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森田療法における 「あるがまま」とは、- - - 、法政大学大学院人間社会研究科臨床心理学専攻 教授 久保田幹子

2022-05-20 13:01:59 | 連絡

法政大学大学院人間社会研究科臨床心理学専攻 教授 久保田幹子(くぼた みきこ)
東京慈恵会医科大学森田療法センター臨床心理長を兼務。上智大学大学院文学研 究科臨床心理学専攻博士後期課程満期退学。
1998 〜 2000年,ミシガン大学精神神経科にて認知行動療法と入 院・外来治療の研修,および精神分析的精神療法の研修を受ける。
2006年より現職。専門は森田療法,比較心 理療法,臨床心理学。著書は『女性はなぜ生きづらいのか:森田療法で悩みや不安を解決する』(共著,白揚社), 『森田療法で読む強迫性障害:その理解と治し方』(共著,白揚社)など。
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森田療法は1919年に森田正馬によって創始 された神経症に対する心理療法である。
今年で 100年の歴史をもつ日本独自の治療法であるに もかかわらず近年までその詳細はあまり知られ ていなかったが,入院治療から外来森田療法が 昨今主流になり,多くの心理臨床家が学び,実 践している。
「あるがまま」は森田療法の鍵概 念である。平易な言葉である一方,その意味を 理解することは難しい。
そこで本稿では,森田 療法の理解と介入を概説しつつ,森田療法にお ける「あるがまま」について解説する。
 〇森田療法における神経症の理解と治療目標
  森田療法における「あるがまま」を語るに は,まず森田療法における神経症の理解の仕方 を説明する必要があるだろう。  
森田療法の特徴は,神経症者が問題としてい る「不安」を病理ではなく,自然な感情と理解 する点であろう。
多くの心理療法(精神療法), とりわけ西洋の学派では,不安を病理として理 解し,その原因を探求し,不安や症状の消去 や解決を目指していく。
しかし森田療法では, 『根本的な恐怖は,死の恐怖であって,それは 表から見れば,生きたいという欲求でありま す』*6 
*6 森田正馬(1974)『森田正馬全集 5』 p.113. 白揚社
> 
と森田が述べているように,不安は「よ り良く生きたい」という欲求(生の欲望)の裏 返しと捉えていく。
つまり「こうありたい」と いう願望がなければ,それが損なわれる不安も 生じないとし,あくまでも人間にとって避けられない自然な感情と理解するのである。ここに 森田の人間観と森田療法の独自性がある。 
 それは,『「欲望はこれをあきらめることはで きぬ」〜「死は恐れざるを得ず」との二つの公 式が,私の自覚から得た動かすべからざる事実 であります』*6 といった森田の言葉からもわか るように,まさに自身の体験から実感している 人間理解と言ってもよいだろう。 
 ではどうして自然な感情である不安が神経症 を生み出すのだろうか
それを森田は「とらわ れの機制(悪循環)」として説明した*4 。
*4 森田正馬(1928)神経質ノ本態及療法. 『森田正馬全 集 2』 pp.281-442. 白揚社
つまり, 不安そのものが問題なのではなく,不安に対す る態度が神経症に繋がると考えたのである。  「
とらわれの機制」は二つの要素から成るが,
① その一つは,注意と感覚が相互に影響すること によって生じる悪循環(精神交互作用)である*4 。 
例えば,人前で顔がこわばる自分に不安・違和 感を抱き,表情に注意が集中すると,より感覚 が敏感になり,さらに不安がつのって一層顔が こわばるというように,注意と感覚が相互賦活 的に作用して症状が強まる機制である。
もう一 つは思想の矛盾と呼ばれるもので,悪循環を生 じさせる構えである
*3 。
<*3 森田正馬(1926)神経衰弱及強迫観念の根治法. 『森 田正馬全集 2』 pp.71-278. 白揚社 
とらわれやすい人々は, 自然に生じる感情を「かくあらねばならない」 と考え,知的に解決しようとする。
これは自然 や心身を支配しようとする万能感,もしくはコ ントロール欲求ということもできるが,不快な 感情を「あってはならないもの」として観念的 にやりくりしようとするために,より一層思うようにならない自己(理想の自己と現実の自己 とのギャップ)に葛藤が生じるのである。
これ は不可能を可能にしようとする試みであり,先 の例であれば,「人前ではきちんとしていなけ ればならない」と考えるために,緊張してしま う自分を「ふがいない」と感じ,緊張しないよ うにと身構える結果,かえってそれにとらわれ てしまうといったものである。  
 森田は,不安の対象はさまざまであっても, 「とらわれ」が生じる背後には共通の性格傾向 があることを見出し,それを神経質性格と名 づけた*3 。
<*3 森田正馬(1926)神経衰弱及強迫観念の根治法. 『森 田正馬全集 2』 pp.71-278. 白揚社 
神経質性格とは内向的,自己内省的, 心配性,敏感といった弱力的な側面と同時に, 完全主義,理想主義,頑固,負けず嫌いといっ た強力的な側面を持ち,内的葛藤を生じやすい ことが特徴である。  
先に述べたように,森田療法では不安と欲求 は表裏一体とみなすが,神経質性格を持つ者 は「かくあらねばならない」と自らに完全を求 めるがゆえに(思想の矛盾),不安や違和感を 抱くと,それを特別視した上で排除しようとし て,より一層とらわれる(悪循環)結果,神経 症に発展すると理解するのである。  
したがって治療目標は,この「とらわれ(悪 循環)」からの脱出と,本来の欲求(生の欲望) を自分らしく発揮できるよう援助することに据 えられる(図1)図1 病理の理解と治療目標(久保田,2009 をも とに著者改変) *1 。*1 久保田幹子(2009)対人恐怖の森田療法.『こころ の科学』147,72-78. 日本評論社 
< 下記URL参照」
そこでは,不安や症状の原 因を探ること,あるいはそれを直接解決するこ とに焦点づけをしない。あくまでも不安も欲求 (生の欲望)も自然なものとして「あるがまま」 に受けとめる姿勢(受容)を培うと共に,本来 の欲求(生の欲望)にも「あるがまま」にした がって目前の生活に関わり自己を成長させるよ う促していく。こうしてとらわれからの脱却を 図ると共に,ありのままの自己を受けとめ,生の欲望に則って自分らしい生き方が実現できる よう(自己実現)援助していくのである。 
 〇「あるがまま」の姿勢とは
では,森田療法における「あるがまま」とは どのような姿勢を指すのであろうか。森田の言 葉も紹介しつつ,具体的に振り返ってみたい。
  ①不安に対する「あるがまま」
  「あるがまま」の一つは,不安に対する態度 である。
すなわち,不安も自然な感情の一つと して,「そのまま」つき合う姿勢を指す。森田 は『「柳は緑,花は紅」である。
憂鬱や絶望 を面白くし,雨を晴天にし,柳を紅にしようと するのが不可能の努力であって,世の中にこれ 以上の苦痛なことはない』*7 
*7 森田正馬(1974)『森田正馬全集 5』 p.188. 白揚社 
『夏は暑い。嫌な ことは気になる。不安は苦しい。雪は白い。夜 は暗い。なんともしかたがない。それが事実で あるから,どうとも別に考え方を工夫する余地 はない』*5 と述べている。
*5 森田正馬(1974)『森田正馬全集 4』 p.41. 白揚社 
つまり,不安も境遇 も自分の思い通りにはならないものであって, 自然なありのままの事実として,「そのまま」 受けとめることを促しているのである。そこに は「納得」も「受け入れる」姿勢も不要であ る。
事実は変えられないものとして,仕方がな い=Fact Findingと受けとめるということである。 
②欲求(生の欲望)に対する「あるがまま」
 もう一つの「あるがまま」は本来の欲求に対 する態度である。
すなわち,「こうありたい」 という自らの欲求も「そのまま」=Fact Finding受けとめ,そ れに従って行動に移す姿勢である。
その際,森 田は『時間がたてば腹がへり,ご馳走を見れば 食べたくなる。これが「感じ」である』8 と述 べているように,おのずと湧き起こる欲求を重 視している。
これは,観念的に理屈をつけた り,「価値ある行動」「万全な行動」を求めてし まう神経症者に対し,自らの欲求のままに動く だけで十分,と伝えようとするものである。  
このように,森田が述べる「あるがまま」と は,
不安のやりくりは不可能な努力とし,事実 は事実としてそのまま受けとめる姿勢=Fact Findingと同時に, 
➁生の欲望に従って日常生活に関わる姿勢を促す といった二つのメッセージを含んでいる。
 〇「あるがまま」の姿勢をどのように培うか
 では,神経症者はどのように「あるがまま」 の姿勢を身につけ,「とらわれ」から脱してい くのであろうか。  実際,不安に圧倒され,それを必死に取り除 こうとしている患者にとって,不安と付き合い つつ行動することは決して容易なことではな い。
それを後押しするものとして,以下がポイ ントと言えるだろう。
①不毛な試みとそこに潜む感情を共有  
不安を排除する試みは本当の解決に繋がって いない事実(悪循環)を繰り返し拾い上げ,不 毛な努力であることを共有していく。
それ以上 に,求めていた生活も結果的に失っている事実 を伝えながら,患者が感じている悔しさやジレ ンマなどの感情に焦点を当て,欲求があるから こそのジレンマと理解し,それを原動力に一歩 踏み出してみるよう励ましていく。 
②感情の法則(図2)*2
図 2 感情の法則 下記URL
参照
*2 久保田幹子(2012)森田療法における受容:体験を 通した受容のプロセスについて. 『日本森田療法学会 誌』23, 41-45. 
  森田が「感情の法則」*10
*10 森田正馬(1974)『森田正馬全集 7』 p.62. 白揚社
として明確化した感 情の特性を伝えていく。
すなわち,不安もどの ような感情もそのまま放任すれば,時を経るに したがって自然に消失することを伝え,時間の 経過を待つよう促していく。 
③「せめて」「とりあえず」の姿勢
 しかし,「不安がいつおさまるのか……」と にらめっこをしていては常に注意は不安に集中 してしまう。
森田療法では,行動を通して注 意の転換を図っていく(図2下)。
ただし,そ の行動は症状克服のための試みである必要はな く生活上のどんな些細なものでも構わない。 
不安を感じながらでも,何かしらに手が出せる よう,「とりあえず」「せめて」とわかりやすい 言葉で後押しをしていくことが重要である。
 ④比喩の活用
これまでの例でもわかるように,森田は治療 においてかなり比喩を活用している。
それは, 観念的な神経症者に対する説得や説明が逆効果 であることを熟知しているからであり,身体を 通した実感を掴ませようとする臨床的工夫と言 える。
実際,著者も臨床場面において比喩やた とえ話はかなり活用している。例えば,
「春が来ない冬はない」
「台風は嫌だが,いつかは通 り過ぎる」
「突然ゲリラ豪雨にあったらどうす るか? 雨をやますことはできないが,雨宿り やコンビニで傘を買うなど,何か対処するので は? 
不安もそれと同じ」などである。
これは 不安を特別視し,まず排除しようとする患者に 対し,日常体験に照らしながらその付き合い方 を伝えるための介入である。 
 これらの関わりを通して,
「不安なまま(不 安はそこにあるまま)」
「せめて,何ができるか」 を問い,
患者自らの試行錯誤と患者自身の体 験を促していく。
観念的構えを打破するには, 「百聞は一見にしかず」で,患者自身の体験の 積み重ねが必須なのである。
〇 森田療法における「あるがまま」とは 
ここで事例を紹介する。
パニック症の女性の Aさんは,息苦しくなるとすぐに病院に駆け込 んだり,実家に逃げ込む生活を送っていたが, 森田療法の介入を続ける中で少しずつ,不安を すぐに回避せず,できることを試行錯誤するよ うになっていった。
何とかなる経験を得る中 で,Aさんは次のように語った。
「美容院でパー マをかけている最中,息苦しくなってきた。
ま ずい!と思ったが,不安はまた来るものなん だ,しょうがないと思った時に,最近髪の毛が 痛んでいるのが気になっていたのでそのことを 聞いてみようと思って,美容師さんに手入れの 方法を質問してみた。
それを聞いているうちに 息苦しさは軽くなっていた」。  
また不潔恐怖症に悩んでいた女性Bさんは,洗浄強迫行為のために外出もままならない状態 だった。
しかし,治療を通して際限ない手洗い の疲労と不毛さを自覚し,少しずつ生活の幅を 広げていった。
好きなライブもこれまで症状の ために諦めてきたBさんだったが,どうしても 行きたいと思って行動に移したところ,本当に 幸せな気持ちで帰ってくることができた。  
この二例からもわかるように,森田療法にお ける「あるがまま」とは,不安も含めた感情は 思い通りにならないものとして付き合い,同時 にそこでできることを探る姿勢である。
その 際最も重要となるのは,観念的理解ではなく様々な体験を通した実感・理解と言える。
森 田が『「あるがまま」になろうとしては,それ は「求めんとすれば得られず」で,すでに「あ るがまま」ではない。
なぜなら「あるがまま」 になろうとするのは,実はこれによって,自分 の苦痛を回避しようとする野心があるのであっ て,苦痛は当然苦痛であるということの「ある がまま」とは,まったく反対であるからであ る』*8 
*88 森田正馬(1974)『森田正馬全集 5』 p.406. 白揚社 
と述べている。
自らを観念的に操作しよ うとすれば,単に新たな「とらわれ」を生むだ けだからである。
患者は,セラピスト(注1)
(注1)
セラピスト柔道整復師、鍼灸師、公認心理師になるには|専門資格を取得する
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https://blog.goo.ne.jp/globalstandard_ieee/e/3426aef13bda3de7ba819435ef30a55d

セラピストってどんな仕事? 資格や職種カイロプラクター,臨床心理士・・・と目指す方法を解説!【国家資格・民間資格】
https://blog.goo.ne.jp/globalstandard_ieee/e/8ff3b8c729f166e364da2e676f61b922


に支えられ試行錯誤を 繰り返す中で,「できないこと(感情のコント ロール,過去・未来・他人など)」と「できる こと(感情との付き合い方,行動の仕方)」の 両方がある事実を知り,全てを思い通りにする ことは不可能な現実を知ることになる。
それは 「快・不快,好き・嫌い,得意・不得意,完全・ 不完全」など,感情にも事象にも全て両面があ るという事実,それが自然であることを受けと めるプロセスである。
こうした事実を体験通 して知ることが,森田療法における「あるがま ま」と言えるだろう。
 最後に,昨今共通点が指摘されている第三世 代の認知行動療法との違いについて多少触れて おく。
マインドフルネス認知療法では,マイン ドフルネス瞑想という特有の方法で,意図的に 「価値判断をはさまず」注意を払うことによっ て感情の気づきを促していく。
またACTは, こうしたマインドフルネスやアクセプタンスによる感情の気づきや受容と,行動活性化を段階 的に進めていくことが特徴と言える。
一方森田 療法では,自然にわき起こる感情や,行動を介 して生じる感情体験に焦点を当て,その自覚を 促していく。
つまり,マインドフルネスのよう に感情をあえて観察することを主目的としな い。
森田療法では,不安排除の姿勢を一時的に 封じ込めることと,生の欲望を原動力にした外 界への関与を同時一体的に促すことによって, 症状からの脱焦点化を図り,とらわれを打破し ていく。
それは,症状排除のみに使われていた エネルギーの方向性を変えるといった転換を図 る関わりであり,同時に神経質を生かすことに 通じる。
患者は,健康な欲求に着目する治療者 に支えられつつ,様々な感情のみならず,あり のままの自己の受容を深めていくのである。
 〇おわりに
森田療法における「あるがまま」について述 べてきた。
「仕方がない」と現実を受けとめる ことは,自らの限界を知ることでもあるが,そ れは単なる諦めではなく,本来の欲求を生かす ためにどこに力を注ぐかといった自己実現の方 向性を見出すことにも繋がっていく。
森田療法 が「とらわれ」の打破のみならず,生き方を支 援する治療法と言われるゆえんはそこにあるの である。
 文 献 
1 久保田幹子(2009)対人恐怖の森田療法.『こころ の科学』147,72-78. 日本評論社 
2 久保田幹子(2012)森田療法における受容:体験を 通した受容のプロセスについて. 『日本森田療法学会 誌』23, 41-45. 
3 森田正馬(1926)神経衰弱及強迫観念の根治法. 『森 田正馬全集 2』 pp.71-278. 白揚社 
4 森田正馬(1928)神経質ノ本態及療法. 『森田正馬全 集 2』 pp.281-442. 白揚社 
5 森田正馬(1974)『森田正馬全集 4』 p.41. 白揚社 
6 森田正馬(1974)『森田正馬全集 5』 p.113. 白揚社
 7 森田正馬(1974)『森田正馬全集 5』 p.188. 白揚社 
8 森田正馬(1974)『森田正馬全集 5』 p.406. 白揚社 
9 森田正馬(1974)『森田正馬全集 5』 p.710. 白揚社 
10 森田正馬(1974)『森田正馬全集 7』 p.62. 白揚社



老化を防ぐ―最新のアンチエイジング医療2015/10/30国際医療福祉大学 大学院教授、和田秀樹

2022-05-20 09:53:07 | 連絡
『アンチエイジングの重要性―高齢者医療を考える』で、精神科医療も含め、高齢の方が健康を保つためには、心身ともに診療が可能な専門医と医療機関の整備が必要だということを述べました。
また、疾患の発症が見られた場合は、早期に治療を開始することはいうまでもありませんが、健康なうちから老化を防ぐ方法を実践することによって、精神科領域も含めて健康を維持しやすくなることを説明しました。
今回は医師が行うアンチエイジング医療について、国際医療福祉大学・大学院教授の和田秀樹先生に解説していただきます。
 〇老化現象の原因である細胞の機能不全とは?
 老化という言葉を聞くと、シミやシワ、体重増加、視力や聴力などの低下、記憶力の低下、性欲の減退など、様々な症状が思い浮かぶでしょう。
老化によってシミやシワが気になられた方のうち、大多数の人は、シミやシワを消す治療を検討されるようです。
しかしながら、クロード・ショーシャ博士が提唱する抗加齢医学では、私たちの身体の全ての細胞が健全で若い頃と同じような機能を保っていれば、老化現象は発生しないと考えます。
したがって、老化現象は細胞の機能不全が根本的な原因だという考えに至ります。
抽象的に聞こえるかもしれませんが、ここでいう細胞の機能不全とは、大別して以下のとおりです。
1.酸化(活性酸素によって細胞がさびる状態)
2.糖化(余分な血糖によるタンパク質の変性)
3.性ホルモンの減少
〇細胞の機能不全に対する治療。ショーシャメソッドという方法」
1の酸化については、食物によってアレルギーが起こることはよく知られています。
また、長期間摂取すると腸管内で慢性的なアレルギーを起こす食物があると抗加齢医学では考えています。
腸管内にアレルギーが起こると免疫機能の変化などが起き、結果として老化を早めることになります。
そのため、栄養状態はもちろん、食事の内容や食事をする時間についても管理を行うことを基本にしています。
必要に応じてサプリメントを利用することもあります。 
3の性ホルモンの減少については、医師に直接治療を受けていただくことになりますが、具体的には検査を含めて以下の治療を実施します。(ショーシャメソッドと呼ばれています)
・体の酸化予防のための120種類に及ぶ食品アレルギー検査
 ・尿検査による代謝機能などの測定とそれに基づく老化度の判定
全血検査による若返りに関連するホルモン測定、微量元素などの測定
 それに基づくホルモン補充、食事指導など
・ボトックスを含む、容姿の若返りのための医療行為 
・心の若さを保つためのカウンセリング
 ・ホルモン治療、栄養治療を併用した発毛プログラム
 ホルモン補充が老化を防ぐというと、イメージしにくいかもしれません。
しかし、ホルモンの補充によって代謝機能を若い頃まで高め、ふつうに食事を摂っても太りにくい体になると、様々な社会的活動に対しても意欲を持てるようにできることが分かっています。 
その好例の一つが男性ホルモンの補充だと考えられます。
男性の脱毛は、テストステロン(男性ホルモンの一種)が関与しているといわれていますが、もっとも男性ホルモンの分泌が盛んになる思春期に髪の毛が薄くなる人はまれです。
したがって、男性ホルモンの分泌が盛んになれば髪の毛が薄くなるというのは正確ではありません。
壮年期の男性の髪の毛が薄くなるのはジヒドロテストステロンの影響のためだということがわかっています。
また、単に中高年以降では、テストステロンを補充してもジヒドロテストステロンがある一定の割合で変わってしまうこともわかっていますので、抗加齢医学においては、テストステロンの補充療法においても、これらのことを意識した上で慎重な投与を行います。
私は精神分析・森田療法(注1)を学んだことから、これを患者さんの治療プログラムに取り入れています。
(注1)森田療法における 「あるがまま」とは、- - - 、法政大学大学院人間社会研究科臨床心理学専攻 教授 久保田幹子
https://blog.goo.ne.jp/globalstandard_ieee/e/b2001637d934b576086a41e4856ead14
これは、中高年以降は心と体の結びつきが強まり、心の不調が体の不調につながるだけでなく、老化が進行する原因となることがわかっているためです。
 https://medicalnote.jp/contents/150909-000012-AUWPVP

高齢者における精神医療の課題2015/10/27国際医療福祉大学・大学院教授の和田秀樹先生

2022-05-20 09:34:48 | 連絡
『高齢化社会のなかで―高齢者医療とは?』で、日本は急速に高齢化が進んでいるものの、高齢者専門の総合病院や専門医が極めて少ない状態にあることを述べました。また、高齢者は若年層と違い、心と体のバランスが健康状態に与える影響が大きいため、心と体の状態を意識しながら治療を行うことが重要だということにも触れました。本記事では、高齢者における精神医療の課題について、国際医療福祉大学・大学院教授の和田秀樹先生
東京大学医学部を卒業後、同大学付属病院精神神経科、老人科、神経内科での研修を経て、精神科領域において臨床に広く携わる。
国際医療福祉大学では、医療ジャーナリズム・臨床心理を指導する傍ら、自身が代表を務めるクリニックにおいて診療を重ねる。
森田正馬(まさたけ)医師が開発した森田療法を改良した精神療法をはじめ、アンチエイジングに関する診療を行うことで注目を集めている。
  • 国際医療福祉大学 大学院教授
  • 和田秀樹こころと体のクリニック 院長
  • 日本神経学会 認定医
  • 臨床心理士 取得
  • 日本精神分析学会 認定精神療法医

に解説していただきます。 
〇高齢者医療の精神医療をめぐる課題について
高齢の方は若年層の方に比べて心と体のバランスが健康状態に影響を与えやすくなっていることがほとんどです。
したがって、精神科の治療を受けていない方でも、ちょっとした気持ちの変調から介護拒否を起こしたりして、ご家族や医療従事者が対応に苦慮するケースがままみられます。
また、幻覚・妄想・興奮・暴力・徘徊・不潔行為などといった精神科医の治療が必要な精神症状が見られる方は精神科の受診を拒否することが多く、ご家族や地域社会との関係の中で摩擦を生んでしまうことが珍しくありません。
このような患者さんに必要な医療を受けていただくために、東京都立精神保健福祉センターをはじめ、各自治体は専門機関を設け、相談体制を提供しています。
また、患者さんご本人の同意が得られない場合、法令に基づいて入院治療を受けていただく「医療保護入院」という制度も用意されています。
ですが、『高齢化社会のなかで―高齢者医療とは?』で述べたように、高齢者を専門に受け入れている総合病院はごく少数です。
したがって、高齢の方が最良の精神科医療を受けられる体制が整っているかといわれれば、疑問が残ります。
極端な例になりますが、結核などのように法令で指定された感染症を合併症として併発している精神科領域の患者さんは、受け入れ先の病院が極めて限られてしまいます。
生活圏から離れた病院に入院しなければならなくなることも多く、患者さんだけでなく、介護にあたるご家族にも相当な負担が生じることも珍しくありません。
〇問題は入院患者さんだけでなく、通院治療の方にも
入院が必要な患者さんだけでなく、通院治療を受ける方にも同じことがいえます。
特に精神科医療においては、薬物療法について議論がなされるものの、エビデンス(医学的な根拠)に基づいた意見ばかりではないのが現状です。
たとえば認知症の問題が問われていますが、うつ病を認知症と誤診されるリスクがあります。
また、うつ病の生物学的な要因を明確に把握し認知症以外の精神症状を治療できる専門医が少なすぎるため、患者さんご本人のみならず、介護にあたるご家族にも負担が強いられる現状があります
これに対して行政と医療者が現実を認識し、制度上の問題も含めて改善を図らなければなりません。
医療従事者においては、大学病院以外に老年医学の専門医を養成する研修施設を増やすなどといった施策が必要です。
行政においては先述の長期入院の上で治療を行える拠点病院を増やし、他の疾患(たとえばがんなど)の終末期医療を行えるホスピスなどの施設とも連携をとった医療制度を考える必要があるでしょう。
また、行政においては、精神保健の観点から老年世代の方が集まれる場所を意識して用意することも重要です。
よく「病院の待合室が年配の方のたまり場になる」ということがいわれます。しかしながら、仕事をリタイアされた方が集まれるコミュニティがないために、このような状態になる実態があるのは間違いありません。
精神科医療において「グループ療法」というものがあります。
医師、看護師、臨床心理士などといった専門家がサポートした上で、同じ病気の治療を受ける方が悩みなどを話し、心理的な負担を軽減するものです。
かつてはグループ療法の機能を担っていたコミュニティが多数存在しました。『高齢化社会のなかで―高齢者医療とは?』で、高齢者の方は心身のバランスが若い方よりもデリケートになっていると述べましたが、高齢の方が同年代の方や若い方と交流できるコミュニティを用意することで心の負担を軽減し、結果として心身の健康増進を図ることができるのではないでしょうか。
高齢者医療(和田秀樹先生)の連載記事
  1. 1高齢化社会のなかで―高齢者医療とは?
  2. 2高齢者における精神医療の課題
  3. 3高齢者における精神医療のこれから
  4. 4アンチエイジングの重要性―高齢者医療を考える
  5. 5老化を防ぐ―最新のアンチエイジング医療