しのぶwaves

有馬忍 ライブ情報 日々記

ネコのモップ 33

2005-11-21 23:14:17 | ★☆ライブ情報☆★
モップがやるせなくてしょうがなくなるのが、冬の訪れを長い尻尾で感じる11月の末、部屋のお気に入りのイスに朝一番に飛び乗っても、つれない太陽がしっかりと暖めてくれない事を知った日だ。それが、今日。
冷たいイスの上でしばらく考えていたが、窓の外の暖かそうな木の枝を見つめているうちに、すごくステキな事を思いついたのだ!「モップ!モップ!おいで、ごはんよ!」う~ん、いいにおい、飼い主のパメラさんは猫が大好き。今日の朝ご飯はとれたてのマグロのぶつ切りだ!とにかく、腹ごしらえ。
その後、一日中モップの頭の中はその計画のことで一杯だった。それは、食べる事と、寝る事が大好きなモップにはあり得ない(失礼)勇気に満ちたヒラメキだったから。モップはイスから1メートル程離れた窓辺にフワリと飛び移ると、我ながらなんて美しいジャンプなんだと前足を舐める。いつもパメラさんがやるように、開き戸の鍵を舐めた足先で機用に下げると、その鍵に捕まったまま開いた扉の外へ飛び出した。

エルマ姫とバスタス王ー32

2005-11-18 14:49:43 | ★☆ライブ情報☆★
王様が2人に送ったものは、宇宙の扉を開く小さな鍵でした。
王様のささやかな感謝の気持ちが、銀色の?型の鍵に込められていました。
シドの国は宇宙に広がるドシの国として、誰からの侵略を受けることなくすべての人々の夢を紡ぎだす王様の枕によって、いつまでも生き続けていけるのです。
2人に送られた宇宙の鍵は、2人にしか使うことが出来ません。王様が言いました「わたしはそろそろねむらにゃならん・・(あくび)そんでもって、ふぁ~・・一つだけ云っておくが、その鍵は未来を想像し現実にする力を秘めておるんじゃが、
悪いやつらの手に落ちたら大変危険じゃからな。わかる・・・・か・・・なあふぁ~・んごー・・・・」と、いったまま、青色の枕の中にフワリと倒れこんだまま、2度と目を覚ますことはありませんでした。

エルマ姫とバスタス王-31

2005-11-06 22:27:21 | ★☆ライブ情報☆★
2人は、星が連なる新しいドシの国をうっとりといつまでも見つめていました。
人々はこの無重力の世界で、心と身体とが一つになって王様の眠りを支える森となり新しい酸素を送り出す命の源流となって宇宙に流れ込んでいきました。

ふと気がつくと、バスタスの姿はたくましい青年に、そしてエルマーちゃんは美しい女性に成長していました。2人は互いに気づいて、握り合った手を一瞬離して見つめ合いました。「バスタス?あなた・・」「エルマー?君は・・」

その時ドシの国の森では、王様が眠りの中で、喜びの瞬間を分かち合うような、ステキな催しを想像していました。
王様をてっぺんにしたもみの木がユラユラと身体をゆすりながら、2人を高く高く枝から枝へ持ち上げて、もみの木の一番てっぺんまで導きました。

11月の木

2005-11-06 21:53:24 | ★☆ライブ情報☆★
美しく咲き誇る11月の木々が、赤、黄色、茶色、と重ね合わさる日々の熟練に、研ぎ澄まされた色合いを紡ぎ出す。私が、ほんのささいなことで泣いたり笑ったりする瞬間もあの人は逃さずに思い出の一こまに封じ込めてしまうのだ。だから、私はその一こまから、ほんの少しだけ飛び出たいがための努力をしながら、自由とゆう尊大なイメージに焦がれる子供のように、平凡な美しい日常を吟味する。

エルマ姫とバスタス王 30

2005-11-05 20:05:21 | ★☆ライブ情報☆★
シドの国の人々は皆無事にドシの世界に到着しました。シドの王様も無重力のドシの国では、プカプカと身体を浮かしたまま安らかな眠りの中です。王様を囲むようにしてシドの人々は新しい国をこれから立て直していかなければなりません。無限に広がるドシの国は、無数の星が集まって出来た光輝くドーナツのように、王様を中心にしてくるくる回り始めました。エルマーちゃんとバスタスも一緒になって回りながらどんどんスピードが速くなって行く中、しっかりと手をつないでおりましたが・・ついに王様をてっぺんにして高々と壮大な、星くずのもみの木が出来上がりました。赤や青色の星を頭につけた人々がもみの木の枝に分かれて、住み心地のいい家を作り始めました。すると、何処からともなく美しい声で歌う詩が聞こえてきました。

    トランタン タラリーノ
    新しい言葉で トランタン
    耳を傾ければ タラリーノ
    あなたとわたしが 始めて会った
    あの日は きっと トロターニャ
    
    トランタン タラリーノ
    いとしい国で トランタン
    歩く歩幅が タラリーノ
    前に前に 進んで行くと
    その日が きっと クルターサ