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ー白銀の巫女ー桂木透子ー
宇宙戦艦ヤマト2202外伝
第二十一話
私の暗殺に失敗したあの男は、遺跡の調査から戻ると一人で私を訪ねて来たわ。
"あの遺跡から語られた后は、お前かとね。
クラウスたちがミーティングをしている間に真実を掴もうとね。
でも、私はあの男の知りたがっていた二つの真実を教える事はしなかった。
その代わりに山本玲を犯させたの。
「上手く山本玲を抱く事が出来れば、教えるわ。」と吹き込んで。
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クルーたちの動きが慌ただしく成って来た。
時折、聞こえ来る"救援"の声。
「ヤマトが動き出す。」
◆◆◆◆
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悲しみを乗せた閃光と凄まじい地響きを感じる。
「まさか!?」
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このゼムリアを葬り去ろうと云うのか!
私の母星(ほし)を抹消しようと云うのか!
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「……タイプズォーダー!許さんッ!!」私はベッドから立ち上がり、やり場のない怒りを握りしめていた。
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「超高熱波、急接近!!」
「惑星が崩壊して行ます!!」
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「この崩壊を利用して脱出する!」
「古代戦術長!ヤマト発進ッ!!」
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「了解!」
「機関長!波動エンジン始動!!」
「ヤマト直上に感知!」
「識別は地球艦!!先ほど辛うじて通信出来た援軍と思われます!!」命令や指示が飛び交う中、レーダーを預かる西条が告げて来る。
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まさに死闘と云う言葉に相応しい、戦場の情景が、まぶたに焼き付く程であった。
「ガトランティスよ。これでも喰らうがいい!」
「波動砲、四連射てぃーーーッ!!」
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「クッ。何ぃッ!!」
「四連射でも……」
「いや、あれは……」
「あれは……ヤマト!」
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「我、ヤマトの救助に成功!」
「繰り返す……わ………」
ガトランティスの集中砲火の中、アンドロメダ一番艦を緊急改修し、ヤマト救助に赴いた山南の通信は途絶えてしまう。
◆
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そんな中、捨て身の作戦が大きな戦果を上げていた。
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「加藤二慰!聴こえているか!?」
「ブラックバード作戦は成功!」
「ヤマトを救助した山南艦アンドロメダの援護に向かえ!!」
「繰り返す!ヤマトを救助した山南艦アンドロメダの援護に向かえ!!」
◆
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「此方、ブラックバード隊の加藤。」
「山南艦長とヤマトは無事である!」
その加藤の通信に、歓喜に沸く地球連邦防衛残存艦隊。
◆◆◆◆
こうして辛うじて、ゼムリアから、いや、ガトランティス都市帝国から脱出したヤマトは、土星圏を離脱、絶対防衛ラインである火星圏を目指した。
その間(かん)、次なる作戦に備え、ガトランティス都市帝国攻略戦の準備がヤマト内では進んでいた。
そして私は朗報を掴んだ。
銀河に保護されたあのガミラスの女兵士は、無事に出産したとの情報を。
◆◆◆◆
主要部隊から外された空間騎兵隊隊長の斉藤はクラウスに詰め寄る。
「駄目だ!これは艦長命令だ!」
「ガトランティス都市帝国戦に君たち空間騎兵隊を加える事は出来ない!」
「何故だよ!」斉藤はクラウスの襟首を掴み、クラウスに詰め寄った。
「ヤマトのクルーに桂木透子以外にもスパイが居ると情報を掴んだ為だ!」
「あの女の他にスパイだと?」
「ああ。そうだ。」
「断定した訳ではないが、君たち空間騎兵隊の中に居ると桂木透子から聞いた。」
「あんな、スパイの云う事を真に受けるのか?」
一触即発な雰囲気(くうき)が流れる中、艦内アナウンスが流れる。
「第一艦橋より、各クルーへ!」
「大型ミサイル急接近!!」
そのアナウンスに各クルーは所定の配置に戻った。
だが、斉藤だけは違っていた・・・
と、そこへ「隊長。」と聞き慣れた声がする。
斉藤はふと振り返った。
永倉が斜め後ろから付いてきていたのだ。
「おう。永倉か。」
「おう。永倉か。じゃないですよ隊長。」
「隊長が何時、手を出さないかヒヤハヤでしたよ。」
苦笑いする斉藤。
「ああ。格納庫で機動甲冑の整備でもしようかと思ってな。」
斉藤はそう告げ、私の暗殺を断念した。
ムシャクシャする心はまだ、収まりを示していなかった・・・
そんな斉藤とすれ違う玲。
玲は目を合わせる事なく、足早にその場を立ち去ろとした。
「玲ちゃん。」永倉が声を掛ける。
その横で"ひょっとこ顔"を覗かせる斉藤。
「何、お馬鹿な顔をしてるの?緊急時なのに。」永倉にポカンとオデコを叩かれる斉藤。
「クスリ」と笑顔を覗かせる玲と永倉。
だが、それは玲に送ったサインでもあった。
玲は頷くそぶりを見せると同時に「今はまだ、この男(たいちょう)からは逃れられない。」と心の中で呟いた。
「永倉さんに隊長。」足を止め、軽く会釈する玲は、スクランブルに備えるので後程と告げ、その場をあとにした。
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つづく。
使用している画像はイメージです。
一部、ネット内に出回っている拾い画像を使用しています。
この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2202愛の戦士たち》の二次創作です。
一部、公式より引用。