鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

白銀の巫女ー桂木透子ー宇宙戦艦ヤマト2202外伝ー第三十三話

2019-01-24 02:28:22 | 宇宙戦艦ヤマト2202外伝



ー白銀の巫女ー桂木透子ー
宇宙戦艦ヤマト2202外伝

第三十三話


ー火星圏アステロイド空間ー


地球・ガミラス連合艦隊残存部隊は、先行偵察に赴いた宇宙戦艦ヤマトとの交信が途絶した事により、作戦を変更、地球圏まで撤退を開始した。

ガミラス:バレル艦隊バーガー率いる斬り込み隊を先頭に、バレル艦及び地球残存艦隊を挟むようにガミラス残存艦隊がシンガリを務め、回頭、進路を地球とした。

「俺には、古代らが、あの古代が沈むとは思えねぇ。」
「思いたくねぇ。」
バーガーは、そう口ずさみ正面のメイトモニタをじっと見つめた。

「通信オペレーター。バレル閣下にダイレクトコールを繋げ。」
バーガーが命令を飛ばすと同時に、メイトモニタにバレル大使が浮かび上がる。

「閣下。例のものの使用許可を。」
「この一線を超えられたら地球(テロン)はおしまいだ。」
「俺たちは一度、撤退して体制を整えられるが、地球(テロン)は、そうは行かねぇ。」

「よかろう。私も君と同じ事を考えていたところだ。」

「だが、バーガー。死を急ぐなよ。」
「ネレディアの哀しむ顔は見たくないからな。」

バーガーは口角を上げ、自信たっぷりの顔を覗かせていた。
バレルにはそれだけで、伝わっていた。


◆◆◆◆




「ディッツ将軍。どうなさいました?」
「銃など向けて。」

「何時までも、君を自由にはさせている訳にはゆかんのでな。」
「エリーサ殿の偽者。正体をさらけ出せ!」

「私が偽者?」
「将軍ったら冗談がお好きねっ!!」

「タンッ!タンッ!」銃声が二発、ブリッジ内に響き渡り、ガルの手から落ちるコスモガン。
「カチリン!」と音色を響かせ、床に落ちた。
二秒差で膝から崩れるようにエリーサが床に倒れた。
エリーサにはまだ息があるようだ。
エリーサが銃を握る手をガルは左足で踏みつけ、右足で銃を蹴り飛ばした。

「貴様は誰か?」
「何処の所属か?」
ガルが問いかけるも偽者エリーサは、口を閉ざしたまま、ガルを睨んでいた。
ガルは、偽者エリーサに馬乗り成ると、左手で偽者エリーサの顎の下に手を入れ、マスクを脱がした。

「やはり、アベルト派か。氏かも旧親衛隊所属。」
「あの男、生きていたようだな。」
「ハイドム・ギムレー。」
「そうだな!貴様の上官はギムレーなのだろ!?」

偽者エリーサは観念したのか、首を縦に振った。

ガルは立ち上がり、指を「パチリ」と鳴らした。
新型ガミロイド衛兵二体が偽者エリーサ:旧親衛隊女衛士を拘束した。



「営倉に入れ、傷の手当てをしてやれ。」
「あとで尋問する。」

「ザーベルク。」機械訛りで返事を返す新型ガミロイド衛兵。



「奴が生きていたとわな。」


◆◆◆◆




「どうやらユリーシャが戻って来たようです。」

「そのようですね。陛下。」
スターシャの後ろに、右の額から頬にかけて傷の入った元ガミラス親衛隊長官ハイドム・ギムレーの姿があった・・・




第三十四話
つづく。


使用している画像はイメージです。
一部、ネット内に出回っている拾い画像を使用しています。

この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2202愛の戦士たち》の二次創作です。
一部、公式より引用。

雪は土方の実子だった!?

2019-01-24 00:36:24 | 宇宙戦艦ヤマト2202



2202第六章まで見直したのですが、四年以上の記憶を喪失しているように思えるんですよ。
国連宇宙軍に居た事すら曖昧で、入隊前までの記憶喪失ではと。
でも、その辺りも語られていないので、想像に過ぎませんが。

私の妄想では、森家に預けられた子で、雪は土方の実子ではないかと思っています。
預かっていただけなら何かに事あるごとに"雪"と名前で呼ばないと思います。沖田さんや他のクルーたちのように森とか森君と呼ぶのではないかと。

ガミラスとの開戦当初に土方は戦地に赴く為、親友であり政府の高官である森直之に預けられた。(生まれてすぐに。土方の奥さんは雪を生んで死亡。)

そして、何かの手違いで土方は戦死したと聞かされ、森直之が実の親として雪を育てていたが、後に戦死は誤報である事が解ったが、雪も物心の付く歳に成長していた為、そのまま森家の子として育てられた。
しかし、不幸にして、森直之と奥さんは遊星爆弾の犠牲に。
その後、土方が保護したが思春期の雪に本当の事を言えず今日に至る。と妄想してます。




追記

白色の巫女ー桂木透子ー宇宙戦艦ヤマト2202外伝ー第三十二話

2019-01-20 23:40:44 | 宇宙戦艦ヤマト2202外伝



ー白銀の巫女ー桂木透子ー
宇宙戦艦ヤマト2202外伝

第三十二話


クラウスの傷の治療が済んだその日の晩、私はクラウスに呼ばれた。
スパイであった私が、いくら艦長が皆の前で敵視するなと云ったからといって、全員が「はい。そうですか。」とは行かない。
空間騎兵隊をはじめ、航空隊のメンバー、ヤマトのクルーの三分の二は私を疑っている。
「言葉には出さないけどね。」

「見張られている……。」
そう心に思いながら、クラウスの待つ独房へ。
もう今では、独房としては機能していない。
主に負傷者の部屋と化しているのが、現状だ。
使えるものは何でも使う。である。
見張っている者の中に玲も確認できた。
私はわざと笑みを浮かべ、ウインクを飛ばした。
目線を反らし、顔を明後日の方へ向けた。
ヤマトは、ワープを重ねて36時間で地球圏に到達する位置にいる。
敵であるガトランティスは、微塵も感じない。
それもそのはず、地球が絶対防衛ラインとした火星圏を突破しようと、総力戦を仕掛けているのだから。

私はクラウスの部屋へ入った。
鍵は掛けない約束に、私は従った。
鍵を掛けないどころか私は、数センチの隙間をわざと開け、入室した。
覗く気に成れば覗けるし、会話を聴こうと思えば聞ける。
そんな事は私には、お構い無しなのだ。
むしろ覗き見、盗み聞き歓迎だった。
噂として拡散(ひろまれ)ば良いとさえ思っていた。

部屋へ入るなり、クラウスは、こう話を切り出した。

「サーベラー。お前を死なせたくはない。」と。

「あら、どうして?」
「私はヤマトを窮地に追いやった張本人よ。」
「たまたま、デスラー戦で加勢した。ただそれだけでしょ!?」
私はクラウスの問いかけに、そう答えた。
同時にドアの影に人を感じた。
"玲だ"と解った。
私は気がつかない素振りを見せ、話を続けた。

「何故、素直にならない。」
クラウスは告げて来る。

「素直な女が好み?」
「それなら、貴方が素直にしてみれば?」
そう云って私はクラウスが横たわるベッドへ歩み寄る。



「私はゼムリアの巫女。戦況を占う巫女。」
「勝利へ導く、白色の巫女と異名を持つ女よ。」
「跪付いて命乞いなんてしないわ。」私はそう云いながら瞳を潤ませた。

私を見つめるクラウス。

「お前らしいな。」
そう云いながら「ムクリ」と上半身を起こし、私の瞳の真下を人差し指の指先で、潤んで溢れた涙を拭き取るようになぞった。
私は震える身体でクラウスに抱きついた。
クラウスが「ギュッ」と抱き締めて来る。
髪を解かすよいに撫でてくる。

「……死にたくない………。」
私はクラウスの耳元で、震える声でそう答えた。
クラウスがまっすぐ私を見つめる。
唇を重ねて来る。
私は瞳を閉じ、クラウスのリードに身体(み)を任せた。
ソフトなキスから愛を感じるキスへと変わってゆく・・・

ドアに隠れるように室内の様子を伺っていた玲は、そっと姿を消した。

「うふふ。」と心の中で微笑んだ。



私はクラウスの上に乗るように、ゆっくりと腰を沈めてゆく・・・
やがてクラウスの息が早くなるのと同時に、私は腰を深く沈めて、全てを受け止めた。
私はクラウスの腕の中で、一枚のシーツに包まれ眠りに着いた。

24時間後、受精した事を確認出来た。



「これでゴレムによって消滅させられる事はないわ。」
「大帝、貴方はこれでチェックメイトに一歩近づいたわね。」

宇宙戦艦ヤマトは24時間後、最後のワープに入る。
決戦に備え準備に入った。


◆◆◆◆


上級士官用のビッフェバーから戻ったメーデュース大佐は、数体のガミロイドを連れ、惑星ビーメラに降り立った。
目的は、ビーメラの大地に眠るシュヘラザードの回収である。
ユリーシャが残したシュヘラザードとビーメラの大地に眠るシュヘラザードで、最低限の防衛ラインを築こうというものでもあった。

外観こそ草木やそれらのツル等が絡み、朽ち果ているように見えるが、内部は330年以上も放置されたとは思えない程、正確に機能していた。
此を修復して使わない手は無い。

防衛ラインと云っても、ここビーメラに集結した艦隊を守る程度であり、ビーメラ星全体を守れる訳ではない。
あと三日もすれば、ユリーシャをイスカンダルへ送り届けたメルダも帰還する。
それまでには修復を終わらせる。

そう成るはずだった・・・



「……問題は提督だけね。」
ブリッジから眼下を眺めながらエリーサは、そう呟いた。


第三十三話
つづく。


使用している画像はイメージです。
一部、ネット内に出回っている拾い画像を使用しています。

この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2202愛の戦士たち》の二次創作です。
一部、公式より引用。