麻美は30歳だ。夫と二人の子供に恵まれ人も羨むほどの生活を送っていた。
「これでいいのだ」
迷いがある時、麻美はこう言って自分を慰めた。
それで納得するかに思えたが、
「いいや、これでは自分の人生に納得できない」
こんな考えが頭をもたげてくるのだった。
「納得できない、特に女としての人生が。お金に困らないからすばらしい人生なのではない。要は自分の生き方に納得できるかどうかだ」
麻美は自分の人生をこう結論付けたのである。
「夫は優しくて非のない人だ。だが、女心を燃やすような人ではない。」
麻美は夫にこの部分だけ不満を持っていた。
ある週末、麻美は高校時代の同級生で貧乏画家の田中幸弘に電話をして自分から愛を求めた。
「高校時代ずっとあなたか好きだったの」
この麻美の言葉に、
「ぼくのアトリエに遊びに来るか」
と田中は麻美を誘った。
麻美の頭の中には、
「夫と子供の事などなかった」
あるのは、
「燃えさかる女の情念だった」
麻美は女を捨てきれなかったのだ。
「これでいいのだ」
迷いがある時、麻美はこう言って自分を慰めた。
それで納得するかに思えたが、
「いいや、これでは自分の人生に納得できない」
こんな考えが頭をもたげてくるのだった。
「納得できない、特に女としての人生が。お金に困らないからすばらしい人生なのではない。要は自分の生き方に納得できるかどうかだ」
麻美は自分の人生をこう結論付けたのである。
「夫は優しくて非のない人だ。だが、女心を燃やすような人ではない。」
麻美は夫にこの部分だけ不満を持っていた。
ある週末、麻美は高校時代の同級生で貧乏画家の田中幸弘に電話をして自分から愛を求めた。
「高校時代ずっとあなたか好きだったの」
この麻美の言葉に、
「ぼくのアトリエに遊びに来るか」
と田中は麻美を誘った。
麻美の頭の中には、
「夫と子供の事などなかった」
あるのは、
「燃えさかる女の情念だった」
麻美は女を捨てきれなかったのだ。