日本一周川下り

カヌーで全国一級河川を中心に川下りをした旅日記。
日本一周の楽しいやり方等、カヌーとは無関係に楽しめるでしょう。

 同 【2003年 6月28日】

2006-09-17 03:53:09 | Weblog
《相模川》

番号 河川名 全長(km) スタート地 ゴール地 難易度
備 考
32 相模川 109(内約)
座架依橋   大きな堰で中断

 戸沢橋の下で、雨も降らず、風も吹かず。快適な夜だった。で、夕べ考えたのだけれど、実は、車が入れなかったと言うことは、非常に都合の良いことだった。昨日はあれほど残念がっていたけど、今日はそれが幸せになっている、正に「塞翁が馬」だ。と、言うのは、車が川原に降りていれば、朝9時まで出られない。が、現在は車は外にあるから、自由に行動できる。そこで、今日は土曜日だから、普段より釣り師は多い、それだけに、朝早いうちに川下りを実行すれば、釣り師と合う場面も少なくなる、と言うことで、早朝の川下りが出来る方が良いと言う訳。
 で、目が覚めると、さっさとテントを片付け、座架依橋へ向かった。ありがたいことに、座架依橋の所には自由に入れる。すでに、数台の車が来ている。
 鮎釣り師は朝が早いのだから…。と、準備していると、『福山ナンバーですね、兄貴が福山にいたんですよ。』と声。『あぁ、おはようございます。そうですか?何町ですか?』 『山手町ですよ。』 『え~?山手?私は津之郷で、すぐ隣ですよ!山手のどの辺ですか?』『○○会社に勤めていて、市営住宅にいたんですけど、今は家を建てて、近くへ出ています。出身は佐賀県です。』等と話をして、彼は釣り場へ。私は準備して、川面へ。
 彼は、私が出て行く、すぐ沖で、竿を振っておられたので、『3時間位したら、また帰ってきます。お互いに楽しく、頑張りましょう。』と、別れたのが5時55分。こんなに早くから川へ出たのはこの前の矢作川以来だ。

 相模川は小さな瀬が所々にあるという感じで、一箇所割と長いトロ場があり、そのトロ場で、楽しいことが、またあった。それは、右岸沿いに漕いでいたら、目の前1メートルの所にゴイサギがじっとして、逃げない。こちらも、彼を見ながら、その前を通り過ぎた。驚き!こんなにすぐ側を人間が通ったのに、逃げなかったなんて、そのすぐ後、小さな鳥が飛び立った、『あっ、カワセミだ!』今回初めてカワセミを見た。そのすぐ後、また、カワセミが飛んだ、と思ったら、また飛び出した。空飛ぶ宝石と言われる「カワセミ」を一度に3羽も見たのは、生まれて初めてだ。一瞬の出来事だけど、気持ちが良い。うれしい~!
 そうこうするうちにいくつかの瀬を通り、割と水量があり、腹をこすったのは1、2度程の、快適川下りだ。

 東名高速の高架橋の向こうに今度はいやなものが見えてきた。ダムだ。小さいけれどダムだ。これは困った。調べがついていないものだった。先ずは右岸に着けて、見に行くと、大きな音が聞こえてきた。魚道もあるけど、通れない、流せない。これは駄目だ。対岸に車が見える。よし、あっちへ行ってみよう。と、渡河する。数人の釣り師がいるが、どうも様子が違う、アユではなさそうだ。聞くと鯉を狙っているとのこと。きっと大きな鯉がいるに違いない。
 左岸も見たが、ここも駄目!あきらめるより無い。まあ、ここは車も入れるし、しゃーない、ここで良しとしよう。と、カヌーを上げて、片付けておいて、自転車を取りに、歩く。約2km、すぐ近くだから、土手と川原を歩いて行く。

 無事、自転車もあり、2個の鍵を外し、川原を帰る。さすが自転車、歩くより大分早くカヌーのところまで帰ることが出来、運ぶ場合の算段と、車の入れる場所の確認をしながら、通り過ぎると何と車は4駆でないと、登れないほどの急坂、「こりゃー駄目だ!」。
 では、あっちへ運ぶ方法でないと…。でも、700メートルはあるな~、こいつは大変だぞ!いくらキャリアが あると言えども、ちっときついなぁ!と覚悟しながら、車のところへ戻って行く。

 朝ごはんを食べ、片付けて、彼に挨拶に行こうとしたら、彼が釣りを止めて、帰ってこられた。『やあ!』、と手を振りながら、彼の車に近づくと、彼も車から降り、また、少し話をし、『お兄さんの所へ行かれる時には、寄ってください。』と、言うと、『兄貴は死んだんで、義姉がいるだけなんですよ。行くのは法事くらいかな?』と『それはいけませんでしたね!』 『そうだ!鮎あげよう食べる?』と、言って車から”びく”を持ち出された。『えっ、本当ですかうれしいな~、生きてる鮎は30年ぶりですよ。じゃあ、2、3匹で結構ですから…』 『な~に、わしは釣るのがうまいんで~、しっかり持って行きや!』と、大小あわせて、10匹余り下さった。『わー、うれしいありがとうございます。で、お名前は?』 『仁田です。』 『私は宗片と言います。何も差し上げるものが無いんで…。』と、名刺をお渡しする。『あんた酒は飲まれるんですか?』 『お酒は大好きですよ。』 『ほんなら、これも持って、行きな、わしは又買えば良いのだから…、』と「陳露」の大きなボトルを下さった。『わーこりゃ「陳露」じゃないですか、韓国の焼酎、これうまいんですよ、私も前に飲んでました。いいんですかこんなに…。』お言葉に甘えて、遠慮なく戴き、車が見えなくなるまで見送りさせていただき、お別れした。

 で、カヌーを取りに戻り、700メートルもの距離を一寸横着をして、近道で急坂を押し登り、何とか積み込み、カヤック・タパさんにご紹介をして頂いていた、津久井の田代さんの所へ行こうと進路をとる。行けば分かるとたかをくくって向かい、津久井の根小屋まできたが、分からない、酒屋さんで聞いてみようと、車を止めた。すぐ後ろにも、車が止まった。私が降りようとしたら、もうそこに一人の男性が立っている。窓越しに話を…。『日本一周ですか?』 『はい、目指しています。』 『わしは19と20の時、自転車で日本一周したんで~!』 『え~、自転車で?それはすごい!大先輩じゃぁないですか~?実は、カヌースクールやってる田代さんちへ行こうと思って…。』 『おぉ、ついておいで、案内するよ!』 『えっ、それはありがとうございます。』と、ついて行くとウッディのカナディアンが沢山並んでいる。そこで、また、しばらく立ち話、名刺を出しながら『ありがとうございました。助かりました。で、カヌーやっておられるんですか?』 『いやいや、でもここ知ってましたから…。』と、彼の名刺を戴き、一回り大きな名詞には、リサイクルや合成洗剤追放運動・省エネ住宅等の文字『何と、私は合成洗剤の恐ろしさの実験をし、HPに載せているんですよ。Reuse(リユーズ:再使用:リサイクルより省エネで洗ったりして又使う方法)を考えたり、Eco cooking(エコクッキング:環境を考えた料理方法)などもやっています。』と、言ったことで、またまた話が弾む。
 しばらく話していたら、井手さんは、九州は佐賀の出身だと言う。何と今朝の仁田さんと言い、目の前の井手さんと言い、佐賀の人は、心の優しい人が多いことだと感心した。
 で、お礼を言いお別れして、田代さん宅をピンポンとやるが、ご不在、車が一台しかないから、お出かけは分かっていたけど、きっと土曜日だからカヌースクールへ行っておられるのだろうから、4時頃にはお帰りになられるに違いないと、奥まった突き当たりのお家で、人通りは無いので、そこの道路端に座り込んで、遅い昼食をとった。

 まだ、時間はたっぷりあるので、居眠りしたり、PCを打ち込んでいると、美人のご婦人、『あの~、主人に御用でしょうか?』 『あっ、田代さんの奥様ですか?はじめまして、突然に参りまして…。』 『今日は帰って来るけど時間は分かりません。』と、言うことで少し窓越しに話をし、名刺をお渡しし、『メールでまたお話いたしましょう。』と、別れを告げた。
 ここからなら、日野市が近い、多摩川の上流だ。そちらへGO!

 日野市に向かっての走行中、COOPの店があった。私は「COOPひろしま」の会員だから、直接は関係無いけど、やはりCOOPを使いたいが、時々、店は見つかるのだけど、早朝だったりして、今まで入ることが出来なかったので、酒や野菜を少し買っておこうと入る。うどんスープも欲しかったが見当たらず、まあ、それは、またにしよう。
 レジ嬢『カードはお持ちですか?』私の後ろに並んでいたおばちゃまのカードを『貸して!』と、言って渡す。おばちゃまも、レジ嬢も一瞬きょとんとし、カードをお返しすると、意味が分かり、おばちゃま、にっこりして、『ありがとう!』。レジ嬢が、袋を入れてくれないので、『袋、下さい。』と言うと、レジ嬢『有料で10円です。』おばちゃま『私、持ってます、あげます、あげます!』と、出してくれた。今度は、私がおばちゃまに『ありがとう!』
 どちらも善行ができて、気持ちの良い一時でもあった。今日は朝から良いことばかり。誠に幸せな一日だ。
 レジ袋は超無駄なもの、今度からは、買い物する時は、忘れないようにしよう。

 何とか多摩川の土手に着いた。丁度、川原で工事している人たちがいたので、尋ねてみると、『多摩川はずーっと下流まで川原へ降りれるところは無い、こんな工事はあちこちでやっていて、カヌーで川下りなんて出来る所はどこにも無いよ、あんなんだから、』と、そこの工事中の堰を指差した。川の水の流れを堰で止めて、その下に大きなコンクリートの塊を並べている。”OH NO!”だ。やっぱり都会は駄目じゃ~。川から水を取ることばかりして、魚の生まれる所であり、鳥や動物達に、そして、人間の成長にも必要な、大事な・大事な場所だとわきまえていない。困ったことだ。
 都会には、多くの人間が住んでいるから、水も必要になり、川がカラカラになるほど水を取ってしまっている。『あぁあ!駄目じゃな~!ここも、シャー無いけど、残念だけど、できない、ヤンピだ!』

 さて、今夜の寝所を探そう、川原が駄目なら、キャンプ場は無いかな?
 あるけど、大分離れている、でも、それに向っていると、地区のスポーツグランドがあり、そこの駐車場の周りに草地もある。『おっ、これは中々良いところがあるぞ~、ここを拝借しよう。』と、その時はまだ、少々明るく、テニスなどしてる人たちの車も有ったので、暗くなったら帰る、その頃、また来ようと近くの広くなった道路端で、PC使いながら、時間待ち。
 一寸遅くなり、8時過ぎ、もう暗くなったけど、戻ってみると、誰もいない、『しめしめ!』と入り、予定の場所に無事テントを脹れた。草のクッションが気持ち良い。

 早速、今朝戴いた「鮎」を笹の葉があれば、「あいのささやき?」を作るんだけど、でも一人身ではそれもかなわぬこと。普通の「鮎の塩焼き」をご馳になった。『うまい!うまい!超うまだ!』
 仁田さんは、「転がし」と言う釣り方で、えさが要らない方法だそうで、これなら、カヌーから糸を引っ張れば、「転がし」漁ができるかもしれない。とも思ったがごみや杭にひっかって、返ってトラブルの元にもなることは確実。一応、違反でもあるし、やはりやるまい。

《運動公園泊》

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