綾竹台製作は完了したんだが・・・追加が・・・
3段羽根という羽根を作ることになった。
もともと綾竹台というのは、上下に分けた糸の間に耳糸(通し糸ともいう)を左右から入れ、上下を逆転させて、ヘラで叩き絞めていく。
上下逆転の際に、上糸と下糸を右に捻る、左に捻る、とか、台の右半分は右に、左半分は左に捻る、とか・・・
とにかく、捻り(ひねり)が命の組み方のようです。
したがって、羽根は最低でも2段必要なのです。
先に進むにつれ、3段、4段、と羽根の段数も増えていき、使う糸も多種類になって行きます。
糸をたくさん使えれば、より複雑な文様を紐の上に描き出せるのです。 紐の肉厚も強度も増します。
・・・羽根の製作工程は・・・
5㎜厚、30㎜巾のヒノキ工作材を使いました。 (ホームセンターで安いです)
形を決め、粗く切り出します。
そして、1枚1枚、手で成形していきます。 使う道具は、あらゆるもの・・・バンドソー、手のこぎり、ドリル、エンドミル、切り出しナイフ、ノミ、ハンドプレーン(小型のカンナ)、平やすり、丸やすり、サンドペーパー、電動サンダー、まで・・・(電動工具は無い場合には使わずともできます)
形によっては、曲線の部分あり、直線部分もあり、狭いところも、厳密なサイズ管理が必要な部分もあるのです。
ヒノキ材の粉は、鼻やのどに入ると、一種のアレルギー症状を引き起こします。 微小な鼻血が出たり、せき込んだり、目がかゆくなったり・・・意外と厄介な木なのです。
また、年輪の走り方が、正目だったり、平目だったり、斜めだったり、するし、肉質の部分は柔らかく、年輪部分は固く、ドリルの穴あけで、肉質部が崩れる、ノミを入れると割ける、など、精密な加工には不向きな材料なのです。 板の反対側が逆目(さかめ)になっていてカンナでもボロッと崩れることもあります。
木の粉と瞬間接着剤は必需品になります。
それにもめげず・・・
成形すると、こうなります。
いいでしょっ! 矢羽根の形。 もともとこの台で作っていたのは刀剣の下げ緒とか、甲冑を繋ぐ紐とかに使われていた。 それを編む(組む)台に弓矢の矢羽根の形が使われていたとしても不思議ではありませんな。
さらに、面取りをし、木固め剤を浸透させ、そして最終の仕上げと、研磨、塗装、と工程は進みます。
塗装はしないつもりだけどね。
さて、今日は、もう一組成形しなくっちゃ・・・2組も頼まれちゃったの・・・
・・・翌日・・・
2組の3段羽根について、成形第2段階を終えた。
成形第2段階とは、第1段階で形を整えるべく最終削りを終えたあと、やすりで細部の調整をします。
糸のかかる湾曲部は、木の筋が立ってるので丸やすりでざらざらをなくします。 木の筋が立ってるのでなくなりませんが・・・できるだけ平らかにします。
設計時の鉛筆の跡をサンドペーパーで消します。
角という角に丸みをつけます。 使うやすりは油目という精密やすりです。
一応触ってスベスベになるくらいサンドします。
そして木固め処理。 木固めエースというものを木に浸透させます。
木固めエースは白木の食器などの防水防腐のためなどに使われています。 表面塗装が目的ではなく、浸透させて木を固くし、そのうえでサンドペーパーをかけると、固くてスベスベの表面になります。
塗装が必要な場合は、その上から塗装します。
木固めエース・・・うすめ液がシンナーなので、塗っていると頭がクラクラしてきます。
吐き気がしたり頭が痛くなったり、体によくありません。 今日は外でやっても、やはりどうしても臭気を吸い込んでしまいました。
乾くのを待って、また、サンドペーパーをかけます。
そして完成!
サンドサンドサンド~
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