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英国王のスピーチ (King's Speech)

2011-02-08 16:36:46 | レビュー
イギリス英語は苦手なので避けていたが、余りに評判がよいので英国王のスピーチ(原題:King's Speech )を観てきた。
コーリン・ファースがゴールデングローブの主演男優賞を獲ったのは伊達ではなかった。
オスカーを獲っても不思議ではないと思う。
"Biutful" をまだ観ていないので Javier Bardem の評価が出来ないが、彼が絡んでくるかどうかは別にするとコーリン・ファースとジェフ・ブリッジズが主演男優賞レースではリードしているのではないか。

父親(ジョージ5世)や兄にコンプレックスを持ち、乳母達にいじめられた気の優しい少年は言葉が出なくなってしまう。
本来兄が継ぐはずの王位を、兄のスキャンダルが原因でジョージ6世として継承することになった彼は吃音と戦い、そして国民を勇気づける。
その陰には彼を支えた言語療法士がいた。

短期で内気なジョージ6世をコーリン・ファースが迫真の演技で蘇らせている。
彼の妻と言語療法士ライオネルをヘレナ・ボナム・カーターとジェフリーラッシュが好演している。
2人とも助演部門でオスカー候補となっている。
ジェフリーの場合はクリスチャン・ベイルという頭二つほど抜けている候補がいるので受賞は難しいと思うが、助演女優部門は混戦なのでヘレナにはチャンスがあると思う。

マイケル・ガンボン(ハリー・ポターのダンブルドー)やガイ・ピアス(LAコンフィデンシャル、メメント)も頑張っているけれど、この3人の存在感があまりにも大きくかすんでしまっている。
逆に言うと、本来印象に残るような熱演が埋もれてしまうほどの凄い演技をしていると言うことだ。

ストーリーは単純で、ジョージ6世の吃音との戦いにつきる。
コメディーではないはずだが、ヨーク公夫妻(後のジョージ6世・エリザベス女王, the Queen Mother)とライオネルが真剣なだけに、台詞がやたらと面白い。

イギリスはヒットラー率いるドイツに宣戦布告し、第2次世界大戦に突入する。
ジョージ6世は国民を勇気づけるためにラジオで声明を発表する。
吃音を持つ彼にとっては決して易しい役目ではなかった。
開戦直後のスピーチの背景で、ベートーベンの交響曲第7番が流れているのは皮肉だが、この曲は映画の結末を飾るにふさわしい荘厳さを持っている。

日本公開も間近だと聞いた。
映画としても秀逸なので、4つ星を付けておこう。

★★★★☆


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