日本一周川下り

カヌーで全国一級河川を中心に川下りをした旅日記。
日本一周の楽しいやり方等、カヌーとは無関係に楽しめるでしょう。

 同 【2003年 7月 5日】

2006-09-24 03:48:40 | Weblog
《荒川:長瀞峡》

番号 河川名 全長(km) スタート地 ゴール地 難易度
備 考
29 荒川 173(内約6) 親鼻橋 長瀞キャンプ村 超難 エキサイティング

 朝、自転車で下見に出て行く。初め、キャンプ村が右岸だから、右岸を上流へ行くが、川がほとんど見えない。で、最初の橋、「高砂橋」を左岸へ渡る。実は、この高砂橋のすぐ下が、ライン下りの上陸地点になっている。が、橋からは分からなかった。
 左岸の川沿いの細い道を進むと割と下見ができて、川の音が聞こえる、音が聞こえるところは、瀬だから、しっかりと下見をしておかないといけない。だから、耳を澄ましながら、進んで行く。その点、自転車が非常によろしい。木々の間にちらりと川が見えたり、細い小道が川に向かっていれば、釣り師たちが通っている筈だからと、降りてみる、等など、自転車では、車での下見よりは、遥かに多くの情報を得ることが出来る。
 ホテルや旅館・商店街の間を通り抜け、細い道も平気の平左、スタート地点の「親鼻橋」へ到着。ここは石原だが結構テント張ってるグループもいて、ここも良い泊地だった。
 さあ、戻ろう。やはり左岸をもう一度確認しながら、高砂橋まで帰り、ここからは未知の世界、昨日、お聞きしたところによると、ライン下りの最大の山場と思える観光写真になっている鉄橋の下の瀬よりも、もっときつい所がある、と、聞いていたので、慎重に、目と耳を働かせて、下っていく、特別大きな音は聞こえないけれど、道から離れた場所かもしれない。そしたら、仕方ないけど、その時は、現場でしっかり見届けることにしよう。

 暫く進むと、時々見える川がトロ場になっていた、あぁ、聞いてた場所だなと思いつつ、もう少し下ると、完全なるトロ場、『あれ?これはもうダムの近くじゃないのかな?そしたら、キャンプ村の所は通り過ぎたかな?ひょとして「白鳥橋」の分かれ道を見落としたかな!』と、まだ暫く進み右折、大きな橋へ出た。何と隣町まで来てしまっていた。その橋を渡り、戻ること4km余り、往復9km程を余分にサイクリングしてしまった。
 朝食後、キャンプ村の上陸点をしっかり確認し、自転車を置いておいて、スタート地へ。親鼻橋へ着くと、もう、カヌーイスト等いっぱいの人たちが集まっていて、ラフティングのインストラクターが大きな声で説明したり、準備体操をしたり、老若男女すばらしい光景だ。でも、カナディアンは私だけのようだ。当然だよね、こんな荒々しいところ、オープンデッキでは、確実にヤバイのだから・・・。
長瀞峡出発地の風景
 さあ、出発だ。最初の小さな瀬を下ると、次が即、鉄橋の下、大きな瀬を一気に滑り落ち込んで行く、GO、GOだ!すぐ下では、カヤッカーが大勢、見ている、水がひざまで入り込んできた。富士川の腰までに比べれば大したことではないけど、水舟になっているとコントロールがすごく悪くなるので、上陸して水を出す。

 すぐに、出て行く。瀬は次々と現れ、瀬の後には小さなトロ場、すぐまた、大きな瀬が近づいてきた、立ち上がって、コース取りを読む。側の岩の上には、先に出たカヤッカーたちが見下ろしている。その中に、出発前に、車に寄って来て、『日本一周ですか、すごいですね!頑張ってください。』と、言ってくれた青年も見ている。
 『行くっきゃない!』の気分で一気に突っ込む、右から入り、すぐ左へ寄り、少し下って、『きついなー!』と、思わず声が出てしまったが、また、右へ、下ったら、正面の岩へ張り付かないように、かわす。彼の青年が『うまい!』と、言って手を叩いていたのがちらりと聞えた。ここでも、また、膝までの入水、下のトロ場へ降りてから、カヌーをひっくり返し水を出す。

 そこで、先の青年達が下りてくるかと少し待っていたが、来そうにないので、先へ進む。暫くすると、またまた、素敵な瀬が現れた。左カーブの気持ちの良い瀬、こんなのばかりだったら、楽なんだけど、でも、やはりエキサイティングな瀬を行くのも抜群に楽しい。
 下のトロ場を進んでいると、一人のカヤッカーが近づいてきて、『昨日、道で出会った、日本一週の、お方ですか?』と、言われるので、きっと彼のことだと思って、『あぁ、そうです。昨日は道を尋ねようと思って…。』 『すぐ、引き返したのですけど、もういらっしゃらなくて…。どちらまで行かれますか?』 『キャンプ村の所までです』等などトロ場で話していた。『あなたはどこまで下られますか?』 『私はそこの高砂橋の所まで』 『あそこから下にきついところがあるそうですが、どんなのですか?』 『いや、もうそんなに強烈なところは無いですよ、今日の水では、腹をこすることも無いでしょう。』 『そうなんですか?じゃあ、安心しました。』 『気をつけて、行ってください。』と、見送って戴いた。
厳しい瀬だけれど写真では迫力が無いなぁ
 その後、いくつかの瀬を越え、大きな音がするので、下見しようと上陸し、近くまで行く、子供二人と両親で下っているカヌーイストと出会う、『ゴムボートの子供がこの瀬を怖がって、降りれないんです。』と、奥さん。『おじさんが下ったのを見て、安心してくれると、良いのだけどね!』と、まで言われたらうまくやるっきゃない!『では、先に行ってま~す!』とスタート。
 それほどきつい瀬ではなく、少しの入水でことはすんだ。下で、暫く待っていたり、上に向かって、声は聞こえないから、パドルを振り、『大丈夫だよ~!』と、信号を送ったけど、見えたかどうかも定かではない。仕方なく、先へ進む。次の瀬が現れ、そこで魚釣りの人に、『何釣っているんですか?』 『岩魚!』 『岩魚が釣れるんですか?頑張ってください!』と、言いながら、瀬に近づく、なんだか嫌な瀬だ、と、躊躇していたら、はたと気がついた、『あっ、駄目だ、ここはゴール地点だった。ここを下ってしまったら、戻るのが大変なんだ!危ない危ない!』で、右岸へ渡り、上陸。
 長瀞を無事クリアー!『ヤッター!ヤッタゾー!』
 振り返ると、膝まで浸水は三回、その半分程度は2回と中々、さすが結構きつい瀬が多く、エキサイティングで非常に楽しい長瀞峡だ。これだから、カヤッカーが多いはずだ。でも、カナディアンはもっと猛烈に楽しい、と実感した。
 カナディアンの利点は、立ちあがって先を見る事が出来る、大きな浮力がすぐ利くから波を渡って行く、滅多に沈はしない、例え、沈してもカヌーの下敷きにならないから、顔は水上に出ているから絶対安全、カヌー内では比較的自由に体を動かせる、自転車など荷物も沢山積める、流れの中でも乗り込めるし、岩などへ飛び降りることも簡単にできる等など。
 短所は、超ホワイトウオーターでは水が入る、水舟になった場合、即、起こすことが出来にくい(尤も、今ではエスキモーロールもできる時代になったし、浮力体をしっかり入れれば水舟にもならない)等など。
 ちょっぴり疲れたので、全てを片付けて、テントへ戻り、昼食を取り、夕刻までキャンプ地はOKと言う事なので、20分ほど昼寝。

 15時過ぎに、キャンプ地を出発。利根川上流前橋市を目指す。が、前橋まで行くと遅くなるので、途中の本庄市でストップ。
 「坂東大橋」の下をねぐらにしようとしたが、風が強く、余り良い状況ではないので、その前に見つけておいた、第二候補地の運動公園の駐車場で寝ることにした。
《本庄市運動公園泊》

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