
作 品 の 風 格 池 さ と し
作品を支えているもの、あるいは作品の基底に息づいているものは、ひとりひとりが微妙に異質である。
例えば、浜本美茶(ミサ)さんの典雅・格調、石井有人さんの直戴・緻密、佐々木久枝さんの天衣無縫・軽快、進藤一車さんの創意・奇趣。青葉テイ子さんの抒情、新井笑葉さんの詩情追求、一戸涼子さんの知巧というように、もう何十年も川柳を創っている人達には、知らず知らずのうちにこのような風格が沁みついている。
更にあげると、堅実・柔軟・純真・穏健・平明・明朗・清楚・快活・・不易・静謐などの特徴を、あたかも動脈血のようにとくとくと体内に宿らせているものである。
「あっ自分はこれだ。」と気付いている川柳人もいる筈だ。
さまざまなファクターによって形成された人間性、これはまさしく精神風土といってもいいだろう。
精神風土についての論は次の機会にゆずる。