Seiji Ninomiya (二宮正治)

Let me tell "JAPAN NOW"

二宮正治の短編小説 若者物語 太郎の青春日記 第37回

2011-02-05 02:22:15 | 日記
 昭和四十九年夏、太郎と仲間達は谷川温泉で大宴会をした。最初は谷川岳登山をもくろんでいたが、
「素人には無理」
 という意見にみんなが傾いたのだった。
「温泉につかって飲めや歌への大宴会となったのだ」
 太郎は即興で、
「ありがたや、東洋大学のねえちゃんの深情け。いつも感謝をしています・・・・・・」
 と即興で歌を作って聞かすと大いに受けた。
やがて、みんな酔いつぶれて寝てしまった。太郎も同じくである。
 夜中、太郎は自分の首筋が生暖かいのにびっくりして目が覚めた。女の子が太郎の首筋
にキスをしているのだ。
「だれだ、この女の子は・・・・・・・・」
 太郎はまだ酔いが残っている頭で記憶を探り始めた。
「そうだ途中でおれ達の宴会に参加してきた女の子だ」
 女の子の愛撫はだんだん激しさを増してきた。
「どうしよう・・・・・・・・」
 太郎は心配になったが、どうすることもできない。