今回は動詞で選んでみました。地方名は、東条操の全国方言辞典からです。
あんごえる
またぐ。「ごえる」に、またいで「越える」という意味があるように思えますが、「あん」がよくわかりません。
ぐらがす
翻弄する。釜石の方言で、ごまかすという意味の「ぐらがす」という言葉があるようですが、同じ発想のような気がします。はぐらかすに縁がある言葉なのでしょうか。
こきのめす
叱る。佐野市にも同じ言葉があるようなので、茨城県、栃木県あたりに広がる方言なのかもしれません。
のめる
埋める。福島県石川郡、栃木県、群馬県多野郡、埼玉県秩父郡、千葉県でも言うようですから、関東全体で使われた言葉のようです。
はだつ、はだす
はじめる。仙台、岩手県、宮城県、山形県、福島県、千葉県あたりの言葉のようです。
はたる
催促する。仙台、庄内、東北、埼玉県秩父郡でも言われ、せびる、ねだる、催促するという意味だそうです。類聚名義抄という11-12世紀の辞書にあるそうですから、そうとう古い言葉のようです。
ばらをひく
人を邪魔する。石川県で、「ばら」は大変な事態という意味らしいですが、関係があるかどうか…。
ぶっちかる
坐る。福島県岩瀬郡、栃木県芳賀郡などで言われるそうです。ぶちかるともいうようです。促音便になるのは、茨城流なのでしょうか。
ふんじゃす
ふみつぶす。「ふん」が踏むなのでしょうが、あとはどうなのでしょう。
ほきる
成長する、芽が出る。仙台、岩手、宮城、福島、関東、長野県佐久地方、高知あたりでも言い、ほける、ほこるとも言うようです。