昭和42年 8月発売
作詞 西條八十 作曲 船村徹
「絶唱」の翌年に発売された「夕笛」もまた、映画化された。
相手役は、ドラマ「雨の中に消えて」で共演した松原智恵子。
私自身映画は見ていないが、兄が買ってきた雑誌、平凡それとも明星、どちらだったか
定かではないが、この映画に関しての記事が掲載されていたのを見た記憶がある。
この曲も「絶唱」に続き、西條八十氏が手掛けている。
西條氏が三木露風の「ふるさとの」という詩をモチーフに書いた作品といわれており、
五七調の古典的かつ格調高い楽曲である。
ちなみに三木露風の「ふるさとの」の詩は次のとおり。
ふるさとの
三木露風
ふるさとの 小野の木立に
笛の音の うるむ月夜や。
少女子(をとめご)は 熱きこゝろに
そをば聞き 涙ながしき
十年(ととせ)経ぬ おなじ心に
君泣くや 母となりても。
また島倉千代子の楽曲の中に、昭和30年に発売された「ふるさとの笛」という曲
がある。
この曲も西條氏が作詞しており、冒頭の他にも「夕笛」と似ている個所がある。
ふるさとの笛
作詞 西條八十 作曲 八洲秀章
歌唱 島倉千代子
1 ふるさとの 青い月夜の
河原鳩鳴く 橋の上
遠くながれる 笛の音に
君と二人で
涙ながした 日が恋し
詳細は分からないが「ふるさとの笛」が熟成され12年後に完成した作品が、
舟木一夫の名曲「夕笛」ではないだろうか。
いずれにしても西條氏は三木露風の「ふるさとの」が相当気に入っていたと
思われ、この詩をモチーフに少なくとも2つの作品が生まれたということになる。
♪ふるさとの蒼い月夜に ながれくる 笛の音きいて ,