しのぶwaves

有馬忍 ライブ情報 日々記

11月のお話は?

2010-11-16 22:11:35 | ★☆ライブ情報☆★
尻切れトンボでいいですか?「いいよ」


では、今夜はとても長いお話を一つ。。


何処かの国に、眠れないお姫様がいました。そこで、もしも安らかに眠らせてくれるなら

結婚しても良いという御触れを出しました。


お姫様の国はそれはそれは豊かな国でありましたので、お金に困っての事ではありません。

お姫様はとても美しい人でしたのでそれを聞いた人々は、我こそはとお城に向かいました。

魔術師は怪しい魔術で、詩人は美しい歌で、医者は薬で、お姫様を眠らせようとしましたが駄目でした。

何故でしょうか。

お姫様は知っていました。

どんな魔術でも、どんな言葉でも、どんな薬でも、眠れない訳を。

お姫様のベッドの下を覗けばすぐに判ったのです。

そうです。誰にでも。

お姫様はついに病気になってしまいました。毎日のように国中の人が尋ねてきましたが、

一年が過ぎ、二年が過ぎても、長い眠りにつけないお姫様をただ見守るばかりでした。


ある町はずれに、貧しい暮らしの若者がおりました。

お父さんは靴屋でしたので、若者も物心つく頃から見よう見真似で靴を作り始めて、今では年老いたお父さんを

養いながら一日中靴を作っては、壁の棚に並べていきます。

そして、最後の棚の隙間に靴を並べ終えた若者は、おもむろに立ち上がるとお父さんに言いました。

「父さん、これで当分の間は靴を作らないでも生活ができるからね。僕は少し長い旅がしたくなったよ」

息子はお父さんから、一枚の金貨を分けてもらいすぐに出かけていきました。