今回は名詞です。聞いてもわからない言葉はたくさんあるようです。
あいしょーけん
じゃんけん。「けん」は「拳」のような気がしますが、「あいしょー」がわかりません。
いじこ
あかんぼを入れる籠。全国方言辞典では、仙台、常陸、青森、宮城で使われるとしています。「えじこ」、「つぐら」という地区もあるようです。以前は田の仕事などで忙しい時に、動けないように赤ん坊を藁籠に入れたそうです。あかんぼにとっては、足などにも、余り好ましいものではなかったようです。
おかんじんめ
乞食。全国方言辞典では、「おかんじん」、「くゎんじん(かんじん)」という地区もあると書いています。「かんじん」は、勧進で、寺社の修繕費などを募ることをいうですが、そうしたことを名目に金をもらう僧やその姿をした人が多くいたことからできた言葉なのでしょう。
しぶかし
あばた。疱瘡が治った後に残ったあとのことだそうです。ほかの地区では「じゃんか」とうもいうようです。
たつ
性質。たちが悪いなどという「たち」は人の性質をいうようなので、その変化なのでしょう。
ちく
うそ。全国方言辞典では、常陸下野(物類称呼)、館林、栃木、群馬県邑楽郡、埼玉県北葛飾郡、千葉県北部、茨城県那珂郡となっています。広辞苑には、物類称呼には、常陸下野辺で「ちくらく」ともいうとあります。
てほらく
冗談。全国方言辞典では「でほーらく」として、ほら、うそ、でたらめとあり、福島、群馬県勢多郡、埼玉県秩父郡、茨城県真壁郡としています。「ほら」がもとになってできた言葉なのでしょうか。
どっけず
びり。全国方言辞典では、「どっけ」は最後、びりで、福島県早良郡、「どっけつ」も意味は同じで、福井、山口県大島とあります。尾骶骨を「とっけつ」という地区もあるようですが、同じ流れの言葉のように見えます。今でも言う、「どんけつ」などという言葉も同様なのでしょうか。
にんこ
おにぎり。茨城町で「おにんこ」といもうそうですので、たぶん、にぎるという言葉の変形の「にん」に、言葉の後につく「びんこ」「めとっこ」などというような、「こ」がついたのでしょう。
ぶんだし
はじめ。全国方言辞典に「ぶんだす」が、出かける、出発するとありますので、そうした言葉の仲間なのでしょう。