鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

白銀の巫女ー桂木透子ー宇宙戦艦ヤマト2202外伝:第二十三話

2019-01-06 16:55:19 | 宇宙戦艦ヤマト2202外伝


ー白銀の巫女ー桂木透子ー
宇宙戦艦ヤマト2202外伝

第二十三話


【イズモ計画】

ヤマト計画の前身となる地球脱出計画。

当初はごく一部の人類のみを脱出させて、世代を継ぎながら長期間にわたり当てもない航海を行う計画だったが、2198年に来訪したイスカンダルの使者がもたらした情報と技術供与により本計画は破棄され、ヤマト計画へ転換された。
しかし、内心では未だにイズモ計画を捨て切れていない者が存在する。
イスカンダルからの技術供与によりワープが可能になったことで、移住可能な惑星を発見した後、その情報を持って地球に帰還し、より多くの人類の移住を行うことが可能になったと考え、それを画策する芹沢が新見に内密に指示を与える。
イスカンダル航海中、食料と成りうる物の調査、調達の為に立ち寄った惑星ビーメラにてヤマト内でイズモ計画派による反乱が勃発するも、イズモ計画派のふりをしていた保安科隊員星名の機転と沖田により、これを鎮圧。



【G計画】

2022年新たな脅威ガトランティスの出現により、万が一に備え、"G計画"が立案された。
それに伴い、波動実験船"銀河"建造計画及びコスモリバースシステムの解明研究計画が、プロジェクトの一環としてスタートした。
半年後、実験船の基礎設計が完成、同時に再生能力は失われたが、波動エネルギー増幅システムとして新たな"コスモリバース"のプロトタイプが完成する。



さらに半年の月日を費やし、新波動エネルギー増幅システム(コスモリバースシステム)改「コスモシステム」は完成した。
それに伴い、波動実験船銀河を"時間断層工場"にて製造、完成を急がせた。
だが、この時すでに波動実験船の二番船計画が極秘に進行していた。
"真のG計画"である。
一番船銀河で実践データとクルーの練度向上を目的とし、土星沖会戦に投入した。




これは表向き、沈みゆくヤマトから脱出したクルーの救助が第一の任務とされた。
連邦政府の思惑通り、救助されたヤマトのクルーによる銀河のクルーたちへの練度向上訓練が行われた。
そして、本命である「無人戦闘化構想」のテストデータ収集を行う。
"ブラックバード作戦"と名付けられた当作戦は、A.Iによる無人化した攻撃機(戦闘機)にて、量産型波動コアを媒体に増幅させた波動エネルギーを共鳴させ、敵戦力を壊滅又は軽減させるという作戦である。
またこの原理を利用して、各艦艇に装備された波動防壁を強化する実験データの収集も同時に行われた。
収集されたデータの内容は連邦政府及び防衛軍上層部の満足のゆくものであった。








だが戦況は悪化、さらには実験一番船銀河も失う結果と成る。
連邦政府は、G計画の本命とも云える"人類保存計画"を発動させた。

実際には、極秘に銀河が就役する1ヵ月前に発動されていた。




2203年2月

ー地球連邦防衛軍中央司令部第二会議室ー

藤堂早紀 27歳。神崎恵 36歳。市瀬美奈 20歳。日下部うらら 21歳。

「上記四名に「懐妊の兆し有り。」と診断されました。」

「極秘プロジェクトにつき、性交者についは政府関係者、軍の関係者、民間人なのか一切不明である。」
「尚、フィーニクス完成後、即ち地球離脱後は、精子バンクに集められ、フィーニクスに積み込まれたものを使用。」
「これらに関しても提供者は一切不明である。」
「また、女性クルーに関しては希望者を優先的に乗船。」
「もう一つ機密事項として、ヤマトで捕虜と成ったガミラスの侍女から産まれた子供も研究対象者として乗船。」

静まり返る第二会議室。

「藤堂長官。宜しいのですね?」軍務局長芹沢が一番に口を開いた。

「信じる事からしか始まらない事もある。」
「人類存続が最優先される。その為には多くのデータを保有するヤマトのクルーから引き継いた彼女達を再び乗船させ、データを受け継がせる。」藤堂は瞳を潤ませながらも決断を下した。

「恒星間航行船フィーニクスの完成を急がせよ。」

ガトランティスが、絶対防衛ライン火星宙域に到達したこの日、"人類希望の船:phoenix(フィーニクス)"とそれを護衛する艦艇の建造が、時間断層工場で急ピッチに進められた。


◆◆◆◆


艦名phoenix(フィーニクス)の由来として。

※阿加流比売神(あかるひめのかみ)は、日本神話に登場する、日の出の太陽を表す赤い(朱い)瑪瑙の玉の化身とされる女神。


『古事記』

昔、新羅のアグヌマ(阿具奴摩、阿具沼)という沼で女が昼寝をしていると、その陰部に日の光が虹のようになって当たった。
すると女はたちまち娠んで、赤い玉を産んだ。
その様子を見ていた男は乞い願ってその玉を貰い受け、肌身離さず持ち歩いていた。
ある日、男が牛で食べ物を山に運んでいる途中、天之日矛と出会った。天之日矛は、男が牛を殺して食べるつもりだと勘違いして捕えて牢獄に入れようとした。
男が釈明をしても天之日矛は許さなかったので、男はいつも持ち歩いていた赤い玉を差し出して、ようやく許してもらえた。
天之日矛がその玉を持ち帰って床に置くと、玉は美しい娘になった。

天之日矛は娘を正妻とし、娘は毎日美味しい料理を出していた。
しかし、ある日奢り高ぶった天之日矛が妻を罵ったので、親の国に帰ると言って小舟に乗って難波の津に逃げてきた。
その娘は、難波の比売碁曾の社に鎮まる阿加流比売神であるという。



※朱いメノウを朱雀に例え、朱雀は火を表す事から火の鳥(不死鳥)を連想しphoenix(フィーニクス)と名付けられた。



第二十四話
つづく。


使用している画像はイメージです。
一部、ネット内に出回っている拾い画像を使用しています。

この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2202愛の戦士たち》の二次創作です。
一部、公式より引用。