西野了ブログ テキトーでいいんじゃない?

日々浮かんでくる言葉をエッセイにして・・・・・・。小説は「小説を読もう 西野了」で掲載中です。

何故か三島由紀夫さんの「金閣寺」を読む?!

2023-12-26 22:03:13 | Weblog
 今日、初めて三島由紀夫氏の「金閣寺」を読み終えた。なかなか考えさせてくれるのだ。なぜ今、三島由紀夫なのか!それは某地方新聞の書評欄で平野啓一郎さんが三島由紀氏の作品の評論をしたからだ。
 といってもわたくしは平野啓一郎さんの本をまだ読んでいない!だが先日、県立図書館で彼の作品「日蝕」をゲットした。これから読むのである。平野啓一郎氏は前からその発言の鋭さに敬意を持ちつつ共感している作家なのだ。

 さて「金閣寺」である。金閣寺は京都に居たとき観たような観てないような、おぼろげな印象がある。しかし三島由紀夫の「金閣寺」はそれはもう大変でございます。これほどまで建造物に愛を注ぐ人がいるのですねぇー変態です!ところでこの作品の登場人物で例によってややこしい人が出てきますが、このややこしい人が性的関係する相手が60代の女性なのです。その60代女性がすごーくお婆さんみたいに書かれていて違うだろ!と思って、文句ブーブー。まあこの作品の初版が昭和35年ー1960年で63年前なので、その当時は60代がヨボヨボの老人だったのかな?

 僕ら学生の頃、三島由紀夫と言えばマッチョで「盾の会」という訳のわからないー制服はカッコ良かったー団体をつくって、自衛隊にクーデターを呼び掛けて失敗して割腹自殺をした保守反動の極みで変人と思われておりました(過去の出来事として、そういう評価)。でも三島由紀夫の作品を愛する人は多かったかな?

 今回初めて彼の作品を読んで、その第一印象は構造的だぁ!なのですよ。彼は東大法学部卒だった。理詰めで描写も細かくて、「ワシはいろいろ書きたいいんじゃー!」みたいな迸る激情みたいなものを感じました。彼は45年間で人生を終えましたが、あれ程の量の作品を残すのは余程書きたかったことがあったのでしょう。それから昭和という時代を物凄く感じてしまった。三島由紀夫は昭和という時代に真正面から向き合って格闘していた?まだ一冊しか読んでいないので、彼の作品をどう評価するのはこれからです。でもいろいろと呼んでみたい作家さんです。

 それから三島由紀夫の思想を単純に保守反動と思ったのは間違えていると反省。中島岳志さんの戦前の右翼改造論者や超国家主義関連本を読んで右からの革命ということも様々にあって、やはりそれは日本の思想状況にかなり影響力があるのではと思う今日この頃でごわす。だから三島由紀夫の思想が何だったのか、そのことも考えながら彼の作品を読んでみたいと思ったってことは、「金閣寺」はわたくしを動かすパワーがある小説なのでしょう。
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