「一所不住の者」つまり、「住所不定の者」の中に「虚無僧」も。
「住所不定の者の宗旨を明らかにせよ」というお触れと、
「一夜の宿を貸してはならぬ」つまり「泊めてはいかん」というお達し。
「名古屋叢書」第3巻 法制編(2)
p.389 「当町(赤塚町)に罷り在り候 一所不住之者之覚え」
万時2年(1659)
道心者、 商いをやめ候者、念仏まうし、行人、陰陽師、いんない、
神子、堂守、猿引き、ことふれ、こも僧(虚無僧) 、謡舞教え候者
ごぜ、比丘尼、座頭、ささらすり、えた、茶筅つくり、はちひらき
このほかにも 右の類のもの共、その町の町人と五人組合 仕り
罷り有り、宗旨の詮議いたし候ものは、その通りにて差し置くべき候。
常々宗旨の儀 穿鑿(せんさく)仕り、あやしきもの之れ有れば、早速
可申出候。
幾里志丹(キリシタン)は申すに及ばず、宗門疑わしき様子の者を
存じながら、隠し置き、申し出ず、外(ほか)より顕(あらわ)れ候ばは、
ご詮議の上、その町の町代、組頭、ならびに町人ども 品により
曲事に仰せ付けらるべく候事。
一 右の類の者ども 一夜の宿も一切仕らず候様に可申付候。
併(しか)し 右の類の内、たしかなる者にて、所に指し置きたき
仔細これ有らば、その赴き 可申来候事。