【リングから見た日本人の品格:流血の悪役レスラー67歳が語る古き良き日本人・アブドーラ・ザ・ブッチャー(プロレスラー) 取材構成=小林照幸】文藝春秋抜粋
馬場とは長いつきあいになった。毎晩、メインイベントでハードな戦いを繰り広げたが、あの巨体から繰り出されるチョップ、キックの威力は実際に喰らった者しか分かるまい。馬場が日本プロレスから独立して全日本プロレスを設立したとき、ちょっとしたエピソードがある。彼が独立を決意する直前、私はザ・デストロイヤー、テリー・ファンクなど、外国人レスラーの中でも人気があった連中を集めて、馬場をサポートしようと決めたことがあった。リングの外での馬場は非常に誠実な男だったし、日本テレビのバックアップもあったから彼を支持したのだ。
(中略)
(アメリカナイズされすぎた日本)
それにしても、なぜ日本は変わってしまったのだろう。私が思うに、日本は外国のあらゆるものを取り入れすぎてしまったからではないだろうか。特にアメリカナイズされすぎてしまったように感じる。世界各国をプロレスで回ってきた経験からそう思うのだ。
テレビをつければすぐ分かる。アメリカ人のように踊って、アメリカのポップスのような歌をうたう日本人ばかりではないか。どこに日本人らしい歌をうたっている人がいるのだ。以前はもっと日本的な歌が聴こえてきたはずなのだが。
誤解して欲しくないが、私はアメリカナイズが悪いと言っているわけではない。日本人がアメリカのスタイルを取り入れすぎてしまうと、日本人らしさを失ってしまうのではないか、と言いたいのだ。日本人にはジャパニーズ・スピリットを忘れて欲しくない。
若者はアメリカの悪い部分ばかりを真似している。かっての日本人はいつもきちんとした服装で外出していたし、カップルも街を歩くときは少し離れて歩いていた。それがいまはどうだ。手をつないでイチャイチャしながらあるいているではないか。道端でキスをしているカップルさえいる。日本人は黒髪なのにピンクやグリーンに染めてる若者もいる。黒人になりたいのか、褐色に日焼けして、髪もアフロフヘアで、服からチェーンを垂らしている男もいる。派手な服装で肌を見せている女も多い。私は女性がそうした格好をするのはあまり好きではない。女性は多くを見せてはいけないものだろう。少しだけ見せて、あとは男性に想像させないと。
サブタイトルで
(九歳のとき路上で新聞売り)(簡単な仕事などない)(親や年長者を尊敬しろ)(一生、現役でいたい)とつづく。
かってプロレスは、テレビのゴールデンタイムを占領したり、夜の9時、10時代でもやっていて結構視聴率をとっていた。Always三丁目の夕日に出てくる、近所が皆集まってのプロレス観戦の現場にも小父さんは居た。力道山対ルーテーズ戦なんて確かNHKで放送していたのじゃないだろうか。アブドーラ・ザ・ブッチャーは、力道山が亡くなったあとの1970年に29歳で初来日、通算130回以上だという。ところが、彼が、日本の若人へ贈る言葉は、日本人の年寄りよりまだ日本的だ。アメリカから見ればこそ、その変貌が分かるのだろう。こうも言っている。「日本人は勤勉なのに、多くは60歳で退職するというではないか。少し早すぎると私には思えてならない。」いやー、小父さんもブッチャーに一発パンチをくらってしまった。
時代の流れだから誰も止められないと思います
見通しは暗いようですね
最近のはどうも...
刺青だらけのヒトがゴールデンタイムや大晦日に、馬乗りになってパンチ浴びせたりするのはチョットみれません。
福岡では、福岡国際マラソン、大相撲九州場所、そしての西鉄ライオンズの三つが誇りでしたね。