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米海軍の「悪夢」を現実にしたウクライナ無人艇群の軍艦撃沈#2024.02.10#Eric Tegler

2024-02-11 16:11:00 | 連絡
ウクライナ国防省の情報総局が先週、クリミア西部で水上ドローン(無人艇)によってロシア海軍のコルベット「イワノベツ」を撃沈したとする動画
を公開した。
ウクライナによるこの戦果は、米海軍の対ドローン(無人機)防衛のリスクや、ドローンによる攻撃の可能性を高めるものでもある。

ウクライナはロシア黒海艦隊の艦艇を次々に破壊し、ウクライナ南部の港に寄せ付けないことにある程度成功している。
ウクライナ、黒海で7隻目の大型軍艦爆破 「ロシア艦隊は小さくなる一方」
https://forbesjapan.com/articles/detail/68287
Ukraine’s GUR says it sunk the Russian Ivanovets Project 12411 Molniya-class corvette / missile boat with naval drones last night. 
A prominent Russian voenkor also said it sank. 


その結果、ウクライナ南部からアフリカやその他の地域に向けて出港できる穀物輸送船が増え、収入源となる穀物輸出を回復させている。
ウクライナ側がロシアの艦艇を水上ドローンのような非対称的な手段でさらに撃沈したり、深刻な損傷を与えたりすれば、ロシアは水上艦を危険にさらすのをますます嫌がるようになるかもしれない。
AP通信によると、ロシア当局は今回の攻撃について確認もコメントもしていない。
英国の海上警備会社アンブリーは、通常300kgの爆薬を積む水上ドローン最大6隻が攻撃に使われたと分析している(編集注:情報総局のキリロ・ブダノウ局長はのちに、攻撃には「マグラV5」と呼ぶ水上ドローンを複数用い、6隻がイワノベツに直撃たとメディアに語っている)。
 情報総局は声明で、イワノベツは「移動が不可能になるほどの損傷を受けた」とし、それによってロシアはおよそ6000万〜7000万ドル(約89億〜100億円)の損害を被ったと主張している。
 その主張が正しさはさておき、6隻あるいはそれ以上の水上ドローン群によって、それよりも桁外れに高価な艦艇が撃沈あるいは無力化されることは、現実に起こり得る。
米海軍もこの問題を認識していることは、各艦艇に中距離防御システムや近接防御システムを搭載していることや、大量の水上ドローンの取得を計画していることから明らかだ。
目立たぬながら、米海軍は2021年にドローン問題への対処策として、米ノースロップ・グラマン製の対ドローン電子戦システム「DRAKE」をすべての水上艦に導入している。
フリゲートから航空母艦まで、米国の軍艦はこのほか、レーダー誘導方式のファランクス近接防御火器システム(CIWS)を以前から装備している。
 ファランクスは、自動で毎分最大4500発射し、有効射程約3.7kmとされる20mm機関砲などから成る。
CNNによると、米海軍のミサイル駆逐艦「グレーブリー」は先月末、イエメンの反政府勢力フーシ派が紅海に向けて発射したミサイルを、自艦まで「1マイル(1海里=約1.85km)以内に迫ったところで」ファランクスによって撃墜している。
 米海軍はドローンや水上ドローンの脅威に対処するために、レーザーや高出力マイクロ波(HPM)を目標に直接照射する「指向性エネルギー兵器」の実験プロジェクトも加速している。
米海軍の艦艇は20年以上前からペルシャ湾や紅海で無人艇や有人の小型ボートの脅威にさらされてきたが、比較的安価なドローン技術の技術を受けて対応を急ぐ必要に迫られている。
 米海軍は数年前から使い捨て水上ドローンの取得も望んできた。
「PRIME」と呼ばれる最新の取り組みでは、自律型の海上阻止艇として活動する水上ドローンを月に10隻以上生産することが計画されている。
米国防総省の国防イノベーション・ユニット(DIU)との共同プロジェクトであるPRIMEは、紅海やペルシャ湾で第5艦隊(司令部バーレーン)の状況把握能力を高めるのが目的と考えられる。
シンクタンクの米海軍協会(USNI)が運営するニュースサイト「USNIニューズ」の記事によれば、PRIMEにはまた別の動機もあるという。
「中国による台湾侵攻


を抑止するうえで鍵となり得る攻撃ドローン」を多数製造することだ。
海軍アナリストのブライアン・クラークはUSNIニューズに、PRIMEは「キネティック(動的)で殺傷力のある新しいUSV(水上ドローン)を実戦配備しようとする取り組み」だと述べ、これらの水上ドローンは台湾海峡を含む西太平洋での使用が想定されているとの見方を示している。
この見方が正しいのかどうかは判断しかねるものの、ウクライナ情報総局の動画が告げているメッセージと合致するのは確かだ。
小型で費用対効果の高い水上ドローンを戦術に見合った数投入すれば、主要な海軍アセットを寄せ付けないようにしたり、必要なら破壊したりできるということだ。
同じ記事によると、米海軍は太平洋で「ヘルスケープ(地獄絵図)」と名づけた構想の実験も密かに行っている。
水陸両用作戦による台湾侵攻を攻撃型の無人機と無人艇の組み合わせで妨害する想定だという。
USNIニューズは、この構想は「ウクライナによって開発され、市販の部品で製造された低コストで殺傷力のある水上ドローン」の登場が契機の1つになったと分析している。


もしそうだとすれば、ウクライナ情報総局の動画は、米海軍が内部でヘルスケープ構想を進めるのを後押しするものになったかもしれない。それは同時に、水上ドローンを含め、ドローンに対する最大の防御はドローンを大量に用いる効果的な攻撃だという、古典的な考え方を支持するものにもなっただろう。







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