擬宝珠(ぎぼうし、ぎぼし)は、あくまでも「擬(もどき)」であって、本来の宝珠ではないということのようです。それでは本来の宝珠はというと、仏や神が手にする珠、五輪塔などの仏塔や、方形造りの建物、灯籠の上部にとり付けられる珠などをいうようですが、あまりはっきりとした区別点は感じられません。たぶん、古くからあった宝珠に対して、後発の似たような飾りを区別するために付けられた名前なのでしょう。
水戸八幡(八幡町8-54)
拝殿前にある擬宝珠です。文化4年(1807)とあり、奉納者の名前も刻まれています。胴部分の上下にある輪がそれぞれ2段になっていて、全体的に均整のとれた形をしています。
杓子稲荷(平戸町938)
拝殿背後にある本殿の神域に入る入口を示す左右にある石柱なのでしょうが、その上部に擬宝珠がついていました。写真左が拝殿、右が本殿です。
竃神社(本町1-2-6)
本殿周囲の縁に設置された高欄(こうらん)の上につけられた擬宝珠です。だいぶスリムな形をしています。
円通寺(千波町1227)
本堂の向背下に、蓮の花弁を反らせたような反り花風の飾りを下にほどこした擬宝珠がありました。
東照宮(宮町2-5-13)
南側石段下にある車止めの石柱の上に擬宝珠がありました。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます