現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

筝曲「六段」はグレゴリオ聖歌「クレド」のパクリか? (2)

2011-04-21 11:12:38 | 虚無僧日記
先日、NHK「音楽の泉」で、「六段とグレゴリオ聖歌の
クレドが完全に一致する」という話が放送された。日曜の
朝とあって、邦楽家の方も何人か聞かれていたようだ。

「六段とグレゴリオ聖歌」で検索すると、800件以上も
出てくる。が、大半は CDの紹介。今年3月30日に
日本伝統文化振興財団から発売されていたのだ。それで、
NHKラジオでも 旬の話題 として取り上げられたか。


CDタイトルは『 筝曲「六段」とグレゴリオ聖歌「クレド」』
副題は「日本伝統音楽とキリシタン音楽との出会い」
箏の演奏は 「野坂操壽」。 解説と指揮は「 皆川達夫 」

「皆川達夫」で検索すると 1,000件以上もあり、バロック音楽や
グレゴリオ聖歌だけでなく、謡曲など日本の音楽にも造詣が深く、
すごい人気の高い先生と判る。なんと「慶応高校の講師」も
されていたとのこと。私が進学する前年に辞められている。


さてさて、箏曲の「六段」がグレゴリオ聖歌の「クレド」と
同じだという説。両曲を同時に演奏したCDを聞いた人は、
皆一様に「すごい、ぴったり」「全く同じだ」と感動している。

が、私の耳がおかしいのだろうか。私には、とても同じには
聞こえない。「『六段』の伴奏で『クレド』を歌ってみて
ください」とお願いしたら、ホントに歌えるのだろうかと
思うのは私だけか?。

そもそも、江戸時代初めに『六段』があったかも疑問なのである。
当時、あったとしても、曲調は現代のものと全然ちがっていた。
それは、信州松代藩に伝わった「八橋流筝曲」の伝承者「真田志ん」
さんの『六段』や「琉球箏」の「六段菅垣」、そして「糸竹初心集」
に記載された譜面から、当時の『六段』がどんなものだったかを
検証する必要がある。琉球の『六段』が原型ではないかという説も
ある。琉球の『六段』は「呂音階」で「平調子」ではないとも。

つまり、現代の『六段』と比較しても意味がない。たまたま
拍子数が一致したというだけでしかない。

ただ 言えるのは、「近世になって突如『平調子』という
ミファラシドの音階が生まれる。この音階が、グレゴリオ聖歌の
影響ではないか」というこを、もっと検証してもらえれば、
私も納得がいく。



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1 コメント

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まがいもの (Spf)
2017-06-28 17:26:15
皆川先生の説はどれも神がかっています。珍説に過ぎません。六段とグレゴリオ聖歌が同じに聞こえるのは、坪井三恵と皆川達夫とその弟子筋だけでしょうね。
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