しのぶwaves

有馬忍 ライブ情報 日々記

ポッチちゃんの夏休み(その2)

2007-03-02 18:52:46 | ★☆ライブ情報☆★
テッタおばさんが思うには、ポッチちゃんのお母さんは生きているのです。
お母さんの名前は、マルイーといいます。テッタおばさんの2歳年下の妹です。
なぜ生きているのかと言うと、、
あの夜、マルイーが乗った船は港から出港後突然姿を消したからでした。
テッタ叔母さんはあの日の朝、マルイーを港まで送り届け、
船が港から白波を立てて地平線へ消えていくのを見送るために、
桟橋のその突端に立って、見つめていたのです。

嵐はその船が消えてから、やって来たことを島の人々は知っていました。
なのに、何故その事を誰も口にしないのか?テッタさんは、解る様な気がしました。

それは、テッタが10歳、マルイーが8歳の夏休みでした。
2人は海岸に出て、打ち寄せる波が運んで来るプレゼントを集める競争をしていたのです。テッタさんが10個の美しい貝殻をポケットいっぱいに詰め込んだ頃でした。ふと気がつくとマルイーの姿が見えません。
心配になってテッタは何度も名前を呼びました。すると、腹減り湾のへこんだお腹あたりの岩場から、マルイーの声が聞こえてきました。

「姉さん!こっちよ、見て、すごいもの見つけた!」

テッタが駆けつけると、岩と岩の合い間を覗き込むマルイーが、白い紙切れを右手に振りながら、今にもその狭い洞窟に入り込もうとしている所でした。

「マルイー!待って、私も行くからそこに居て!」
マルイーの真っ赤なほっぺたが、真昼の太陽に焼かれないように、そこはとても素敵な場所に思えて、テッタはマルイーの手を取ると2人がやっと歩ける程の狭い洞窟に入って行ったのです。

「姉さん!砂浜に、このビンが流れてきたの。その中のお手紙よ」

テッタがその手紙を見ると、見たことの無い文字が並んでいました。

「何この字、全然読めないわ!きっと誰かのいたずらよ。なぜ、この洞窟を見つけたの?」

「え?姉さんたら、この字が読めないなんてどうしたの?ほら、よく見て姉さんがいつも教えてくれる、Aから始まってる」

それは、こんな内容だとマルイーは言いました。

   アーモンドが好きな君なら、すぐ解る。
   腹減り湾の一番お腹が空いてるその中に、
   悪魔が眠る墓がある。
   けっして、開けないように気をつけて、
   その方法を誰にも言わない約束しよう。   
   もしも、君が忘れてしまったら、
   思い出してこの歌を、世界中の誰よりも
   君だけが一番先に。

      モンキーチップス、お耳を塞いで
      モンキーチップス、お口を閉じて
      モンキーチップス、お目目を閉じて

      モンキーチップス、四次元チップス
      大事な世界を守るため。