日本一周川下り

カヌーで全国一級河川を中心に川下りをした旅日記。
日本一周の楽しいやり方等、カヌーとは無関係に楽しめるでしょう。

 同 【2003年 7月 9日】

2006-09-28 05:04:54 | Weblog
《荒川:長瀞上流》

番号 河川名 全長(km) スタート地 ゴール地 難易度
備  考
29 荒川 173(内約10) 秩父オートキャンプ場 親鼻橋上  中難 中々エキサイティング

 夕べは、上陸地点付近でテント張りたかったが、適地が見つからなかったので、昨日と同じ所へ戻り、寝た。
 朝、発って、また、長瀞へ向かう。
 4日に長瀞は済んだのだが、富士川の佐野さんにご紹介いただいていた 「カヌーヴィレッジ社」 を訪れていなかったのと、荒川をもう一箇所をやろうと思い、再訪となった。

 会社に到着、奥様がおいでで、堀口社長さんも藤原さんも丁度ご不在でしたけど、暫くすると社長さんはお帰りになられ、川の情報をお聞きできた。
 『長瀞のライン下り区域よりも下はダムがあり、川下りには向かないが、上流は以前自分達がやっていたところがあるからOKだよ、また、「親鼻橋」のすぐ上に堀口社長さん達がこしらえられたカヌーポートがあるからとそこに上がるとして、スタートは一寸遠く20kmほどの「別所」地区が良いでしょう』と、現地へご案内までしていただくことになった。実は、車中、20kmと言うと出発時間から考えると、一寸難しいな、と思っていたのだが、社長さんも、途中でやはりそう考えられて、丁度中間辺りの「秩父オートキャンプ場」へお連れ戴いた。
 以前は川原まで車が降りれたそうだが、今は上の駐車場までで、そこからずっと下りの坂道300mくらいで川面におりられる。キャリアーで下りだから、問題ではない。で、ここをスタート地とすることになり、お別れした。

 遅い昼食をとり、水量は一寸少ないけど、よく流れており、次々と瀬が現れ、ここも非常に良い場所。
 見事な堆積岩が連なり美しい。この長瀞は日本の地質学の発祥の地で、地質学会もよく開かれているのだそうだ。
 中間付近の瀬では、大きな石が横並びにあり、水は激突し、大きく・高く・白く飛びはね、砕けている。下側に回って見上げると、瀬の中ほどにも同じような大石が並んでおり、どう見てもここはやばいからと、運ぶことにした。側道的に細い水が流れており、ロープでコントロールしながら、おろしていく、ここは担ぐことも無く、楽だ。
 この辺り一体は砂岩で出来ており、一寸、山陰の温泉津を彷彿(ほうふつ)とさせている。

 その後、少しのトロ場があり、また、次々と瀬が続き、さすが荒川、エキサイティングなところが多く、水が少ないので、ボトムをこすりながらではあるがどんどん進む。少し暗くなり始めたので、瀬のコースが見えにくくなり、これは早くゴールしないといけないぞと急ぐ。急ぐとやはり良くないことになりやすいもの。最後から、3っつ目の強烈な瀬では、大きな石にボトムを打ちつけ、グシャと言う音、『やられた!』

 瀬を下って、トロ場になった時、見るとちょろちょろとスターンから水が入っている。これはヤバイ!陸に着けて、座る位置で前後変え、ひび割れて穴の開いた方を浮かせて、進むことにした。それでも少しだがまだ水が入っている。手すきの時にあか汲みをしながらの行進だ。
 次の瀬では、今度は大きな石に上がりこみ、ボトムが「ミシミシッ!」と、言った。これはまあ、なんとか大丈夫だろう。ようやく、ゴールが見えてきた、最後の瀬となった所では、上からは見えないので、エイヤ!で、そのまま突っ込んで行くと、大きな石積にしてあり、階段状になっていた。
 がつん!と大きな音がし、バウをぶっつけた。
 何とか階段瀬を下りきり、カヌーポートを通り過ぎないように、次の瀬に流れ込まないように、必死でゴールの港に入る。ポートの中は、入るとさすがに完全な平水、やれやれゴールした。

 カヌーを引き上げた時、堀口社長さんが来られた。『あれ~?ビッタシにおいででしたね、すごい感ですね!』 『5分ほど前に来てて、上で見てたんですよ。今、大きな音が上まで聞こえましたよ!』何と上の道まで聞こえるほど大きな音だったのだ。それだけ大きな音だったけど、ぶっつけたところは別に何ともなく、音の割りには被害はなかった。
 すぐさま、助手席へ載せていただき、スタート地へ送っていただく。ありがたいことだ。車中で、色々お話を聞かせて戴いたが、『10年前に、「カヌーヴィレッジ」を始めたが、当時は、日本人にまだラフティングの認識がなく、2年間はお客さんがなくて、本当に困ってました。』と、言われ、日本の草分け的存在だから、苦労されたようだ。その後、認知され、周りにも沢山の同業者が生まれ、お客さんも増え、テレビや雑誌などの取材も多く入り、知名度が上がってきたのだそうだ。兎に角、『お客さんが喜んで下さるのが一番の喜びだし、宣伝などしなくてもお客様が口コミで、次のお客様を紹介して下さるのがありがたいことです。』と、明るくおっしゃられた。

 カヌーヴィレッジ社は、お客様を大事にしておられるから、信用度も高く、お客様も増えている。富士川のナチュラルアクション社と同じだ。商いの道はこの信用をつける事が正道なのだ、決して、損得じゃないのだ。
 実は、今まで使ってきたシートを張るためのポール、ここへ来る途中で落としてしまい、どこかで手に入れなければ困るぞ、と、思っていたのだが、ここ泊地の周りはありがたいことに竹林、早速適当な太さの竹を2本頂戴し、半分に切り、4本のポールが出来た。今度は落とさないようにしなければ…。社長さん、戴きましたよ~。事後承諾だ。
 夜はそのゴール地点(秩父ヤナの駐車場)でどうぞ!と言うことになり、ふさふさの草の上でゆっくりと休めた。
 『堀口社長さん、ありがとうございました。』
《カヌーポート泊》

”宗さんのHPへ戻る”