体中に毛が生える季節だから、私は気づく。
月夜だけ、生えるから、今までは気づかずにいた。
でも、やはり来るときが来たのだ。私は人間から脱皮したかのように、
体中毛だらけの怪物になってしまった。美しい灰色の毛に覆われて私は、
家の窓から、飛び出した。
12月、暖炉に火をくべる母の背中を見たのは一瞬の幻だ。
ジャングルでウサギを追いかけた、慣れない狩だけど猛烈な乾きと空腹で
解放された血が心臓をかき乱している。朝を見る丘で、私は吼えた。
遠い荒野に向かう道へ導く、あなたの応答が山々の峰と峰に共鳴しながら届くまで。
理性が失われていく、かと思えば、又、新しい理性が宿るようだ。
思い出が早回しのビデオテープのように巡っていく。
いったい、どこまで巻き戻せばそこにたどり着くのだろうか?
岩山のふもとで幼い頃泣いていた。冷たい雨で小さな体が濡れていた。
そうだ!ここで私は生まれたのだ。なぜ、私は今まで人間だったのだろう?
それとも、まだ、人間の心のまま私は今生きているのだろうか?
姿形は昔読んだ童話から抜け出した狼だが・・昔読んだ童話という言葉は、
人間のままということだ。おかしい、私は狼少年ならぬ狼女に変身したというのか?
12月のある日、雪が降るように雲は重たくこの世界を包みこんでいた。
私は小さな部屋で眠い目をこすりながら、待っていたのだった。
雪の一片を一番に見つけるためだけに。勲章にように手のひらに残したいから
窓を開けて、いつまでも空を見つめていた。そして、気がつくとこの洞窟に居た。
10年も前になるのか・・そして、私は貴方に会ったのだ。
12月の歌を歌いながら、貴方は私をさらってきたのだ。
熱い毛皮の匂い、長い耳、赤い舌、銀色の瞳、すべてに魅せられた。
狼に育てられた娘のうわさを聞いて、町中が山に押し寄せた。
母はなんども父に言った。「今度こそあの子を連れてかえって!」と
月夜だけ、生えるから、今までは気づかずにいた。
でも、やはり来るときが来たのだ。私は人間から脱皮したかのように、
体中毛だらけの怪物になってしまった。美しい灰色の毛に覆われて私は、
家の窓から、飛び出した。
12月、暖炉に火をくべる母の背中を見たのは一瞬の幻だ。
ジャングルでウサギを追いかけた、慣れない狩だけど猛烈な乾きと空腹で
解放された血が心臓をかき乱している。朝を見る丘で、私は吼えた。
遠い荒野に向かう道へ導く、あなたの応答が山々の峰と峰に共鳴しながら届くまで。
理性が失われていく、かと思えば、又、新しい理性が宿るようだ。
思い出が早回しのビデオテープのように巡っていく。
いったい、どこまで巻き戻せばそこにたどり着くのだろうか?
岩山のふもとで幼い頃泣いていた。冷たい雨で小さな体が濡れていた。
そうだ!ここで私は生まれたのだ。なぜ、私は今まで人間だったのだろう?
それとも、まだ、人間の心のまま私は今生きているのだろうか?
姿形は昔読んだ童話から抜け出した狼だが・・昔読んだ童話という言葉は、
人間のままということだ。おかしい、私は狼少年ならぬ狼女に変身したというのか?
12月のある日、雪が降るように雲は重たくこの世界を包みこんでいた。
私は小さな部屋で眠い目をこすりながら、待っていたのだった。
雪の一片を一番に見つけるためだけに。勲章にように手のひらに残したいから
窓を開けて、いつまでも空を見つめていた。そして、気がつくとこの洞窟に居た。
10年も前になるのか・・そして、私は貴方に会ったのだ。
12月の歌を歌いながら、貴方は私をさらってきたのだ。
熱い毛皮の匂い、長い耳、赤い舌、銀色の瞳、すべてに魅せられた。
狼に育てられた娘のうわさを聞いて、町中が山に押し寄せた。
母はなんども父に言った。「今度こそあの子を連れてかえって!」と