港
遠くの窓に明りが見える
胸いっぱいに熱くなる 鉄の輪
壊れた階段を登ると
色褪せたドアがみえるさ
二度と航海しない船の舵
見つめる船長さん年老いても
壊れた階段を登れば
色褪せた窓越し 晴れ渡る 港
生きる港が動く
横浜生まれの航路に
使い古されて 死んだ言葉を
何度も唇で噛みながら
新しく味わう貨物船
積まれた命を運んでいく
遠い空から差し込む神の
胸いっぱいに熱くなる 鉄の輪
壊れた階段を下りたら
色褪せた世界に生きるのさ
一度ならずの二度の旅
貴方に負わせた 鉄の環
壊れた階段を登ると
色褪せた沖ごしに陽は落ちる
眠らぬ港が生きる
横浜生まれの街道
使い古びたビルと 死んだ仲間
何度も笑って 口ずさむ
生まれて死んでく歌のように
流れて去ってく命の貨物