まった太陽。
前日の過酷な道中から全てがドラマチックだった。
だが、ドラマチック旅の最大のピークがこの後に待っているとは思いもしなかったのであった・・・


もう一回だけつづく。

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ドラマチック伊豆半島 ~下田~

2016-04-14 | Bicycle ride
下田温泉



南伊豆に位置する下田は日本開国の地である。

嘉永6年(1853年)、代将マシュー・ペリーが率いるアメリカ合衆国海軍東インド艦隊が浦賀沖に来航する。
いわゆる黒船来航である。
鎖国状態にあった日本だが、実際には中国オランダとの貿易は続いていたようだし、イギリスやロシアの海軍が寄港した事もあった。
だがいずれの船も帆船であり、真っ黒で煙突からモクモクと蒸気を噴きながらやってくる巨大な艦船の異様な姿に江戸の町は大混乱に陥いった。
そして翌年、日米和親条約が調印され、箱館(函館)は1年後に、そしてこの下田は即時開港された。
つまり、ペリー艦隊が日本に初めて接岸したのがこの下田港であり、ペリーが最初に踏んだ日本国の地が下田なのである。
そして日本最初の米国領事館ができたのもここ下田、初代領事館タウンゼント・ハリスが住んだのもこの地。

「アメリカがくしゃみをすれば日本が風邪をひく」とまで言われる今日の日米の関係の始まりがこの下田なんですね。

それを記念してか「ペリーロード」と名がつく場所がある。



ちょっと城崎に似ている。小さい城崎みたいな感じ。

アメリカとの開国の地に、アメリカ製のチタンバイクに乗ってやってきた。
今この自転車に乗って旅ができてるのも、全てはここが始まりなんだと思えばそこにロマンがある。





~旅館泊のススメ~

さて、今回の旅は全行程で3泊4日、だけどサンライズ出雲で二泊するので、実際の宿泊は一晩だけです。
その宿をこの下田温泉にとりました。

利用したのは下田大和館。












全国的に有名な波乗りスポットの多田戸浜ビーチを望む全室オーシャンビューの宿です。
分不相応な宿ですが、特に贅沢をしようと思ってここを選んだわけではありません。

年に数度くらいのペースですが、今ままで自転車で旅を重ねてきました。
適当に探して安いホテルに泊まった事もあるし、民宿を選んだ事もあります。
気を使わないでいいのでそういうのは結構好きだったりします。
施設内容より利便性等を優先する事が多いし、ただ寝るだけと考えればそんなにお金をかける必要もないとも思います。

でもね、最近少し考えが変わってきたんですよ。
例えばそこそこのビジネスホテルに泊まれば最低でも7~8千円はするし、そして居酒屋で一杯やりながら飯でも食えばそれだけで5千円くらいすぐいく。
それを併せた金額を払う事を考えたら、料理がついた旅館にも泊まれるんですよね。
旅館形式の宿を選ぶメリットは大きいです。
だってホテルのシングルルームだと、起きてる時の居場所が基本ベッドの上だけになるじゃないですか。
最近はリーズナブルなホテルでもいいベッドが置いてる事が多いので、寝る分には別に困りませんけど、
いっぱい走って多めに登った後はストレッチしたくなるし、やっぱ畳で広々と過ごせるメリットは大きい。

そしてもう一声追加すればもうワンランク上の宿も選べるんですよね。
ランクが上がれば部屋が広くなったり、温泉が豪華だったり、そして料理のグレードがアップする。
どうせ旅にきたら、その地の食べ物、旬の食べ物が食べたくなりますし、ていうか絶対食べるし。
料理を売りにしてるような旅館だと旬の物中心に食べきれないくらいの量を出してくれますから、それはかえってお得だったりする。
居酒屋で好きな物だけ選んで食べるのもいいですけど、懐石でたくさん出された物の中に知らなかったけどすごく美味しい発見があったりもする。
なにより懐石料理って、その地のいいとこを精一杯知って帰ってもらおうって気持ちがこもってるじゃないですか。









伊勢海老だ、鮑だ、そして伊豆と言ったら金目鯛だとお腹はちきれそうなくらい食べ散らかす事ができます。
しかも素晴らしい温泉にゆっくりつかった後で、部屋でゆっくりと堪能できる。

何日もに渡る日程で毎日こんな事したらお金いくらあっても足りませんから、そういう場合はホテルも上手に組み合わせますが、
一晩くらいは是非とも旅館でゆっくり過ごしたいなと最近特に思うようになりました。
そう思わせてくれたきっかけは、一昨年の九州旅でコルナゴ部長の蘇山郷を利用した事から。
旅の満足感は、宿も非常に大きな要素であると気付かせてくれました。

旅は自分へのご褒美であり、また自分への投資でもあります。
人それぞれのスタイルや重視するとこあると思いますが、自転車旅+温泉と料理旅館、是非おススメします。



快適な宿で快適な眠りにつければ、翌日の朝から元気に動けるってわけ。

朝陽が見たいって言ったら「ここからは見えないけど隣の海岸に行けば見えますよ」って教えてくれたので、
一つ隣の入田浜でその瞬間を待ってみました。






前日は予報外れて夕方前にやっと顔を出した太陽だったけど、この日はバッチリでございます。
日の出前も、日の出の瞬間もドラマチック。

昨日見れなかった富士を今日は是非とも見たい。
頼むぜ~太陽君!











下田の町を少し散策して、朝風呂浴びて、朝から豪華な朝食をお腹いっぱい頂く。
旅館泊って最高!!


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