小説『雪花』全章

心身ともに、健康を目指す私流生活!!
食事や食材、ダイエット、美容などの豆知識がたくさんあります。

いただきます その一

2012-03-14 10:37:07 | Weblog
 
 その昔、中国では「養生」という言葉がありました。「養生とは自分の体は自分で守ることです」と記しています。つまり人間は本能的な感覚が備わっていて、自分の体のことは自分の実感で分かるということです。今日、風邪気味だなあ…と感じたら温かいものを飲んで無理なく体を休めます。いつも自分の体の声を聞いて対応していくことが「養生」でしょう。
 と言っても、このように自分の体を自分で守るのは難しい―、と思われるかもしれません。たしかに、現代ほど医学が進歩しても、もっとも多い病気である〝風邪″を治す薬はまだ発見されていません。風邪を引いた場合、飲む薬は、ただの発熱を抑えたり、咳が出ないようにしたりと言った症状を抑える薬です。いわゆるこれらの症状を和らげるだけと言ってもいいでしょう。
 では「養生」と言った真意はなんでしょうか。探ればよく分かります。それは、私たちが自分の体を守る力を蓄えれば、体内に不調がある時に、誰でもそれを治そうとする力がわいてくるのです。いわば免疫力を高めれば、さまざまな病気が自分の免疫力で治せます。その上に病気知らずの体も作れます。そして免疫力を高めるために、私たちの毎日に欠かせないのは、この食事をいただくことでしよう。
 私は日本の「いただきます」という言葉にとても感銘を受けました。両手を合わせ上げてから食事をする、という日本だけの習慣にいのちの尊さを感じます。そもそも食べることはいのちをいただくことでしょう。お肉や魚だけではなく、野菜や果物、食材はすべていのちがあるものですから、私たち人間はそれらのいのちをいただくことが、生命の源となり、健やかに過ごせているわけです。しかし、人間はいただくという当たり前のことを繰り返すと、「いただきます」の大切さを見失いがちです。お金さえ出せば簡単に食べることができる現代人では、つい「忙しい」「時間がない」と言い訳をして、お腹を満たすだけの〝作業″になってしまうことも多く見られます。
 「いただきます」その言葉をもう一度思い出してみましょう。そうすれば、私たちは、食事のいのちからもっと大きな力を得ることができます。その本当の力で病気を退けていき、病気になり難い体を作れます。
 つづく