現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

義足でも

2011-08-29 09:45:27 | 虚無僧日記
世界陸上選手権で、両脚が義足のランナー「オスカー・
ピストリウス選手」
(南アフリカ)が、男子400m
予選に出場、3着になり、準決勝に進出。その快挙に
声援と波紋を呼んでいるそうな。

弾力性のあるカーボン繊維製の義足の効果が問題視
されているのだ。「そんなに良いものなら、健常者も
靴の底につけたら」と思っても、それは禁止されている。

本人は、「健常者と同じレースで走ることが夢だった」と、
相当の努力と訓練をつんできた成果を熱く語っている。


名古市内のとある中学校の運動会を見にいった時のこと、
各クラス対抗リレーがあり、全員参加のレース。
B組には、片足の無いS君が居た。松葉杖をついて
出番を待つ彼の姿を見た時、誰もが「B組はドペだな」
と思った。

ところが、ところがである。両腕に松葉杖を抱えて走る
そのスピードに 皆仰天した。松葉杖を大きく前に出し、
片足で蹴って、跳ぶが如く走る。なるほど、松葉杖を突き
出す幅は、健常者の歩幅の倍以上もあったのだ。

観衆は驚喜して彼の走りに声援を送った。そのクラスの
チームメイトも、力を振り絞って、猛然と走った。結果、
予想をひっくり返してB組が優勝したのだ。

あの興奮は、今でも伝説となっている。そういえば、
朝、時折彼の姿を見かけていた。1㌔以上も離れた
自宅から中学まで、友達は自転車で通学しているのに、
彼はその横にピッタリ着いて、松葉杖で走っていた。

時には、松葉杖は友達の自転車に預けて、片足で
ケンケン走っていた。そんな努力を積み重ねての
結果だったのだ。

つい最近も、彼をみかけた。義足だろうか、障害者で
あることを気づかせない、明るい笑顔の好青年に成長
していた。

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