木村 和美 Architect

建築家木村和美の日常活動とプロジェクトについてのブログ

日本の住宅は環境対応型?

2007-01-21 00:36:49 | Weblog

アル・ゴア元アメリカ副大統領が出演した環境ドキュメンタリー映画”不都合な真実”が評判を呼んでいる。先日公開に先立ちゴア自身が来日し舞台挨拶をしたと言うが、この映画は彼の1000回に及ぶ講演活動と地球温暖化による恐ろしい環境破壊についての記録である。彼は1970年代からの環境問題の論客であるが、共和党ブッシュ政権は先進国で合意した京都議定書に賛同しなかった。

環境問題と言えば、我々の仕事である日本の住宅は果たして環境対応型だろうか?
環境対応型住宅の条件を判りやすくあげてみると
1.省エネルギー住宅(自然エネルギー利用、太陽熱等)
2.耐久性、耐震性に優れたもの(長持ちすること)
3.断熱性、通気性に優れたもの(気密性がありかつ換気が良いこと=快適性)
等が上げられる。日本の伝統的な家屋や最近の木造住宅はこの観点から見ると、残念ながら環境対応型とは言いにくい。土蔵造りなどは条件を満たしているが、一般的な都市型住宅に適切なものとは言えないだろう。又集合住宅では、マンションのバルコニーにずらりと並んだ空調の室外機や、ワンルームマンションの仮の宿感覚を見ると、どうも現在の日本の都市や住宅の状況は環境に配慮しているとは言えないのではないかと思う。

若い人達が、各国のロハス商品や健康食品をネット販売する”ロハス・ジャパン”と言う会社がある。ドイツパンやアップルパイ、ベビー用品などを扱っているが環境対応型住宅としてスコットランドの住宅(スコテッシュ・ハウス)を建設販売しようとしている。私もそのプロジェクトに協力をしているが、調べるほどに上記の環境対応3条件を満たしているのに驚いている。
外壁は、スコットランドで加工した人工石であるが、内部はツーバイフォーの木造で中間に空気層が取ってありこれが通気性や断熱性を高めている。しかも石であるから耐久性は申し分なく、ツーバイフォーの耐震性能は神戸の震災で実証されている。早くモデルハウスを造りたく賛同者を探している状況だ。下記の写真は其の一例であるが内容について知りたい方、興味のある方はロハスジャパンホームページを是非ご覧ください。
http://www.lohass-japan.com/



ゴア氏の提言を待つまでもなく環境問題はすぐ着手すべきことが多いが、多分住宅の問題は一番身近な問題であり重要な課題となるだろうと思う。

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1 コメント

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環境問題…色々考えさせられます (ルビーの森)
2007-01-23 06:43:19
身近なところから皆で取り組めるような…文化づくりが大切なのでしょうか?環境に良い住宅にすむことがトレンディー…というような。

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