現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

「ザマミロ」を撤回

2013-07-31 22:42:50 | 虚無僧日記
7/31 中日新聞 「エッセー・心のしおり」

「尾崎俊介」?。一向に存知あげませぬな。
慶応大学院卒で「愛知教育大学」の仏文学教授とか。

今年2月『S先生のこと』という本を「新宿書房」から
出版し、それが「第61回エッセイスト・クラブ賞」を
受賞したとか。

『「ザマミロ!」を撤回』という過激なタイトルに
ひかれて読んでみやした。

エッセイの「S先生」とは、米文学者の「須山静夫」先生。
筆者の(慶応時代の)恩師だそうですが、知りませんな。

さて、その「S先生のこと」を書いて、原稿を出版社に
送ったが、ことごとく断られた。その理由は、
「これは、私的な随筆にすぎない」
「工夫がない」「ジャンルが曖昧」
「須山静夫という人は、それほど有名ではない。
あなた(尾崎俊介)は なおさら有名でない。
有名でない人が、有名でない人のことを書いたものなど
売れるわけがない」・・・・と。

だが、最後に「新宿書房」のM編集長が「うちで
ひきうけましょう」と言ってくれ、ようやく出版できた。

それが「エッセイスト・クラブ賞」に輝いたのだから、
多少傲慢になって、M編集長に「他社の(編集長)の目は
節穴でしたね」などと口にしたら、M氏は「いや、
あなたの原稿を断った編集者たちの判断は、みな
それぞれに正しい」と。

そう言われて、受賞の知らせを受けた時、一瞬出た
「ざまみろ」の言葉を撤回。

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この話は、私も考えさせられました。実は私も
ある零細出版社の社長をやらないかと、持ちかけ
られたことがありました。半年だけでしたが、
関わってみて、その大変さを体験しました。

当時「海越出版」というのが『1リットルの涙』を
ヒットさせ、大儲けした話を聞いて、一攫千金を
夢見たのですが、ベストセラーになるような作品を
見出すことは至難の業です。出版しても売れないと
返本で 倉庫はたちまち満杯。結局、「海越出版」も
私の会社も倒産しました。負債額8,000万。


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