新イタリアの誘惑

ヨーロッパ・イタリアを中心とした芸術、風景。時々日本。

パレードには怪物や仮面も登場ーーサッサリ

2017-10-03 | サッサリ・サルディーニャ
 このパレードの中には、華やかで美しいものだけではなくちょっと恐ろし気なものも登場する。

 長い角の生えた、野獣らしきものの一群が現れた。

 路上に火を焚いて、

 その周りを、叫び声を上げながら走り出した。狩猟場面の再現なのかも。

 外見は恐ろしそうだが、よく見るとこの人は可愛らしい少女!

 そのうち、一群は火の回りに立ち止まり、

 角の仮面を脱いで、地面に置き、立ち去って行った。

 また、しばらくすると別の仮面集団が現れた。
 観客の中の的を密かに狙って、

 その的をめがけて縄を投げ始めた。

 もちろん、縄はすぐほどくのだが、しばし観客たちも騒然となった。

 そんな中、実に愛らしい少年も縄投げに挑戦。この子には縄をかけてもらいたいという観客の声も飛んでいた。

 サルディーニャは、近代まであまり他地域との交流は活発ではなかった面もあり、それだけこの地方独得の風習がまだ残っているといわれる。

 こんな話もある。

 イタリアでは20世紀まで全国各地で悪性のマラリアが流行し、1つの町が滅びるほどの多くの犠牲者を出すことが何度もあった。

 しかし、ここサルディーニャだけは例外だった。というのは、この地域には特有の遺伝病「地中海性貧血」(タラセミア)が存在した。
 悩ましいことだったが、一方ではこの疾患が逆にマラリアには強い抵抗性を示す特質があり、結果的にはサルディーニャではマラリアの流行は抑えられた、という歴史がある。


 
 
コメント
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