私のブログの検索状況を見ると、結構昔の記事も読まれています。
今日は、この記事が読まれていましたので、再掲します。
辻潤の生き方を見ていると、自分のことのように思え
そら怖ろしくなる。私は 酒に溺れないだけ マシだが、
性格は似ている。
辻潤は、知らずのうちに「ダダイスム」の教祖となり、
信奉者も集まるようになった。
辻は、大杉栄ら共産革命家に 同情はしていたが、
みずから行動することは無かった。警察に捉えられ、
「貴様は共産主義か!」と問われた時、「はい、
降参主義です」と答える駄洒落(だじゃれ)を持ち
合わせていた。
「無為無作、無所得、酔生夢死」を標榜し、隠遁者か
廃人のように思われているが、辻の「後援会」には
佐藤春夫・武者小路実篤・北原白秋・谷崎潤一郎
などが名を連ねているのだ。多くの人が、彼の生活を
支えていた。
辻が精神病院に入院していた時のエピソード。
辻が 日向ぼっこをしていると、 雀が飛んできて
辻の肩に止まったという。釈迦にも同種の話が
あり、狂人や聖者が、完全に無私、無我の境涯に
なれば、小鳥たちも安心して近づいてくるという。
私も無心で尺八を吹いていたとき、シジュウカラが
部屋の中に飛びこんできて 私の肩に止まったことが
ある。